業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.経営成績等の状況の概要

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 当社グループは、「Empower Data, Innovate the Business, Shape the Future.情報に価値を、企業に変革を、社会に未来を。」というビジョンを掲げており、社会に存在する様々なデータを活用することで、多くの企業にイノベーションをもたらし、その結果として、より良い社会を実現することを目指しております。

 

 当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。

 

(1)経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年3月1日~2022年2月28日)における我が国の経済環境は、前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染拡大(コロナ禍)の影響を受ける結果となりました。2021年初頭からデルタ株やオミクロン株の感染拡大により、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が繰り返し発令され、サービス業を中心に困難な状況が続いていたものの、2022年3月に全てのまん延防止等重点措置が解除され、今後の経済正常化が期待されております。一方、海外では、2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、地政学的リスクが高まっているとともに、資源や穀物の供給に影響が出ており、原材料の高騰によるインフレが懸念され、国内経済に悪影響を与える可能性が出ております。

 

 当社グループが属する企業向けIT市場は、コロナ禍の影響による非接触型の活動やサービスの拡大及び企業の生産性の向上や競争力強化のためのデジタルトランスフォーメーション(DX)への投資の強化により、クラウドサービスを中心に拡大しております。2020年はコロナ禍の影響を受けてマイナス成長となったものの、2021年は経営体力のある大企業、中堅企業を中心にIT支出を積極的に回復しつつあり、前年に比べ3.0%増加することが見込まれております。特に、オンプレミス環境からクラウド環境への移行やサブスクリプションビジネスの広がりに伴う、ソフトウェア及びサービスの成長が全体を押し上げております(注)。また、2022年1月に改正電子帳簿保存法の施行、2023年10月にはインボイス制度の導入が予定されており、企業活動のデジタル化は、行政の後押しもあり急速に進展しております。

(注)インターナショナルデーターコーポレイションジャパン株式会社「国内IT市場 産業分野別/従業員規模別/年商規模別予測アップデート、2021年~2025年」エグゼクティブサマリー及びTABLE2 国内IT市場 産業分野別 支出額予測、2019年~2025年、企業分野小計

 

 このような追い風の事業環境のもと、当社グループは、帳票・文書管理ソリューション(BDS)、データエンパワーメントソリューション(DE)それぞれにおいて、積極的に投資を進めてまいりました。

 

◇帳票・文書管理ソリューション(BDS)

 2022年1月に各種要件が緩和された改正電子帳簿保存法が施行され、経理部門を中心に業務のペーパーレス・デジタル化が急速に進展しております。これに合わせて、請求書等を主に郵送でやり取りしていた企業間取引においてもデジタル化が進んでおり、各社から様々なクラウドベースのサービスが提供されております。当社グループは、2021年6月に企業間取引領域のDXを推し進めるクラウドサービスである「invoiceAgent TransPrint」をリリースしました。

 「invoiceAgent」は、契約書や請求書だけでなく、発注書や納品書等企業間取引に関するあらゆる文書を取引単位で管理することが可能で、当社のソフトウェアである「SVF」で培った帳票の作成・運用に関する技術力がこれらを支えています。今後は急速に拡大する当該市場への投資を強化し、顧客獲得を進めてまいります。

 

 

2021年6月

企業間DXプラットフォーム「invoiceAgent TransPrint」リリース。企業間取引のあらゆる文書をデータ化し、クラウド上でのセキュアかつ高速な文書流通を実現。

2021年8月

電子契約サービス「invoiceAgent WingSign」をリリース。既存システムを変更することなく契約書の作成・確認・署名から保管・管理までのすべてを電子化し、ペーパーレス・ハンコレスを促進。

2021年11月

「SPA」および「SPA Cloud」が電子取引と電子書類のJIIMA認証を同時取得。本サービスを導入する企業は、電子帳簿保存法およびその他の税法が電子保存に関して要求する要件の個々のチェックが不要。

2021年12月

2022年1月の改正電子帳簿保存法の要件を満たす機能とユーザビリティを強化した文書活用ソリューション「SPA Cloud」および電子取引サービス「invoiceAgent TransPrint」をリリース。

 

◇データエンパワーメントソリューション(DE)

 社会活動のデジタル化が進むに従って、そこから生み出されるデータを如何に有効に利用するかが企業の競争力を左右しますが、企業規模に関わらずデータを有効利用できている企業は少ないのが実態です。当社グループは、汎用的に利用できるソフトウェアやクラウドサービスの他に、企業のデータ活用を促進するため、業種特有の業務を効率化する「業種・業務ソリューション」と様々なデータを保有しているものの専門人材の不足等で上手く活用できていない大企業向けのDXサービス「Dataring」を提供しています。

