(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度は、連結財務諸表作成初年度であるため、前期との比較は行っておりません。
①財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は1,975,614千円となりました。主な内訳は、現金及び預金が1,326,926千円、売掛金331,546千円であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は439,683千円となりました。主な内訳は、買掛金が209,543千円、未払金が38,159千円、未払法人税等が145,105千円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,535,930千円となりました。主な内訳は、資本金が12,977千円、資本剰余金が913,828千円、利益剰余金が609,671千円、自己株式が△653千円であります。
②経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が加速しているものの、変異株による感染拡大もあり、依然として景気の先行き不透明な状態が続いております。
一方で、新型コロナウイルスを起因に新しい働き方に対応するデジタルシフトが加速するとともに、デジタルトランスフォーメーション等への注目度は高まっており、そのセキュリティの重要性も高まっております。当社グループでは、デジタル化が進む各業界向けに顧客との新たなコミュニケーションツールを提供すべく新規開発を強く推進しております。
当社グループを取り巻くインターネット関連市場につきましては、スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、日本における2021年9月末時点の移動系通信の契約数は、1億9,847万回線(前年同期比0.8%増)と増加が続いております(出所:総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(2021年度第2四半期(9月末))」)。また、当社グループがターゲットとする働き方改革ICT市場におきましては、時間と場所に柔軟性を持たせた働き方の促進が急速に求められており、テクノロジーを積極的に活用した生産性の向上、ワークライフバランスの向上といった取り組みにより、今後益々の市場の拡大が期待されております。
このような事業環境のもと、当社グループは、“Smart Work,Smart Life~テクノロジーでビジネススタイルをスマートに”をミッションとして、メッセージングサービス及びHR関連サービスを展開してまいりました。2021年6月には、それまで展開していたビジネスチャットサービスを、よりポテンシャルの高いメッセージング領域・HR領域に経営資源を集中するため事業譲渡を行っております。また、当社事業と関連する領域の企業への投資・支援を通じ、新しい価値の創出、事業の加速・拡大を目指すため、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)としてAIX Tech Ventures株式会社をAI CROSS株式会社の100%子会社として設立いたしました。
メッセージングサービス「絶対リーチ!SMS」においては、市場の拡大に対応すべくセールス・マーケティングチームの体制を強化し、当連結会計年度末における取引社数は4,085社となっております。
HR関連サービスでは、社員のパーソナリティを適性検査により可視化し、自社に適した活躍人材を見極め、最適配置を実現する戦略人事アナリティクス「HYOUMAN BOX」をリリースし、大手企業様を中心にトライアル普及を進めております。
CVCであるAIX Tech Venturesにおいては、2件のスタートアップ企業への出資を実施しております。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,422,444千円、営業利益260,326千円、経常利益254,078千円、当期純利益341,137千円となりました。
また、当社グループはSmart AI Engagement事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。なお、当連結会計年度は、連結財務諸表作成初年度であるため、前期との比較は行っておりません。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,326,926千円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、187,102千円となりました。これは主に、収入として税金等調整前当期純利益511,589千円、仕入債務の増加45,338千円、支出として、事業分離における移転利益257,510千円、売上債権の増加54,695千円、法人税等の支払額65,243千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は96,050千円となりました。これは主に、事業譲渡による収入279,810千円、投資有価証券取得による支出129,997千円、有形固定資産取得による支出1,336千円、無形固定資産の取得による支出52,425千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は12,489千円となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入5,954千円、長期借入金の返済による支出18,396千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
Smart AI Engagement事業 |
2,422,444 |
- |
合計 |
2,422,444 |
- |
(注)1.当社の事業セグメントは、Smart AI Engagement事業の単一セグメントであるため、サービス別の販売実績は次のとおりです。
サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
メッセージングサービス |
2,293,086 |
- |
ビジネスチャットサービス |
99,306 |
- |
HR関連サービス |
30,051 |
- |
合計 |
2,422,444 |
- |
2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
|
金額(千円) |
割合(%) |
|
Twilio Inc. |
458,313 |
18.9 |
3.上記の金額には、消費税等は含んでおりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において認識及び分析・検討したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ、合理的であると考えられる見積りについては、過去実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
財政状態の状況分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績
経営成績の状況分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
e.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、一部資金を金融機関からの借入等により調達しております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,326,926千円となっており、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しております。
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