業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態の状況

 当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ111百万円増加し、4,219百万円となりました。

 当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ45百万円増加し、1,426百万円となりました。

 当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ66百万円増加し、2,793百万円となりました

② 経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型ウイルス感染症拡大に伴う政府の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が長期化したことで経済活動が制限され、景気は停滞感を濃くしました。更に原油を中心としたエネルギー価格の上昇、部品・原材料不足の深刻化など、依然として厳しい経営環境が継続しております。

 このような環境のもと、当社は火工品事業の収益力向上に向け、営業力の強化を進めてまいりました。不安定な国際情勢の中、原材料の供給網は混乱し価格の高騰が続きましたが、適切な販売価格への転嫁に努めたことや、防衛省向け製品の受注数量が増加したことなどで前期と比べ増収となりました。

 損益面では、作業環境改善を目的とした設備投資や従業員の処遇改善を進めたことにより固定費が増加し、前期と比べ減益となりました。

 以上の結果、当事業年度の売上高は1,794百万円(前年同期比15.2%増)、営業利益181百万円(同8.3%減)、経常利益187百万円(同6.9%減)、当期純利益126百万円(同11.7%減)となりました。

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期と比べ323百万円増加し1,141百万円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は、440百万円(前事業年度は23百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益187百万円、売上債権の減少124百万円、減価償却費61百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動に使用した資金は、63百万円(前事業年度は51百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得62百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動に使用した資金は、54百万円(前事業年度は37百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払27百万円、リース債務の返済14百万円、長期借入金の返済11百万円によるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

火工品事業

1,490,689

△4.8

合計

1,490,689

△4.8

(注)1 金額は、販売価格によっております。

2 賃貸事業は、生産実績がありませんので記載しておりません。

 

b.受注実績

 当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

火工品事業

1,498,383

△11.8

841,963

△13.0

合計

1,498,383

△11.8

841,963

△13.0

(注)1 賃貸事業は、受注実績がありませんので記載しておりません。

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

火工品事業

1,624,580

16.8

賃貸事業

169,674

1.4

合計

1,794,254

15.2

(注)1 最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

防衛省

650,929

41.8

938,872

52.3

ミネベアミツミ株式会社

208,464

13.4

183,711

10.2

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

(資産)

 当事業年度末における流動資産は2,037百万円となり、前事業年度末に比べ155百万円増加いたしました。これは主に売掛金の減少120百万円、棚卸資産の減少40百万円に対し、現金及び預金の増加323百万円によるものです。固定資産は2,182百万円となり、前事業年度末に比べ43百万円減少いたしました。これは主に投資有価証券の減少44百万円によるものです。

 この結果、総資産は4,219百万円となり、前事業年度末に比べ111百万円増加いたしました。

(負債)

 当事業年度末における流動負債は904百万円となり、前事業年度末に比べ79百万円増加いたしました。これは主に未払費用の増加38百万円、買掛金の増加32百万円によるものです。固定負債は522百万円で、前事業年度末に比べ34百万円減少いたしました。これは主に繰延税金負債の減少19百万円によるものです。

 この結果、負債合計は1,426百万円となり、前事業年度に比べ45百万円増加いたしました。

(純資産)

 当事業年度末における純資産は2,793百万円となり、前事業年度に比べ66百万円増加いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金の減少32百万円に対し、利益剰余金の増加98百万円によるものです。この結果、当事業年度末の自己資本比率は前事業年度と比べ0.2ポイント減少し66.2%となりました。

 b.経営成績

1.経営成績

(売上高)

 当事業年度の売上高は、防衛省向け火工品の受注が期初の計画を大幅に上回ったことや、原材料などの高騰を効率化で吸収すると共に、販売価格を見直したことで1,794百万円(前期比15.2%増)となり、前期より236百万円増加いたしました。

(売上総利益)

 当事業年度の売上総利益は、生産現場での効率化により収益性は向上したものの、人材確保のための投資や機械設備への投資を継続した結果、524百万円となり前期より2百万円増加いたしました。