・業種・業務ソリューション

 従来から提供している食品衛生管理に対応する「HACCPサービス」に加え、2021年5月に運送会社向けの生産性向上サービスである「IKZO」、2021年7月には伊藤忠商事株式会社、株式会社味香り戦略研究所と共同で食の商品企画・開発領域のDX支援サービス「FOODATA」をリリースしました。今後も業種に特化したクラウドサービスを強化してまいります。

・大企業向けDXサービス「Dataring」

 2021年10月に大企業向けのデータ分析基盤サービスである「Dataring」をリリースしました。多くの部門や子会社を持つ大企業はデータのタイムリーな集計やシステムが異なることによるデータの活用に課題を持っています。「Dataring」は、業務システムでは集計しきれないデータを集約・蓄積するデータパイプライン構築し、全社横断でデータを統合します。これにより企業のDX推進の基盤が作られ、データに基づいた改革を推し進めることが可能となります。

2021年5月

運送会社向けのDXを支援する新クラウドサービス「IKZO(イクゾー)」を発表。同時に運送会社におけるデータの可視化により業務改善をはかる「IKZOアナリティクス」の提供を開始。

2021年7月

伊藤忠商事株式会社、株式会社味香り戦略研究所と業務提携し、食の商品企画・開発領域のDX支援サービス「FOODATA」をリリース。食の商品企画・開発プロセスにおいて、「勘と経験」をデータで裏付け、消費者に売れる商品づくりにデータを活用。

2021年10月

運送会社向けのDXを支援するクラウドサービス「IKZO」の新機能「IKZO Web」をリリース。輸送依頼にあわせトラックとドライバーの割当をおこなう配車業務をデジタル化することにより業務の効率化を実現。

2021年10月

データプレパレーションを統合したデータ分析基盤の新サービス「Dataring」をリリース。データ収集と整備にかかるコストや工数と期間が削減でき、データ分析の品質が格段に向上。

 

 また、2022年2月には株式会社traevoの株式を第三者割当増資引受により取得し、子会社化しました。同社が提供する予定の業界共通プラットフォームは「車両動態(車両の位置、状態)情報」を車載機器メーカー問わず一元的に管理し、荷主-運送会社-届け先といったステークホルダー内で情報を共有することにより、サプライチェーン全体の効率化、運送事業者の車載機器コストの抑制、ひいては運輸業界全体のDXを実現するものです。当社グループは、この出資を通じて、上述の業界共通プラットフォームの拡大による運輸業界の生産性の向上及び運輸業界向けの新サービスの開発に取り組んでまいります。

 

 この結果、当連結会計年度の売上収益は19,833百万円(前期比8.5%増)、営業費用(その他の営業収益を控除後)は、人員の採用による人件費やDX関連ソリューション開発に伴う外注費の増加があったものの、前期に計上された一過性の費用(本社オフィスの一部解約に伴う違約金等)や使用権資産償却費の減少などにより13,847百万円(前期比8.2%減)、営業利益は5,986百万円(前期比86.7%増)、税引前利益は5,910百万円(前期比87.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は4,352百万円(前期比77.5%増)となりました。

 

 また、当社グループは、通常の営業活動の結果を示していると考えられない非経常的な費用項目の影響を除外することで、投資家が当社グループの業績評価を行い、当社グループの企業価値についての純粋な成長を把握する上で有用な情報を提供することを目的として、上記のIFRSにより規定された財務指標以外に、以下のEBITDA、調整後EBITDA及び調整後親会社の所有者に帰属する当期利益を重要な経営指標と位置付けております。

 

[調整後EBITDA及び調整後親会社の所有者に帰属する当期利益の調整表]

(単位:百万円)

決算期

2021年2月期

2022年2月期

増減

増減率

営業利益

3,207

5,986

2,779

86.7%

減価償却費及び償却費

(注1)

1,237

1,274

36

3.0%

EBITDA(注2)

4,444

7,260

2,815

63.4%

(調整額)

 

 

 

 

一過性の監査報酬費用

19

△19

△100.0%

上場関連費用

40

20

△19

△48.4%

オフィス解約費用

1,849

△1,849

△100.0%

一過性のインセンティブ報酬

230

△230

△100.0%

一過性の特別退職金

33

33

調整後EBITDA(注3)

6,583

7,314

730

11.1%

 

(単位:百万円)

決算期

2021年2月期

2022年2月期

増減

増減率

親会社の所有者に帰属する当期利益

2,452

4,352

1,900

77.5%

(調整額)

 

 

 

 

