業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態の状況

(資産)

当事業年度における流動資産は2,209,782千円となり、前事業年度末に比べ470,801千円増加いたしました。その主な内容は、現金及び預金が316,910千円増加したことなどによるものであります。

固定資産は938,252千円となり、前事業年度末に比べ108,605千円減少いたしました。その主な内容は、リース資産が100,456千円減少したことなどによるものであります。

この結果、総資産は3,148,035千円となり、前事業年度末に比べ362,196千円増加いたしました。

(負債)

当事業年度における流動負債は1,513,426千円となり、前事業年度末に比べ276,745千円増加いたしました。その主な内容は、契約負債が145,952千円増加したことなどによるものであります。

固定負債は396,625千円となり、前事業年度末に比べ153,913千円減少いたしました。その主な内容は、リース債務が97,295千円減少したことなどによるものであります。

この結果、負債合計は1,910,052千円となり、前事業年度末に比べ122,831千円増加いたしました。

(純資産)

当事業年度における純資産合計は1,237,982千円となり、前事業年度末に比べ239,364千円増加いたしました。その主な内容は、当期純利益が352,348千円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は39.3%(前事業年度末は35.8%)となりました。

 

②経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のまん延、およびロシア・ウクライナ危機の長期化という環境の中、先行きの不透明な状況が続いており、為替市場における円安の進行も、国内産業に関する懸念をもたらしています。

このような環境下においても、政府によるサイバーセキュリティ強化の方針や、テレワークの増加による企業のデジタル化の進行、サイバー犯罪の多様化に伴い、情報セキュリティ市場は、引き続き拡大傾向を示しております。

当社においては、2021年7月にモーニングスター株式会社から「ゴメス・コンサルティング事業」を承継し、金融機関を中心とした顧客基盤の拡大を進めました。社会的に重要なインフラである金融分野において、「デジタル技術による変革」をサイバー犯罪から守ることは当社の責務であると考えております。

また当社は、2021年9月、秋田県に「東北セキュリティ診断センター」を開所し、最先端かつ高度な技術を持つITセキュリティエンジニアを配置しました。地元大学および地元企業とも連携して、地方における情報セキュリティ市場の拡大に寄与しております。さらに、EDRと呼ばれる総合的なエンドポイント向けセキュリティ・ソリューションを、24時間365日体制でリモート監視するサービスを開始して、多様化・高度化するサイバー攻撃から企業を防衛する事業をさらに拡大しております。

この結果、当事業年度における業績は、売上高5,216,754千円(前期比20.1%増)、営業利益509,000千円(前期比141.6%増)、経常利益497,365千円(前期比151.9%増)、当期純利益352,348千円(前期比190.3%増)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末に比べ316,910千円増加し、1,262,517千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動の結果得られた資金は752,825千円(前期は406,382千円の収入)となりました。その主な内容は、税引前当期純利益493,836千円や減価償却費261,176千円の計上などによるものであります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動の結果使用した資金は101,906千円(前期は99,369千円の支出)となりました。その主な内容は、固定資産の取得による支出101,501千円があったことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動の結果使用した資金は327,386千円(前期は185,441千円の支出)となりました。その主な内容は、ファイナンス・リース債務の返済による支出159,085千円や長期借入金の返済による支出128,950千円があったことなどによるものであります。

 

当社の資金需要は経常運転資金や設備投資を目的としたものであります。

当社は、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資等の中長期の資金需要が生じた場合には、金融機関からの長期借入金を基本としております。
 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

当事業年度の受注実績を示すと、次のとおりであります。

サービス区分別の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

セキュリティ監査・

コンサルティングサービス

1,298,836

176.69

395,350

145.00

脆弱性診断サービス

1,579,230

112.05

212,483

124.83

情報漏えいIT対策サービス

2,750,887

116.99

1,692,273

117.11

合計

5,628,954

125.21

2,300,107

121.83

 

c.販売実績

当事業年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

サービス区分別の名称

当事業年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

前年同期比(%)

セキュリティ監査・

コンサルティングサービス

1,176,147

164.04

脆弱性診断サービス

1,536,968

110.96

情報漏えいIT対策サービス

2,503,639

111.76

合計

5,216,754

120.14

 (注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は総販売実績の100分の10未満であるため記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき、作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しているとおりであります。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(売上高)

当事業年度の売上高は5,216,754千円となり、前事業年度と比較して874,447千円の増加となりました。これは各サービス区分で過去最高の売上高を更新したなかでも、特にセキュリティ監査・コンサルティングサービスが大きく伸びたことによるものであります。

(売上原価、売上総利益)

当事業年度の売上原価は3,635,463千円となり、前事業年度と比較して510,939千円の増加となりました。これは主に、売上の増加に伴う外注・仕入の増加等によるものであります。

この結果、売上総利益は1,581,290千円(前期比29.8%増)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は1,072,290千円となり、前事業年度と比較して65,167千円の増加となりました。これは主に、前事業年度には自粛していた営業活動の再開に伴う交際費等の増加などによるものであります。

この結果、営業利益は509,000千円(前期比141.6%増)となりました。

(営業外損益、経常利益)

営業外費用は12,918千円となり、前事業年度と比較して4,052千円の減少となりました。これは主に、支払利息が減少したこと等によるものであります。

この結果、経常利益は497,365千円(前期比151.9%増)となりました。

(特別損益、当期純利益)

特別損失は3,528千円となりました。これは、関係会社株式評価損が発生したこと等によるものであります。また、法人税等141,488千円を計上しております。

この結果、当期純利益は352,348千円(前期比190.3%増)となりました。

 

b.財政状態の分析

当事業年度の財政状態の分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

c.キャッシュ・フローの分析

当事業年度の財政状態の分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d.経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある事項

当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況  2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

③経営者の問題認識と今後の方針について

当社が今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております各種課題に対応していくことが重要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は、市場動向をはじめとした外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を推進していく方針であります。

 

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