業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で、一部に弱さがみられるものの持ち直しの動きが続いています。世界経済におきましても、新型コロナウイルス感染症による影響が緩和される中で、持ち直してきております。しかし、ロシアがウクライナへ侵攻したことにより、市場への影響を注視する必要がある状況です。

当社グループに関連するエンタテインメント業界におきましては、新型コロナウイルス感染症による「巣ごもり需要」の影響もあり、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのプレイステーション5をはじめ好調ぶりが伝えられています。また、インターネット上の仮想空間であるメタバースにも注目が集まっています。

そのような環境のもと、当社グループの受託ソフトにおきましては、新進気鋭の米国プロレス団体である「All Elite Wrestling」(略称「AEW」)から受託した、同団体をモデルとしたプロレスゲームの開発が引き続き順調に進行しております。また、2021年5月27日にはアクションゲーム「ま~るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS」のSTEAM版が株式会社ディースリー・パブリッシャーから発売され、2021年9月9日に「テイルズ オブ」シリーズの最新作「Tales of ARISE」(プレイステーション5・Xbox Series X|S版)が株式会社バンダイナムコエンターテインメントから発売されました。また、株式会社アニプレックスから発売のアクションゲーム「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」の開発協力をいたしました。その他、複数タイトルの受託ソフト開発が順調に進行しております。

パチンコ・パチスロ分野におきましては、当社公式ブログから生まれ、漫画配信サイトで大人気を博した女子校生プロレス漫画「ロリクラ☆ほーるど!」の画像開発が完了し、遊技機メーカー・ネット株式会社よりパチスロ化され、2021年9月6日にパチンコホールに導入されました。その他、複数タイトルのパチンコ・パチスロ分野の画像開発プロジェクトを受託しており開発が順調に進行しております。

自社コンテンツの「AR performers」では、2017年よりWEBでの放送がスタートしたARPラジオ番組「Amazing Radio Performers on the WEB」を継続して配信しているのに加え、2021年10月に東京・愛知・大阪の映画館でFILM LIVE “REMIND Tour 2021” 「アニメARP Backstage Pass後夜祭"Celebrate Good Time” -EXTEND-」が開催され、2021年10月27日には新曲「All of You」をリリースしております。

XR事業分野におきましては、自社オリジナル技術であるAR Live System「ALiS ZERO」は、バーティカルシアターアプリ「smash.」にてスペシャルラジオ番組として配信されている「monaラジ」の制作で利用されました。また、Happy Elements株式会社の大人気スマートフォン・ゲーム「あんさんぶるスターズ!!」のバーチャルライブ「あんさんぶるスターズ!!DREAM LIVE -BRAND NEW STARS!!-」全12公演においてメインのCG制作業務を担当し、ライブ開催に寄与しました。また、2021年12月から2022年1月に開催された「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- 3DCG LIVE “HYPED-UP 01”」、2021年12月に開催された「LAWSON presents HoneyWorks Premium Live 2021〜ハニフェス〜」、2022年1月に開催された「プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE 1st – Link –」においてもライブCG制作を担当し、それぞれのライブ開催に寄与しました。

パブリッシング事業分野におきましては、DCコミックスのキャラクターをテーマにしたオンライン・トレーディングカードゲーム「DCデュアルフォース」を制作中であり、2022年秋に全世界へ向けて配信・発売する予定です。

その他、モバイルコンテンツ分野も複数のプロジェクト開発が進んでおります。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は3,632,485千円(前年同期比37.1%増)となりました。

利益面につきましては、前期において実施しました構造改革が奏功し、営業利益は695,758千円(前年同期は営業損失174,975千円)、為替相場の変動による為替差益の発生等により経常利益は969,012千円(前年同期は経常損失329,125千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は921,016千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失415,810千円)となりました。

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して3,332,434千円減少し、4,132,952千円となりました。主な要因としては、現金及び預金の減少4,236,290千円、売掛金の増加365,725千円、無形固定資産の増加403,895千円によるものであります。

負債は、前連結会計年度末と比較して4,204,700千円減少し、661,491千円となりました。主な要因としては、短期借入金の減少4,150,000千円、未払金の減少41,877千円によるものであります。

純資産は、前連結会計年度末と比較して872,265千円増加し、3,471,460千円となりました。主な要因としては、親会社株主に帰属する当期純利益921,016千円および剰余金の配当86,510千円によるものであります。