一過性の監査報酬費用

19

△19

△100.0%

上場関連費用

40

20

△19

△48.4%

オフィス解約費用

1,849

△1,849

△100.0%

一過性のインセンティブ報酬

230

△230

△100.0%

一過性の特別退職金

33

33

調整項目の税効果調整

(注4)

△475

△14

461

△97.0%

調整後親会社の所有者に帰属する当期利益(注5)

4,115

4,392

276

6.7%

(注)1.2020年2月期より、IFRS第16号の適用により、オフィスの賃借契約に係る使用権を使用権資産として認識しており、当該資産に係る減価償却費も併せて計上しておりますが、EBITDA算出におきましては、「減価償却費及び償却費」からは当該使用権資産に係る減価償却費を除いております。

2.EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費

3.調整後EBITDA=EBITDA+一過性の費用

4.調整項目の税効果調整は実効税率を用いて算出しております。

5.調整後親会社の所有者に帰属する当期利益=親会社の所有者に帰属する当期利益+一過性の費用-調整項目の税効果調整

 

 EBITDAは、営業利益の増加により、7,260百万円(前期比63.4%増)と大きく増加しました。調整後EBITDAは、前期に計上された本社縮小に伴うオフィス解約費用の調整額の発生がないものの営業利益の増加により、7,314百万円(前期比11.1%増)となりました。調整後親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期に計上された本社縮小に伴うオフィス解約費用の調整額の発生がないものの親会社の所有者に帰属する当期利益の増加により、4,392百万円(前期比6.7%増)となりました。

 当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。

 

≪ソリューション別売上収益≫                             (単位:百万円)

ソリューション区分

2021年2月期

2022年2月期

増減

増減率

帳票・文書管理

ソリューション

SVF

10,786

11,244

457

4.2%

SPA

614

940

326

53.1%

その他

113

153

39

34.9%

小計

11,513

12,337

823

7.2%

データエンパワーメント
ソリューション

Dr.Sum

2,574

2,694

120

4.7%

MotionBoard

2,799

2,874

75

2.7%

その他

1,397

1,925

528

37.8%

小計

6,771

7,495

724

10.7%

合計

18,285

19,833

1,547

8.5%

 

(帳票・文書管理ソリューション)

 当ソリューションは、企業の基幹業務に必須である請求書や納品書等の帳票類を設計・運用を行うソフトウェア及びサービスである「SVF」及び電子データの保管や紙文書の電子化を行う「SPA」が主な構成要素となっております。

 「SVF」は、底堅い需要を背景にソフトウェアライセンス及び保守ともに堅調に推移しました。一方、クラウドサービスは、業務システムのクラウド化がさらに進行している影響でクラウド帳票のニーズも増加しており、前年を4割程度上回る着地となりました。この結果、「SVF」の売上収益は11,244百万円(前期比4.2%増)となりました。

 「SPA」は、リモートワークの浸透に伴う企業のペーパーレス需要の増大及び改正電子帳簿保存法が2022年1月に施行され、法対応関連の引き合いが活発になったことから、ソフトウェアライセンス、保守及びクラウドサービス全て好調に推移し、売上収益は940百万円(前期比53.1%増)と前年から大きく成長しました。

 この結果、当ソリューションの売上収益は12,337百万円(前期比7.2%増)となりました。

 

(データエンパワーメントソリューション)

 当ソリューションは、企業が保有するデータを統合・処理・分析・可視化することにより、業務の効率化や生産性の向上を実現するソフトウェア及びサービスである「Dr.Sum」「MotionBoard」が主な構成要素となっております。

 「Dr.Sum」は、中堅企業からの受注が増加しソフトウェアライセンスは前年から増加したものの、ソフトウェア保守は顧客側のシステム利用終了やサブスクリプションライセンスへの移行等があり、横ばいとなりました。この結果、売上収益は2,694百万円(前期比4.7%増)となりました。

 「MotionBoard」は、クラウド化が進んでいるフロント業務システムとの連携が多く、クラウドの需要が増加している影響でソフトウェアライセンスは弱含んでおり、前年を若干下回りました。ソフトウェア保守は、新規契約を着実に積み上げ、堅調に推移しました。クラウドサービスは、大型案件の剥落の影響があったものの、新規契約の獲得やカスタマーサクセスを強化したため、売上収益は前年を上回ることが出来ました。この結果、「MotionBoard」の売上収益は2,874百万円(前期比2.7%増)となりました。

 「その他」につきましては、主にソフトウェアライセンス導入時に利用されるプロフェッショナルサービスが大幅に増加した結果、売上収益は1,925百万円(前期比37.8%増)となりました。