(販売費及び一般管理費)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、人件費の増加等により343百万円となり前期より19百万円増加いたしました。

(営業利益)

 当事業年度の営業利益は、長期的な視点で継続している人材や設備への投資により181百万円となり前期より16百万円減少いたしました。

(経常利益)

 当事業年度の経常利益は、187百万円となり前期より13百万円減少いたしました。

(当期純利益)

 税引前当期純利益は187百万円(前期比14百万円減)となり、税効果会計適用後の法人税等の税額負担は60百万円(前期比2百万円増加)となりました。その結果、当事業年度の当期純利益は、126百万円となり前期より16百万円減少いたしました。

2.経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「2 事業等のリスク」に記載しております。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析

 当社の資金状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりです。

b.資本の財源及び資金の流動性

1.資金需要

 当社の事業活動における運転資金需要の主なものは当社の火工品事業に関わる仕入原材料、外注加工費と賃貸事業に関わる管理費、各事業についての一般管理費等があります。また、設備資金需要としては火工品の製造設備投資等があります。

2.財務政策

 当社の資金運用については、短期的な流動預金に限定しており、必要な資金については銀行等金融機関からの借入により資金を調達しております。

 借入金を含む当期末の有利子負債残高は693百万円であります。

③ 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。

ア.繰延税金資産

 繰延税金資産は、入手可能な情報や資料に基づき将来の課税所得の見積り等を踏まえ、回収可能性に問題がないと判断した金額を計上しております。今後、将来の経営成績等が著しく変化し、繰延税金資産の全部または一部に回収可能性がないと判断した場合には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。

イ.製品保証引当金

 製品売上高に対して過年度の保証実績を基礎に算定し、製品保証引当金として計上しています。

 引当金の見積りにおいて想定していなかった製品の不具合による保証義務の発生や、引当の額を超えて保証費用が発生する場合は、当社の業績を悪化させる可能性があります。一方、実際の保証費用が引当金の額を下回った場合は引当金戻入益を計上することになります。

 新型コロナウイルス感染症について、今後の広がり方や収束時期を予測することは困難ですが、当事業年度における当社の事業活動へ与える影響は限定的であります。したがって、当事業年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であると仮定して会計上の見積りを行っております。

 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化・深刻化し、当社の事業活動に支障が生じる場合、翌事業年度以降の財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、資産効率の向上及び株主資本の有効利用が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「総資産経常利益率(ROA)」及び「株主資本利益率(ROE)」を重要な指標として位置づけいずれも5%以上を目指しております。

 当事業年度における「総資産経常利益率(ROA)」は4.5%、「株主資本利益率(ROE)」は4.6%となりました。

 自己資本比率        66.2%(前年同期比0.2ポイント減)

 総資産経常利益率(ROA) 4.5%(前年同期比0.6ポイント減)

 株主資本利益率(ROE)  4.6%(前年同期比0.9ポイント減)

引き続きこれらの指標の改善に取り組んでまいります。

(4)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(火工品事業)

 当事業年度の売上高は1,624百万円(前年同期比16.8%増)となりました。主力の防衛省向け製品では主に訓練用火工品の受注数量が想定以上に増加いたしました。また、原材料や輸送費の高騰はあったものの、販売価格の適正な見直しを図ったことなどで増収となりました。

 損益面では、生産現場の効率化及び省力化により収益性は向上いたしましたが、専門性の高い人材を確保し、従業員の意欲を高めるための投資として処遇改善を継続していることなどで、減益となりました。この結果セグメント利益は104百万円(同9.0%減)となりました。

 セグメント資産は、売掛金及び棚卸資産の減少等により、前年同期と比べ153百万円減少の1,989百万円となりました。

(賃貸事業)

当事業年度の売上高は169百万円(前年同期比1.4%増)となりました。賃貸料の見直しや新たな契約があり、セグメント利益は120百万円(同2.3%増)となりました。

 セグメント資産は、有形固定資産の減少等により、前年同期と比べ10百万円減少の634百万円となりました。

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