研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社グループは多様化、高度化、精密化した顧客ニーズに対応していくため、ファインケミカル事業とポーラスマテリアル事業にて製品の研究開発を進めております。

 当連結会計年度における各事業別の研究開発活動の状況及び研究開発費の金額は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、651百万円であります。

(ファインケミカル)

当事業における当連結会計年度の研究開発費は338百万円となっております。

 主な研究成果は次のとおりであります。

 

(1)自動車ボディ・ガラス・車内

①ぬりぬりガラコDX

 新技術「SARF(Strоng Adhesiоn,Rapid Finish)」により、ガラコの主成分とガラスの間にできるわずかな隙間を高密着成分が埋めることで、強固な被膜が均一に定着し、成分の効果が約4ヶ月間持続します。また、拭き取りをスムーズかつスピーディにするための拭き取り補助成分を配合したことで、ガラコの余剰成分を浮かせて拭き取りやすくすると同時に、拭きムラや拭きスジの発生を防止しております。

 

②拭くだけレインドロップ

 新開発されたハイブリッド3層シートの「OSAE(Optimal Slip Absоrptiоn And Exudatiоn)」シートの表層で、スムーズな吸排水を行うことで、水滴の拭き上げと同時に、コア層に含浸させた撥水成分が排出され、ボディなどの対象面に撥水被膜を形成します。主原料は製紙に使用されるパルプですが、対象面との摩擦を低減し、キズつきにくくするために滑りが良くなる工夫も施されており、ヨレることなくスムーズに拭き上げることが可能です。

 

(2)衛生対策

①ルームピア ウォッシュミストプラス

 定着安定化剤の選定により、2種類の抗菌・抗ウイルスの成分の定着が可能となり、約1週間にわたり効果が持続します。スプレーして拭き取るだけの簡単作業で、手アカやヤニなどの車内の汚れやニオイ・菌・ウイルスをクリーニングできます。

 

(3)家庭用製品

①iガラコ スマートフォン2.0

 サッと塗り込み、ティッシュで拭き上げるだけの簡単作業で、フッ素オイルとフッ素樹脂をスマートフォンやタブレットのガラス表面に密着させます。新処方の採用により、油性マーカーもはじく強力被膜を形成することで、指紋や化粧汚れの固着をガードするとともに、従来品からスベリ性を向上させており、画面の指滑りが改善しております。

 

②スポルファ レインホッパー

 当社独自の配合技術により超微粒子シリカを高分散化させます。レンズにスプレー後、5~10分乾燥させるだけで、ハスの葉のロータス効果と同じように、超撥水技術によりレンズ表面に超微細な連続突起が形成され、レンズ上に水滴が付いても留まらせず、スポーツ中のクリアな視界を確保します。

 

当連結会計年度において、特許出願数は4件、実用新案出願数が1件でした。

当事業の研究開発活動は合計9名で行っております。

 

(ポーラスマテリアル)

当事業における当連結会計年度の研究開発費は312百万円となっております。

主な研究成果は次のとおりであります。

(1)メディカル関連

 大学の協力により手術現場を見学し、その経験を活かした新規商品の開発を進めております。

 

(2)電極材関連

 小型二次電池用電極材については、複数のメーカーからサンプル要求を受け、各社の要望に合わせた改良、提案を続けております。

 

(3)新規テーマ関連

 今年度も引き続き、大学とは下記の共同研究を進めております。

・硬脆材料用研磨材の開発:SiC基板だけではなく、他材料の砥粒レス研磨の可能性について検討を進めております。

・医療系に向けたPVAスポンジへの機能付与:遺伝子検査に最適なPVAスポンジの選定を目的とした検討を続けております。

・アナモックス菌による排水処理システム:ベンチプラントの立ち上り、運用が開始されました。

 

(4)半導体用洗浄関連

 ユーザーからのBreak-in時間短縮要求に対し、突起皮膜の状態を改良したMS/M1タイプの評価が良好であり、量産での評価段階に移行しています。さらにBreak-in時間を短縮する事を目的とした次世代のブラシを提案しました。

 

(5)HD用研磨剤関連

 HD基板の薄肉化に伴い、ユーザー毎に改良点の異なる要求を受け、改良品を提供し、良好な結果が得られています。また、次世代の基板に対応する砥石の開発も継続しております。

 

(6)生活資材関連

 昨年度開始したNEWブランド開発プロジェクトでは、“水滴ストレスを無くす(Nо Suiteki Stress)”をコンセプトに新規ブランド“STTA”を、2022年2月のギフトショーで発表しました。2月後半から販売を開始し、好評を得ております。

 

 当連結会計年度において、特許出願、実用新案出願はありませんでした。特許の登録は、国内で2件でした。

 当事業の研究開発活動は合計26名で行っております。

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