課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは、創業の理念である「公明正大」と「自主独立」を踏まえ、法と正しい企業倫理に基づき事業運営に取り組んでまいりました。

 情報サービスにおける高付加価値ソリューションの提供により、ベスト・パートナーとして顧客の競争力を高め、以って情報化社会の発展に貢献することを経営の基本方針としております。

 

(2) 経営戦略等

 当社グループは、コンピュータ・ソフトウエアのシステム・ライフサイクルの各領域にわたりシステム・ソリューションサービスとシステム・メンテナンスサービスを提供しております。システム・メンテナンスサービスは長期安定的な受注の確保と顧客の業務ノウハウの蓄積を図ることができ、次期システムへの提案営業を積極的に行うことにより、上流工程からの継続受注へと繋げております。このような取り組みにより、20年以上継続取引している顧客グループ向け売上高は概ね7割程度となっております。また、業種別販売実績では、保険業界向け売上高が34.6%と最も多くの割合を占めております。特に、生命保険業界特有の業務ノウハウを長年蓄積し、生命保険会社の基幹システムのほぼ全領域でシステム開発の実績があります。

 

 当社グループは、2017年3月期を初年度とし2023年3月期を最終年度とした「中長期経営計画 C4 2022」を策定し推進しております。2021年3月期からは、当該計画の第3ステップと位置付け、安定的かつ着実な成長を目指し、次の経営戦略に取り組んでおります。

 

① 既存の受託開発事業(コアビジネス)の拡大

② 技術革新及び顧客のビジネスモデル変革に対応した、デジタルトランスフォーメーション(DX)案件の積極的受注

③ 体質強化への投資を継続

④ 開発人員の増強

⑤ 当該計画の課題解消に寄与する業務・資本提携やM&Aの遂行

(※)デジタルトランスフォーメーション(DX):企業がIoT、AI、ビッグデータ等の先端デジタル技術を活用して、新たな製品・サービス、ビジネスモデルを創出すること。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 「中長期経営計画 C4 2022」の最終年度である2023年3月期の事業計画目標(連結)は、次のとおりであります。

① 売上高:177.5億円(当該計画期間の年平均売上高成長率7.0%)

DX関連売上高比率10%超。

② 売上高営業利益率:10%以上の確保

③ ROE:12%以上の確保

 

(4) 経営環境

情報サービス業の売上高は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により抑制されていたユーザー企業のIT投資需要が回復し、堅調に拡大しました。特に主力の受注ソフトウェアの売上高につきましては、既存システムの更新・刷新需要のほか、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展など案件数は増加傾向となりました。一方、引き続きIT技術者の不足が深刻化している状況にあります。

今後も新型コロナウイルス感染再拡大や地政学的リスクの高まりが世界経済に与える影響などに注視する必要があるものの、デジタル庁の発足による政府や官公庁のIT投資促進や、企業が積極的にデジタル技術を活用し業務の効率化や新たなビジネスを開拓する取り組みなどを背景とするIT投資の増加により、情報サービス産業の市場規模は拡大傾向が継続すると見通しております。

 

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループは、「中長期経営計画 C4 2022」の最終年度である2023年3月期を迎えるにあたり、当該計画の完遂に向けて、次の施策に注力してまいります。

 

① 事業拡大

 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、テレワークやオンライン会議を前提とした新しい働き方が定着し、プロジェクト運営等においても業務プロセスの正常化が進みました。また、アフターコロナを見据えて、業務効率の改善や事業の拡大、新たなビジネスの創出に向けて、ユーザー企業におけるITへの投資の重要性が高まっております。

 既存の受託開発事業は、当社グループの収益源であり、引き続き、重点顧客を中心に将来の受注拡大を見越した新規案件への参入及び業務知識と技術力を活かした担当業務領域の拡大に注力してまいります。

 DX案件に対しましては、デジタル技術者を提供するのみならず、ユーザー企業のビジネスの創出を当社もともに推進する体制を提供することなどにより、受注の拡大及び新規エンドユーザーの開発に繋げてまいります。また、引き続き、顧客の業務効率改善に向けた、業務自動化ソリューションを提案してまいります。

 加えて、将来に向けて新たなビジネスを創出し、そのマネタイズを目指してチャレンジするビジネスマインドを持った人材の育成にも取り組んでまいります。

 

② 体質の強化

 引き続き、プロジェクトリーダー(PL)の育成に向けて、品質・スコープ・コスト・進捗の各管理手法を体系的に学べる社内講座を通じて能力向上に取り組みます。また、全社員を対象にしたe-ラーニングの必須講座を導入し、全社員のスキル向上を図ります。

 加えて、プロジェクト運営の社内標準化を更に浸透させ、生産性及び品質の向上に伴う収益性の向上に繋げてまいります。

 また、開発人員の増強に向けて、コアパートナー企業との連携強化及びオフショア・ニアショアを含めた技術者の確保に努めるとともに、特に新卒採用者数につきましては、従来の60名から80名に増員し、社内育成することにより、開発体制を強化していく計画であります。

 当社グループのようなIT企業にとっては、人材が最も重要な経営資源であります。人的資本への投資を継続するとともに、最大限のパフォーマンスが発揮できるよう環境を整えてまいります。

 

 なお、本年4月より、東京証券取引所の市場再編に伴い、当社はプライム市場へ移行いたしました。コーポレートガバナンス・コードへの対応を通じて、経営の高度化・効率化により、更なる中長期的な企業価値向上に取り組んでまいります。

 

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