業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  当社は共同株式移転の方法により、2021年10月1日付で株式会社ロコガイド及び株式会社くふう中間持株会社(現株式会社くふう住まい)の完全親会社として設立されました。当連結会計年度は設立第1期であるため、前連結会計年度との対比は行っておりません。

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当社グループは“「くふう」で暮らしにひらめきを”を経営理念とし、「毎日の暮らし」及び「ライフイベント」において、生活者であるユーザーにとっての利便性や豊かさを最優先に考え、情報格差の解消や利便性の高いサービスづくりに取り組むとともに、ユーザーの主体的な意思決定や行動に繋がる価値提供を目指しております。

 当社は2021年10月1日付で株式会社ロコガイド及び株式会社くふう中間持株会社(現株式会社くふう住まい)の共同株式移転により設立されました。当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響がワクチン接種の普及等により持ち直しの動きがみられたものの、新たな変異株の出現、急激な円安の進行や物価の上昇、金利上昇懸念等により不安定な状況が続きました。一方で、新型コロナウイルス感染症による影響の長期化は、生活者へ行動様式の変化をもたらしております。このような経営環境のもと、グループサービスの付加価値向上や事業運営の効率化を目指し、ユーザーニーズの変化に対応するサービス開発の強化やグループ内組織再編に取り組んでまいりました。

 当連結会計年度の経営成績については、売上高は18,625,068千円、営業利益は1,558,126千円、経常利益は1,479,748千円、親会社株主に帰属する当期純利益は452,732千円となりました。

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 なお、第4四半期連結会計期間において、報告セグメントに「投資・インキュベーション事業」を新たに追加したことにより、当社の投資部門における事業、「その他」に計上していた株式会社くふうキャピタルの事業、「ライフイベント事業」に計上していたくふう少額短期保険株式会社及び株式会社保険のくふうの事業を「投資・インキュベーション事業」に計上しております。また、当連結会計年度のセグメント情報は変更後の数値で記載しております。

 

<毎日の暮らし事業>

 当事業は主に、株式会社ロコガイドによるチラシ・買い物情報サービス「トクバイ」、暮らしに関する総合情報メディア「ヨムーノ」、株式会社Zaimによるオンライン家計簿サービス「Zaim」、株式会社キッズスターによる子ども向け社会体験アプリ「ごっこランド」、株式会社しずおかオンラインによる地域情報メディア・サービス等の日常生活領域及び地域情報領域の事業で構成されております。

 当連結会計年度において、「トクバイ」のさらなる利用機会創出に向けて「トクバイ」アプリのデザインを刷新するとともに、コロナ禍や物価上昇等を背景に高まるユーザーの食費節約や料理のマンネリ解消ニーズに応えるクーポン機能やレシピ機能の開発、検索機能の強化など利便性向上のためのサービス強化に努めました。また、「トクバイ」と「ヨムーノ」とのサービス連携を開始するなど、新たなユーザー接点の獲得によるメディア力の向上に注力しました。「トクバイ」導入店舗の開拓においては、定額課金契約の受注が進み、有料契約店舗数が増加しました。また、家電量販店や飲食店をはじめとする新領域への導入を推進しました。「ヨムーノ」のネットワーク広告収入や株式会社キッズスターにおける大型ゲーム開発案件のリリースが売上に貢献した他、経営統合による管理コストの削減が利益創出に寄与しました。

 以上の結果、当連結会計年度における毎日の暮らし事業の売上高は4,401,911千円、営業利益は1,278,846千円となりました。

 

<ライフイベント事業>

 当事業は主に、ハイアス・アンド・カンパニー株式会社による住生活全般に関わる事業者に向けた経営コンサルティングサービス、株式会社オウチーノによる住宅・不動産専門メディア「オウチーノ」、株式会社おうちのくふうによる生活者向けの買取再販サービス、株式会社Seven Signatures Internationalによる富裕層向けコンサルティングサービス等の住まい領域、株式会社エニマリによるウェディング総合情報メディア「みんなのウェディング」、結婚式プロデュースサービス「エニマリ」、インポートブランドを中心としたウェディングドレス販売「DRESS EVERY」等の結婚領域の事業で構成されております。

