課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1)経営方針・経営戦略等

当社グループは「働くをもっと楽しく、創造的に」というミッションのもと、人生の大半を過ごすことになる「働く」という時間において、ただ生活の糧を得るためだけではなく、1人でも多くの人がより楽しく、自由な創造性を存分に発揮できる社会を実現することを目指し、仕事の効率化や新しく創造的な働き方を実現する製品やサービスの開発・提供に取り組んでおります。

こうした経営方針のもと、現在は主力サービスであるビジネスチャットツール「Chatwork」の普及とこれに関連するサービスの提供により、国内企業を中心とした顧客企業の働き方の変化への対応や労働生産性の向上に貢献してまいる所存です。具体的な販売普及戦略としましては、まず、これまで自然流入と紹介を中心に獲得してきた無料ユーザー(フリーミアムユーザー)について、広告宣伝費を投資して顧客基盤の拡大を目指します。また、従来より行ってきましたサービス品質の向上及び連携サービスの充実による無料ユーザーの課金化に加えまして、カスタマーサクセスによる初期活用支援を強化し、課金ID数の拡大を目指します。

また、業界特有の顧客課題に対し、専門チームが共に解決するコミュニケーションプロセスの構築を昨年度から取り組んでおります。業界ごとの業務プロセスや課題を研究し、ビジネスチャットの活用方法の型化を行うことで、より質の高い提案とプロダクト機能強化を実現させ、ユーザーの更なる拡大を目指します。これらの施策を通じてChatworkセグメントの高い成長を実現してまいります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの主力事業であるChatworkセグメントの収益の源泉は課金IDからの利用料であります。そのため、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標は、課金ID数であると考えております。当該ID数の成長やその他付加サービスの拡大及び単価向上施策を推進することで、中期経営計画(2021年12月期~2024年12月期)におけるChatworkセグメントの年平均売上成長率については、40%を目指していきたいと考えております。

 

(3)経営環境

国内経済環境といたしましては、生産年齢人口減少に伴う労働力不足が問題視される一方で、政府主導により時間外労働時間の上限引き下げ等の労働法規の改正といった働き方改革が推進される中、労働生産性の向上に向けたソリューションへの期待が高まっているものと認識しております。また、昨年からの新型コロナウイルスの影響で在宅ワークが一気に普及し、ニューノーマルとも呼ばれる働き方の根本的な変化が発生しています。現在ビジネスチャットの普及率は15.6%(当社依頼による第三者機関調べ)ですが、今後3年程度で大きく普及が広まるものと考えられます。こうした環境を踏まえると、当社の「Chatwork」の認知度拡大に伴い当サービスへの需要はこれまでよりも早いスピードで拡大していくものと期待しております。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

上記の経営方針・経営目標等を推進する上で、当社グループとして捉えている対処すべき主要課題は以下のとおりです。

 

① ユーザビリティの更なる向上

当社グループの主要サービス「Chatwork」が今後も継続的な成長を果たしていくためには、より幅広い業種・業態の顧客に支持されるとともに、継続的に選ばれる必要があると考えております。そのためには、当該サービスの優位性となっているユーザビリティの維持向上が不可欠であると認識しております。今後とも顧客のニーズの変化を迅速に把握し、継続的なユーザー・インターフェースの改善やタスク管理ツールの機能強化や絵文字等の拡充といった製品機能強化により、競合他社との差別化を図ってまいります。

 

② 顧客基盤の拡大

労働生産性向上に対する社会的要請並びに新型コロナウイルスの影響による在宅ワーク需要の高まりに伴い、ビジネスチャットツールは国内企業において導入に対する期待が急速に高まっているものと認識しております。

これまでは、自然流入と顧客ユーザーからの紹介による無料ユーザー(フリーミアムユーザー)の獲得を中心としてきましたが、今期はさらに広告宣伝費を投資し、顧客基盤の更なる拡大を目指しました。また、業界ごとの深い理解を元にした提案活動を行い、既に展開している士業や介護、建設等の業種ごとの人脈やネットワークを活用した営業アプローチの推進を拡大、推進してまいります。

また、ビジネスチャットツールは世界的に利用が普及しつつあります。当社では、「Chatwork」にかかる日本語を含む6か国語への多言語対応を行っており、現在は、将来におけるサービス普及が期待されるアジア地域、特にベトナム及び台湾にて、日系企業の子会社・駐在所を中心としたターゲット顧客に対する営業活動及び将来の収益獲得の布石としてフリープランによる顧客獲得等を中心としたテストマーケティングを実施しております。今後において、各地域における外部環境やサービスにかかる認知向上等の状況を考慮しつつ、営業体制の拡充を含めた営業展開や更なる地域展開を検討してまいる所存であります。

 

③ マーケティング活動

ビジネスチャットツールの国内における導入期待が急速に高まり、今後3年で普及が大きく進むものと考えております。当社グループの人員、サポート体制の整備に伴い、今後適切な販促活動を行うことが、中長期の事業成長のために必要と判断し、昨期以上のマーケティング費用の投入を行う予定です。なお、マーケティング費用に関しましてはこれまで同様、費用対効果を見極めながら、適宜コントロールしてまいります。

 

④ サービスの付加価値向上

当社グループが競争優位性を確保しながら持続的に成長するためには、前述のユーザビリティ向上に加えて、サービスの提供する付加価値を高め、高い継続率を確保することが重要であると認識しております。当社グループは、付加価値向上のため、経営資源サポート領域やデータ活用といったプラットフォームサービスにおける新たな提供サービスの開発・展開を推進し、「Chatwork」のビジネスインフラとしての価値向上に努めるとともに、収益基盤を強化してまいります。

 

⑤ セキュリティの継続的な向上

当社の提供するビジネスチャットツールは、ビジネスコミュニケーションの根幹となるインフラ機能であるため、継続利用の前提としてセキュリティの確保は必要不可欠であります。当社では、自社による監視体制のみならず、外部業者による脆弱性の確認を継続的に実施し、必要な対策をとることでセキュリティの向上に努めております。当該対策には終わりはないと認識しており、今後も継続してセキュリティ向上に向けた対応を行ってまいります。

 

⑥ 優秀な人材の確保と育成

当社グループが持続的に成長するためには、優秀な人材を数多く確保・育成することが重要であると認識しております。特にサービス利便性及び機能の向上のためには、優秀なエンジニアの継続的な採用が課題であると認識しております。

当社は、従業員の多様な働き方を推進することで求職者への提供価値を高め、採用力を強化するとともに、既存人材の能力及び技術の向上のため、教育・研修体制の充実化を進めていく方針であります。

 

⑦ 内部管理体制の強化

当社の提供する「Chatwork」サービスは、顧客ビジネスのインフラとなり得る機能であり、当該サービスの普及・利用にあたっては顧客企業よりインフラ提供会社である当社への信頼が獲得できるかが重要な点であると考えております。そのため当社では個人情報管理体制をはじめ、アクセス制限等のシステム統制、当社自身の内部統制体制の強化等を継続して検討・推進していくことで、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実を図り、顧客からの信頼を獲得できるよう努めてまいります。

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