業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。

(1)経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、東京オリンピックの開催を筆頭に好転の兆しはあったものの、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するための企業活動の自粛や、断続的な緊急事態宣言の発令により、長期に渡る停滞が続いておりました。新型コロナウイルスワクチンの普及から経済活動の回復が進んでおりましたが、個人消費の回復は鈍く、変異株の出現による感染再拡大も発生しており、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループが提供するシステムインテグレーションサービス及びアウトソーシングサービスの主要販売先である金融業界におきましては、顧客の経営戦略に伴って業務・事務負担が発生する毎に必要な対応やグループの統廃合によるシステムの統廃合など、業界全体として引き続き需要が高まっております。さらに、今後の注力サービスであるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)関連サービスの市場は依然として各種メディアでの注目度は高く、生産年齢人口の減少や新型コロナウイルス感染症拡大による働き方の変化によって金融業界のみならず一層活用期待は高まっております。

このような経営環境のもと、RPA等の活用を含むIT利活用やデジタル化による業務プロセス改革(デジタルトランスフォーメーション)の継続した需要増加を背景に、顧客からの引き合いは依然として強く、それに伴い、積極的なコンサルタント人材の育成、コンサルタント経験者の採用及び金融機関に留まらないあらゆる業界の企業との更なる新規取引の獲得や業界特化型RPAサービス提供に向けた企画・ 販促活動をしてまいりました。また、2021年4月にインフラエンジニアリングサービスを提供する株式会社エグゼクションの株式を取得し、子会社することでサービス領域の拡大を図りました。新型コロナウイルス感染症の影響により受注時期の遅延や予定されている見込み案件の凍結なども発生し、製造原価の固定費(人件費)比率が高い当社グループの業績に影響がありましたが、こうした動きは収まりつつあります。

以上の結果、売上高は3,801,334千円営業利益は360,532千円経常利益は379,538千円親会社株主に帰属する当期純利益は253,561千円となりました。これにより、当社グループが目標とする経営指標である営業利益率は9.5%となりました。

なお、当社グループはビジネステクノロジーソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

 

 

②財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、2,098,717千円となりました。この主な内訳は、現金及び預金が991,963千円、売掛金が988,051千円であります。固定資産の残高は、719,273千円となりました。この主な内訳は、i-nest1号投資事業有限責任組合へのLP(リミテッド・パートナー)出資による投資有価証券が219,543千円、九段下オフィスの新設等による敷金及び保証金が154,793千円、株式会社エグゼクションの企業結合により生じたのれん86,771千円であります。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、884,808千円となりました。この主な内訳は、未払費用が206,908千円、買掛金が199,752千円、流動負債その他に含まれる未払消費税等が99,460千円であります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、1,918,831千円となりました。この主な内訳は、資本金377,785千円、資本剰余金357,785千円、利益剰余金1,194,715千円であります。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、991,963千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは372,335千円の収入となりました。

これは、主に税金等調整前当期純利益が379,538千円計上による収入の一方で、売上債権の増加332,967千円による減少によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは251,637千円の支出となりました。これは、主に子連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出173,960千円、投資有価証券の取得による支出89,683千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは6,977千円の支出となりました。これは、主に自己株式の取得による支出7,764千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

(生産実績)

当社グループが行う事業では、提供サービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(受注実績)

当社グループが行う事業では、概ね受注から役務提供までの期間が短いため、当該記載は省略しております。

 

 

(販売実績)

当連結会計年度における販売実績は次の通りであります。

当社グループはビジネステクノロジーソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けての記載はしておりません。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日

区分

販売高(千円)

前年同期比(%)

ビジネステクノロジーソリューション事業

3,801,334

合計

3,801,334

 

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日

販売高(千円)

割合(%)

三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社

604,757

15.9

野村アセットマネジメント株式会社

450,838

11.9

 

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因に基づき、見積りや判断を行っております。しかし、見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積もり及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況1 財務諸表等(1)財務諸表注記事項
(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績は下記の通りであります。

(売上高)

売上高は、新規顧客からのRPA関連案件の増加や、前連結会計年度に新型コロナウイルス感染症の拡大により、主に資産運用会社、信託銀行の業務プロセス改善支援など既存顧客を中心に減少した受注が回復したこと、更に株式会社エグゼクションの子会社化により連結の範囲となったため3,801,334千円となりました。

 

 

(売上原価)

売上原価は、新規顧客からのRPA関連案件の増加や、前連結会計年度に新型コロナウイルス感染症の拡大により、主に資産運用会社、信託銀行の業務プロセス改善支援など既存顧客を中心に減少した受注が回復したことにより、2,525,375千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、主に従業員の採用費及び教育費の増加、RPA関連サービスの販促・サービス企画活動の強化による増加等により、915,426千円となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

営業外損益の主な内訳は、営業外収益として投資事業組合運用益8,816千円等により、経常利益は、379,538千円となりました。

 

(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益及び特別損失は発生しておりません。

その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、253,561千円となりました。

 

③資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。持続的な成長を図るため既存事業の拡大に取り組んでおりますが、これらに必要な資金については必要に応じて多様な資金調達を実施しております。なお、当連結会計年度末における有利子負債(借入金)はなく、現金及び現金同等物の残高は991,963千円であります。現時点で重要な資本的支出の予定はございません。

 

④経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループは「俯瞰的な視点で世の中の非効率を解消していくことで、“より満足度の高い未来”を創造する」を企業ビジョンに掲げております。また、ミッションである「企業向けITにおけるラストワンマイルを最適化する」を推し進めるため、事業基盤の強化とUiPath RPA Platformの導入促進による一層広範な業界及び業務プロセスへの関与を目指しております。

当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として営業利益率の安定的な確保を目指しております。なお、2022年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画では、売上高及び経常利益のCAGR(年間平均成長率)、ROE、総人員数を重要な指標と位置付けております。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。また、既存事業拡大方針及び新規サービスであるRPA推進への施策については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載をしております。

 

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