 この結果、当ソリューションの売上収益は7,495百万円(前期比10.7%増)となりました。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における資産は、58,919百万円(前期末比3,009百万円増)となりました。流動資産は10,940百万円(前期末比3,649百万円増)、非流動資産は47,978百万円(前期末比639百万円減)となりました。流動資産の増加の主な要因は、現金及び現金同等物3,846百万円の増加によるものです。非流動資産の減少の主な要因は、顧客関係・技術関連資産の償却に伴うその他の無形資産569百万円の減少があったことによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、28,299百万円(前期末比1,932百万円減)となりました。流動負債は11,403百万円(前期末比227百万円増)、非流動負債は16,896百万円(前期末比2,159百万円減)となりました。流動負債の増加の主な要因は、営業債務及びその他の債務197百万円の減少、賞与引当金などその他の流動負債175百万円の減少があったものの、未払法人所得税437百万円の増加、契約負債219百万円の増加があったことによるものです。非流動負債の減少の主な要因は、借入金返済に伴う長期借入金1,973百万円の減少によるものであります。

 

(資本)

 当連結会計年度末における資本は、30,619百万円(前期末比4,941百万円増)となりました。資本の増加の主な要因は、配当金の支払に伴う利益剰余金の減少1,428百万円があったものの、ストックオプション行使に伴う資本金の増加884百万円及び資本剰余金の増加884百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上に伴う利益剰余金4,352百万円の増加によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、9,016百万円(前期末比3,846百万円増)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は、6,439百万円(前年同期は4,952百万円の獲得)となりました。これは主に、法人所得税の支払額1,142百万円の計上があったものの、税引前利益5,910百万円の計上、減価償却費及び償却費1,538百万円の計上があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、532百万円(前年同期は134百万円の使用)となりました。これは主に、サーバールームにおける電源工事やサーバー、業務用パソコンなど、有形固定資産の取得による支出104百万円、セキュリティ監視強化など社内インフラシステム構築、販売や契約管理システム拡張開発などに伴う無形資産の取得による支出391百万円、投資有価証券の取得による支出121百万円を計上したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、2,084百万円(前年同期は4,646百万円の使用)となりました。これは主に、ストックオプションの行使に伴う株式の発行による収入1,721百万円があったものの、借入金の返済による支出2,000百万円、配当金の支払1,428百万円を計上したことによるものであります。

 

 

2.生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当社グループは、ソフトウェアの販売及びサービスの提供が主体であり、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

(2)受注実績

 当社グループは、ソフトウェアの販売及びサービスの提供が主体であり、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

ソリューションの名称

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

金額(百万円)

前期比(%)

帳票・文書管理ソリューション

12,337

7.2

データエンパワーメントソリューション

7,495

10.7

合計

19,833

8.5

(注)1.当社グループの事業セグメントは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしているため、ソリューション別の販売実績を記載しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日本電気株式会社

1,835

10.0

1,747

8.81

(注)当連結会計年度は、当該割合が10%未満ですが、継続して記載をしております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表はIFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。

 

(2)財政状態の分析

 当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (2)財政状態の状況」を参照ください。

 

(3)経営成績の分析

 当連結会計年度における経営成績の分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (1)経営成績の状況」を参照下さい。

 

(4)キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (3)キャッシュ・フロー」に記載しております。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループにおける主な資金使途は人件費、研究開発費、外注・業務委託料等の営業費用、主に社内インフラ用のソフトウェア・サーバ等の設備投資、M&Aや出資に係る投資、借入金の返済、配当の支払となっております。これらの資金需要につきましては、営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金で賄っております。

 上述のとおり、運転資金及び設備投資資金につきましては、全て自己資金で賄っておりますが、柔軟かつ安定的な流動性の確保を目的として、総額25億円のコミットメントラインを設定しております。

 

(6)目標とする指標の分析

・調整後EBITDA及び調整後親会社の所有者に帰属する当期利益

(単位:百万円)

 

2021年2月期

2022年2月期

増減

増減率

調整後EBITDA

6,583

7,314

730

11.1%

調整後親会社の所有者に帰属する当期利益

4,115

4,392

276

6.7%

(参考)売上収益

18,285

19,833

1,547

8.5%

 調整後EBITDAは、主に売上収益が増加したことにより7,314百万円(前期比11.1%増)と前年を上回りました。調整後親会社の所有者に帰属する当期利益は、法人所得税費用の負担税率が前年から増加した影響により、4,392百万円(前期比6.7%増)と調整後EBITDAよりも増加幅は縮小しております。

 

・契約継続率

 

2021年2月期

2022年2月期

増減

契約継続率

93.8%

93.2%

△0.6ポイント

 契約継続率は、顧客の利用システム終了等の影響により、93.2%と0.6ポイント前年を下回りました。今後も顧客満足の向上に取り組み契約継続率の向上に努めてまいります。

 

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