業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当社は、2021年10月1日付で単独株式移転により、マナック株式会社の完全親会社として設立されました。

 新たなグループ経営体制のもと、グループ内外の連携をより注力し、今まで以上に成長を軸足に置き、迅速な意思決定で「非連続的成長」を目指してまいります。

 当社グループの連結経営成績等につきましては、単独株式移転により完全子会社となったマナック株式会社の連結経営成績等を引き継いで作成しております。

 なお、当社は2021年10月1日に設立されましたので、前連結会計年度との対比については記載しておりません。

 

 当連結会計年度における国内経済は、輸出や設備投資の増加を背景に景気持ち直しの動きは続いているものの、新型コロナウイルス感染症再拡大への懸念から社会・経済活動は制限され、依然として先行き不透明な状況が続きました。世界経済についても持ち直しの動きが広がりましたが、新型コロナウイルス感染症再拡大や原料価格の高騰、ウクライナでの地政学上のリスクの高まり等により先行きに不透明感が増しました。

 このような環境の下で当社グループは、国内外の市場における顧客への取引深耕に一体となり積極的に取組んでまいりました。

 その結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は10,703百万円、営業利益は740百万円、経常利益は881百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は712百万円となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

ファインケミカル事業

 ファインケミカル事業につきましては、前期は新型コロナウイルス感染症の影響による一部製品需要の鈍化があったものの、需要が回復したことにより売上は好調に推移いたしました。

 その結果、売上高は4,535百万円、セグメント利益は794百万円となりました。

 

難燃剤事業

 難燃剤事業につきましては、前期は新型コロナウイルス感染症の影響による消費減退傾向が現れたことにより家電製品等に使用されるプラスチック用難燃剤の需要が鈍化いたしましたが、その需要も回復したことから売上は好調に推移いたしました。

 その結果、売上高は4,993百万円、セグメント利益は831百万円となりました。

 

ヘルスサポート事業

 ヘルスサポート事業につきましては、人工透析用原料は安定した国内需要を維持いたしました。また、広島大学と共同開発(特許取得)し製品化した固定化抗菌剤「Etak®」の需要は、当期に入り若干落ち着いてまいりました。

 その結果、売上高は1,174百万円、セグメント利益は126百万円となりました。

 

 財政状態に関しましては、次のとおりであります。

(資産、負債及び純資産の状況)

 当連結会計年度末の総資産は、13,585百万円となりました。その主な内訳は、現金及び預金2,044百万円、売掛金3,684百万円など流動資産が8,432百万円、有形固定資産2,963百万円、投資有価証券1,657百万円など固定資産が5,153百万円であります。

 当連結会計年度末の負債は、3,291百万円となりました。その主な内訳は、買掛金1,925百万円など流動負債が3,199百万円、繰延税金負債51百万円など固定負債が91百万円であります。

 当連結会計年度末の純資産は、10,293百万円となりました。その主な内訳は、資本剰余金3,465百万円、利益剰余金6,865百万円など株主資本が10,113百万円、その他有価証券評価差額金175百万円などその他の包括利益累計額が179百万円であります。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,039百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は714百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の増加によるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は422百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は200百万円となりました。これは主に、配当金の支払によるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自2021年4月1日

至2022年3月31日)

前年同期比(%)

ファインケミカル事業(百万円)

4,120

難燃剤事業(百万円)

4,809

ヘルスサポート事業(百万円)

1,161

合計(百万円)

10,090

(注)当社は2021年10月1日設立のため、前年同期比については記載しておりません。

 

b.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自2021年4月1日

至2022年3月31日)

前年同期比(%)

ファインケミカル事業(百万円)

667

難燃剤事業(百万円)

40

ヘルスサポート事業(百万円)

432

合計(百万円)

1,139

(注)当社は2021年10月1日設立のため、前年同期比については記載しておりません。

 

c.受注実績

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

 

d.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自2021年4月1日

至2022年3月31日)

前年同期比(%)

ファインケミカル事業(百万円)

4,535

難燃剤事業(百万円)

4,993

ヘルスサポート事業(百万円)

1,174

合計(百万円)

10,703

(注)1.当社は2021年10月1日設立のため、前年同期比については記載しておりません。

2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

 

当連結会計年度

(自2021年4月1日

至2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

第一工業製薬株式会社

1,578

14.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 当社グループの連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積り及び判断は、過去の実績や当該取引の状況、入手可能な情報に基づいておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社は、2021年10月1日設立のため、2020年度の連結計数はありませんが、マナック株式会社を親会社とする旧組織の2020年度の連結計数と比較しております。

売上高

 売上高は前連結会計年度に比べ1,181百万円増加の10,703百万円(前期比12.4%増)となりました。これは、前連結会計年度はファインケミカル事業及び難燃剤事業において、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う消費減退による一部製品需要の鈍化による売上高減少があったものの、当連結会計年度はその需要が回復したことにより売上高が増加したことが主な要因であります。

営業利益

 営業利益は前連結会計年度に比べ88百万円増加の740百万円(前期比13.5%増)となりました。これは各事業において製造原価低減及び経費削減に努めたことが主な要因であります。

経常利益

 経常利益は前連結会計年度に比べ169百万円増加の881百万円(前期比23.7%増)となりました。これは、営業利益と同様の要因であります。

 

親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ163百万円増加の712百万円(前期比29.7%増)となりました。これは、営業利益と同様の要因、及び保有する投資有価証券の一部を売却したことが主な要因であります。

 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因として、国内外の景気動向及び当社グループが使用する原材料の市況変動に影響を受ける可能性があります。

 

 資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは事業運営上必要な資金の流動性の向上と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費用のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資及び投資有価証券の取得等であります。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の資金調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金の合計残高は291百万円となっており、現金及び現金同等物の残高は2,039百万円となっております。

 

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは投下資本の運用効率と収益を重視し、自己資本利益率(ROE)を経営管理の重要指標として位置付け、長期的な目標値を10%以上に設定しております。

 当連結会計年度におけるROEは6.9%(前期比1.3ポイント増)であります。これは製造原価低減及び経費削減に努めたこと等により親会社株主に帰属する当期純利益が増加したことが主な要因であります。引続き当該指標の改善に向けグループが一体となり取組んでまいります。

 

 

 セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

ファインケミカル事業

 前期は新型コロナウイルス感染症の影響による一部製品需要の鈍化があったものの、その需要が回復したことから、前期比で増収増益となりました。

難燃剤事業

 前期は新型コロナウイルス感染症の影響による消費減退傾向が表れたことにより家電製品等に使用されるプラスチック用難燃剤の需要が鈍化いたしましたが、その需要も回復したことから、前期比で増収増益となりました。

ヘルスサポート事業

 人工透析用原料は安定した国内需要を維持いたしましたが、広島大学と共同開発(特許取得)し製品化した固定化抗菌剤「Etak®」の需要は当期に入り若干落ち着いたことから、前期比で減収減益となりました。

 

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