当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比6,801,726千円増加し、14,386,432千円となりました。その主な要因は、公募による新株式の発行により現金及び預金が増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比1,619,451千円増加し、13,902,504千円となりました。その主な要因は、持分法による投資利益の計上により投資有価証券が増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比174,984千円増加し、3,465,445千円となりました。その主な要因は、短期借入金が減少した一方で買掛金、1年内返済予定の長期借入金、未払法人税等が増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比472,816千円減少し、3,503,092千円となりました。その主な要因は、長期借入金が減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末比8,719,009千円増加し、21,320,399千円となりました。その主な要因は、公募による新株式の発行により資本金及び資本剰余金が増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、不安定な経済状況が続いておりました。世界的な景気回復や製造業の生産活動の回復に伴い景気は持ち直しの動きが見られるものの、オミクロン株の感染拡大を背景に、依然として先行きの不透明な状態は続いております。個人消費が回復傾向にあり、多くの製造業の業績に関しては比較的堅調である一方、非製造業の業績については大きく落ち込んだ水準のまま推移しております。
一方、当社グループの主要な販売先であります半導体業界におきましては、テレワークやオンライン授業の急速な普及などにより、広範な用途にわたり半導体需要が増加しております。そのため、依然として世界的に半導体不足の状況が続いており、国内外で半導体製造設備の活発な投資が行われています。
このような状況下、当社グループといたしましては、日本・台湾・韓国を中心とする東アジア地域に向けて、顧客からの需要の増加に応えるべく生産設備の導入や人員増強等を行うとともに、時差通勤・シフト勤務等を行うことで、感染防止に努めながらも生産性の向上及び新規製品製造のための体制構築を積極的に図ってまいりました。
また、中期経営計画における経営方針に基づき、半導体製造用化学化合物の生産・開発能力の向上を一層推し進め、海外を中心とした新規材料の需要増に即応できる体制を整えることが最優先の課題であると認識し、台湾における子会社の工場立ち上げと各種認証の取得、国内におきましては生産・品質管理体制の一層の強化に努めてまいりました。
一方、利益面に関しましても、収益性を維持しながら持続的な成長を図るため、全社を挙げての経費削減に継続して取り組むとともに、中期経営計画における経営方針に基づき、グループ会社や部門間の連携を深め、一層の収益向上を図ってまいりました。
その結果、売上高は11,574,455千円(前年同期比18.1%増)、営業利益は2,976,074千円(同10.6%増)となり、また、韓国関係会社SK Tri Chem Co., Ltd.に係る持分法による投資利益の計上等により、経常利益は5,294,861千円(同22.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,095,086千円(同21.3%増)となりました。
なお、当社グループの事業は、半導体等製造用高純度化学化合物事業並びにこれらの付帯業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
皆様に大変なご迷惑とご心配をお掛けいたしました2021年11月23日に当社本社工場で発生した火災に関しましては、設備の早期復旧とともに、原因の追究、安全対策の見直しを進めてまいりました。引き続き、再発防止を徹底するとともに、安全対策、事業継続計画をより一層強化してまいります。なお、当社グループの生産・営業活動に関し、本件火災による支障はなく、業績への影響も軽微でありました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6,335,882千円増加し、8,034,494千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,638,626千円(前年同期比1,548,241千円の収入の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上5,294,861千円、減価償却費1,019,283千円等のプラス要因が、持分法による投資利益1,936,039千円、法人税等の支払額1,041,006千円等のマイナス要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は932,880千円(同2,030,946千円の支出の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出881,387千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は3,594,427千円(同2,646,084千円の収入の増加)となりました。これは主に、株式の発行による収入4,909,454千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社グループの事業は、半導体等製造用高純度化学化合物事業並びにこれらの付帯業務の単一セグメントであります。
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式、用途等は必ずしも一様ではないことから、記載しておりません。
生産実績と同様の理由に加え、受注生産形態をとらない製品が多いことから、記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 5 会計方針に関する事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ18.1%増の11,574,455千円となりました。その主な要因は、当社グループの主要な販売先であります半導体業界におきまして、テレワークやオンライン授業の急速な普及等により、半導体需要が増加し、国内外で半導体製造設備の活発な投資が行われている状況の中、主に日本・台湾・韓国を中心とする東アジア地域に向けて、先端半導体向け新規材料の販売及び市場投入に注力した結果、当社グループの化学材料の出荷が増加したこと等によるものであります。
(売上総利益)
売上総利益は、売上高の増加等に伴い同10.4%増の4,835,029千円となりました。売上総利益率は人員増により製造労務費・経費が増加したこともあり、前連結会計年度の44.7%から当連結会計年度は41.8%となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、同10.0%増の1,858,955千円となりました。その主な要因は、人件費及び公租公課等の増加により一般管理費が増加したことによるものであります。その結果、営業利益は同10.6%増の2,976,074千円となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、持分法による投資利益の計上、為替差益の計上等により、同42.2%増の2,399,929千円となりました。
営業外費用は、支払利息の計上、株式交付費の計上等により、同45.2%増の81,141千円となりました。その結果、経常利益は同22.5%増の5,294,861千円となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
特別損益は、特別利益及び特別損失ともに計上がありませんでした。その結果、税金等調整前当期純利益は同22.5%増の5,294,861千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額を加えた税金費用は1,199,774千円となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は同21.3%増の4,095,086千円となりました。
当社グループの財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 イ.財政状態の状況」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
当社グループの主な資金需要は事業上必要な運転資金や設備投資であり、資金については主に銀行等金融機関の借入によって調達する方針としております。なお、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することを目的として、取引銀行2行と総額3,000,000千円のシンジケートローン契約を締結しております。
一方で、財務体質の健全化を推し進め、強固な経営基盤の構築に努めていく方針のもと、2021年2月24日を払込期日とする公募による増資により4,940,000千円の資金調達を行うなど、自己資本の充実も図っております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
なお、重要な設備の新設等の計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
当社グループでは、最新の外部、内部環境を反映させた、今後の3年間の中期経営計画(毎年見直すローリング方式)を策定し、事業に取り組んでおります。2022年1月期の計画値と実績値の結果は以下のとおりであります。
売上高及び営業利益につきましては、主に最先端の半導体に向けた化学材料を中心に、顧客の需要が当社の想定以上の水準で推移したことにより、期初計画を上回る結果となりました。それに加え、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、韓国関連会社SK Tri Chem Co., Ltd.の業績が当初想定していた以上に好調に推移し、期初計画を上回る結果となりました。
当社グループでは、安定した売上成長を図り、規模の拡大を目指しながらも、経営の効率化を推し進めることで確実に利益をあげられる強靭な企業体質の構築に努めてまいりたいと考えていることから、特に、売上高及び売上高営業利益率を重視すべき経営指標としております。なお、売上高営業利益率に関しては25%程度の水準を維持することを目標としております。
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