なお、当社グループはデジタルコンテンツ事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの経営成績の記載を省略しております。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より4,236,290千円減少し、1,971,786千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、168,902千円(前年同期は281,363千円の使用)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益969,012千円、売上債権の増加額365,725千円、為替差益260,434千円、長期未払金の減少額62,000千円、未払金の増加額41,891千円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は429,836千円(前年同期は33,180千円の獲得)となりました。

これは主に、無形固定資産の取得による支出406,320千円、投資有価証券の取得による支出30,000千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は4,236,851千円(前年同期は1,434,637千円の使用)となりました。

これは主に、短期借入金の減少額4,150,000千円、配当金の支払額86,833千円によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは、デジタルコンテンツ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業(千円)

2,416,228

115.2

合計(千円)

2,416,228

115.2

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

 当社グループは、デジタルコンテンツ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業(千円)

5,146,239

257.1

1,931,528

517.2

合計(千円)

5,146,239

257.1

1,931,528

517.2

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.上記受注高は、「業務委託契約」による開発受託金額のみを記載しております。

販売本数に応じて当社グループが受取るロイヤリティ収入は、受注時に未確定であるため、上記受注高には含めておりません。

 

c.販売実績

当社グループは、デジタルコンテンツ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業(千円)

3,632,485

137.1

合計(千円)

3,632,485

137.1

(注)1.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

All Elite Wrestling, LLC

265,530

10.0

1,305,643

35.9

㈱SANKYO

300,972

11.4

292,448

8.1

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①重要な会計方針および見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載のとおりであります。なお、連結財務諸表には、将来に対する見積り等が含まれておりますが、これらは、有価証券報告書提出日現在における当社グループの判断によるものであります。このような将来に対する見積り等は、現在入手可能な前提にもとづく合理的な見積りを反映させておりますが、将来、これらの見積りと大きな差を生じる可能性があります。

  新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。

②当連結会計年度の経営成績の分析

(売上高)
 当連結会計年度の売上高は、3,632,485千円(前年同期比37.1% 982,306千円増加)となりました。主な要因は、受託案件が好調に推移したことによるものであります。

(営業利益)
 当連結会計年度の売上原価は、2,430,182千円(前年同期比15.4% 324,957千円増加)、経費削減に努めた結果、販売費及び一般管理費は、506,544千円(前年同期比△29.6% 213,384千円減少)となりました。以上の結果、営業利益は、695,758千円(前年同期は営業損失174,975千円)となりました。

(経常利益)
 当連結会計年度における営業外収益は、主に為替差益の発生により、280,269千円(前年同期比398.8% 224,080千円増加)となりました。営業外費用は、主に為替差損の減少により、7,016千円(前年同期比△96.7% 203,323千円減少)となりました。以上の結果、経常利益は、969,012千円(前年同期は経常損失329,125千円)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)
 親会社株主に帰属する当期純利益は、921,016千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失415,810千円)となりました。

(資本の財源および資金の流動性)

当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、法人税の支払等であります。

当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保することを基本方針とし、原則として自己資金で賄うこととしております。なお、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。

③当連結会計年度の財政状態の分析

(総資産)
 当連結会計年度末の総資産は、4,132,952千円(前年同期比△44.6% 3,332,434千円減少)となりました。主な要因は、現金及び預金の減少4,236,290千円、売掛金の増加365,725千円、無形固定資産の増加403,895千円によるものであります。

(負債合計)
 当連結会計年度末の負債合計は、661,491千円(前年同期比△86.4% 4,204,700千円減少)となりました。主な要因は、短期借入金の減少4,150,000千円、未払金の減少41,877千円によるものであります。

(純資産合計)
 当連結会計年度末の純資産は、3,471,460千円(前年同期比33.6% 872,265千円増加)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益921,016千円および剰余金の配当86,510千円によるものであります。

④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

  当社グループは、企業価値を向上し継続的な成長を遂げるため、収益力を測る指標としてROE(株主資本利益率)を重視しております。具体的な目標数値は設定しておりませんが、当連結会計年度においては前年度から改善しROEは30.6%となりました。当社としましては、収益構造の改善施策を継続し、これにより企業体質の強化を推進してまいります。

 

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