 当連結会計年度において、住まい領域は、事業者向け経営コンサルティングサービスについて、資材価格高騰などの市場環境の影響もあり受注が伸び悩んだものの、今後の利益成長に向けた体制整備を推進いたしました。不動産会社向け営業支援ツール「オウチーノ くらすマッチ」は新機能の開発や営業人員増強による営業強化等により販売が順調に推移しました。生活者向け買取再販サービスは在庫健全性に留意した事業運営に注力しました。富裕層向けコンサルティングサービスについては海外リゾート開発案件に係る収益が寄与するなど堅調に推移しました。結婚領域は、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響等により、メディア事業における有料広告掲載会場数が減少し、プロデュース事業における結婚式の施行数も低調に推移しました。一方、「ユーザーの選択肢を増やす」事業方針の下、会場とのプロデュース契約が伸長し、「みんなのウェディング」における契約掲載会場数が計画通りに伸長しました。

 以上の結果、当連結会計年度におけるライフイベント事業の売上高は13,643,687千円、営業利益は1,048,914千円となりました。

 なお、住まい領域における経営の効率化を図るため、2022年10月1日付で株式会社くふう中間持株会社を存続会社として株式会社オウチーノ及び株式会社おうちのくふうを吸収合併し、株式会社くふう住まいに商号変更いたしました。

 

<投資・インキュベーション事業>

 当事業は主に、当社や株式会社くふうキャピタルによる投資事業、くふう少額短期保険株式会社及び株式会社保険のくふうの事業で構成されております。

 当連結会計年度において、当社グループの企業価値を高める出資及びM&A等の検討を進め、投資や保有株式の一部売却を実施いたしました。また、子どもとおでかけ情報サイト「いこーよ」を展開するアクトインディ株式会社を持分法適用関連会社とし、グループの事業拡大を推進しております。

 以上の結果、当連結会計年度における投資・インキュベーション事業の売上高は562,052千円、営業利益は181,637千円となりました。

 

<その他>

 その他は、株式会社Da Vinci Studioによる当社グループ内外向け技術支援等の支援機能であります。

 当連結会計年度におけるその他の売上高は146,218千円、営業損失は124,282千円となりました。

 

 財政状態については以下の通りであります。

 

 当連結会計年度末における総資産は21,329,967千円となりました。主な内訳は現金及び預金7,269,013千円、販売用不動産2,758,334千円、営業投資有価証券2,979,331千円、のれん3,526,212千円であります。

 負債は9,666,550千円となりました。主な内訳は短期借入金2,981,658千円、1年内返済予定の長期借入金1,034,272千円、長期借入金1,840,193千円であります。

 純資産は11,663,417千円となりました。主な内訳は資本剰余金9,016,914千円であります。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、7,238,457千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、増加した資金は1,553,754千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,040,085千円、のれん償却額664,579千円があった一方で、前受金の減少522,606千円、法人税等の支払額662,915千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、減少した資金は1,042,147千円となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出723,792千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、減少した資金は1,042,452千円となりました。これは主に、長期借入れによる収入2,150,000千円があった一方で、短期借入金の減少1,206,446千円、長期借入金の返済による支出1,520,291千円があったことによるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

b.受注実績

 該当事項はありません。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

毎日の暮らし事業(千円)

4,401,911

ライフイベント事業(千円)

13,643,687

投資・インキュベーション事業(千円)

562,052

報告セグメント計(千円)

18,607,651

その他(千円)

146,218

調整額(千円)

△128,801

合計(千円)

18,625,068

(注) 調整額はセグメント間取引消去等であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営成績等の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資金需要のうち主なものは、事業運営のための人件費や販売用不動産の仕入等の運転資金、当社グループの企業価値を高める出資及びM&A等の投資資金であります。これらの資金需要につきましては、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。資金の流動性については、事業規模に応じた適正な手元資金の水準を維持するとともに金融上のリスクに対応するため取引銀行と当座貸越契約等を締結することにより手元流動性を確保しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積りを必要とする箇所があります。これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内でかつ合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があることにご留意ください。

 当社グループが行っております会計上の見積りのうち特に重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。

 

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等の達成・進捗状況

 当社グループは2021年10月の発足以降、グループ事業の再構築、新規事業への進出等を行い、継続的な企業価値の向上を目指した将来の成長基盤を築いております。中期では各事業領域における事業成長を重視し、EBITDA(営業利益に減価償却費及びのれん償却額を加算した額)を重要指標として位置付け、2026年9月期にEBITDA及び有償ストック・オプションに関する株式報酬費用の合計額100億円の達成を掲げております。当連結会計年度のEBITDA及び株式報酬費用の合計額は、2,581,483千円となりました。

 

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