下記の文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
当社グループは、「チャレンジを生み出し、世の中を面白くする」をビジョンに掲げ、「スペースシェアをあたりまえに」をミッションとしております。
(当社グループの収益構造)
当社の売上高は、プラットフォームサービスに関する売上高と法人向けソリューションサービスに関する売上高により構成されております。これに連結子会社である株式会社スペースモールの売上高を加え、グループ内取引について連結消去を行った金額が、当社グループの売上高となっております。
プラットフォームサービスに関する売上高は、GMVの内ホスト手数料とゲスト手数料の合計であり、GMVは利用スペース数×利用スペースあたりのGMVにより算出されます。
法人向けソリューションは、スペースマーケットに掲載されているスペース等を利用して、法人向けイベントの企画・プロデュース、当日の運営等を支援するイベントプロデュースとスペースマーケットに掲載されているスペースに企業の新製品等を設置し、スペースを広告媒体として活用することで企業のプロモーションを支援するプロモーション支援で構成されます。
(事業を行う市場の状況)
当社グループの事業領域であるシェアリングエコノミー領域においては、当社の代表取締役社長が代表理事を務める一般社団法人シェアリングエコノミー協会と株式会社情報通信総合研究所が共同で発表した調査(注1)において、2021年度のシェアリングエコノミー経済規模が前年に続き2兆円を超えても順調に成長し続けていることや、2030年度には14兆円と約7倍に達することが予測されています。
また、PwCコンサルティング合同会社が公表した「国内シェアリングエコノミーに関する意識調査2021」(注2)では、シェアリングエコノミーのいずれかのサービスを知っている人の割合は49.9%となり、昨年の調査よりは減少したものの、継続して約半数が認知している状況となっています。そのうち、当社の事業領域である「場所・空間」のサービスを知っている人の割合は63.2%となり、シェアリングエコノミーの領域で「場所・空間」のサービスの認知度は、引き続き高い割合を維持している状況です。
当社グループでは、近年、これまでの過剰生産、過剰消費が見直され、人々の消費スタイルは所有から共有へと変わってきたと考えております。また、テクノロジーの進歩によって、シェアリングの取引(例えば、物のシェアリングとしてフリマアプリ、労働力のシェアリングとしてクラウドソーシング、移動のシェアリングとしてカーシェア等)が手軽かつ安全に実現できるようになってきており、これらを背景に、上記のとおり、世の中はシェアリングエコノミーの時代へと突入したと考えております。そのような中、当社グループは「場所のシェアリング」の代表的な事業者となる事を目指して事業を展開してまいりました。海外にも類似サービスが複数存在しており、グローバルで時間貸しスペースの需要が確認できます。当社グループは日本で事業モデルを確立した後、海外展開も視野に入れております。
また、世の中の変化(シェアリングエコノミーの概念、多様性が認められる社会への変化等)により、ある程度決められた形式の中から選ぶのが一般的であった住まい方、働き方、余暇の過ごし方等について、多様性への対応が求められる時代になったと考えており、当社グループは時間単位でスペースの貸し借りを出来るようにする事で、世の中の多様性に対応可能な選択肢を提供してまいります。
(注)1.2022年1月18日「シェアリングエコノミー関連調査2021年度調査結果」
2.2021年9月30日「国内シェアリングエコノミーに関する意識調査2021」
(当社グループのプラットフォームの特徴)
当社グループのプラットフォームの特徴として、ホストにより貸し出されるスペース数が蓄積する事により、ゲストの利用が増加し、ゲストの利用が増加する事で、集客力の高まったプラットフォームに更に新規のホストが登録し、貸し出されるスペース数が更に蓄積するというネットワーク外部性が働き、継続したスペースの利用が為される構造を有しております。当社グループは、今後も利用スペース数の継続的な拡大を目指したいと考えており、広告運用・掲載サポート等に注力することにより、利用されるスペースの獲得と増加することを目指しております。
当社グループはネットワーク外部性を有するプラットフォームならではの事業成長サイクルを構築し、一定の開発・運営リソースでレバレッジの効いた収益獲得構造の構築を図る方針です。
当社グループは、ネットワーク外部性が働く事により利用スペース数が拡大し、GMVが拡大し、売上高が拡大する事業構造を有しております。また、売上高の拡大と共に広告効率・オペレーション効率が向上し、営業利益率が継続的に改善する収益構造を有しております。
上記における将来に関する事項は、当社グループが現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社グループとして約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の要因及びその他の要因により大きく異なる可能性があります。
(3) 中期経営戦略等
今後の中長期的な方向性としては、以下のとおりです。その結果として、新たなスペース利用の可能性を創造し、スペースのシェアリングエコノミー(以下、「スペースシェア」とする)のモデルを確立していきます。
(全社総取扱高の成長)
当社グループは、全社総取扱高の成長が、「スペースシェアをあたりまえに」というミッションの実現につながると考えており、ミッションの実現が結果として企業価値の向上につながると考えております。このため、まずは中期的に全社総取扱高の成長をしっかりと実現していきたいと考えております。また、直近は全社総取扱高の大部分を締めるGMVの成長が全社総取扱高を成長させるドライバーと考えております。
(既存プラットフォームサービスの成長)
当社グループは、スペースシェアの先行者の強みである、業界有数の掲載数と蓄積してきたノウハウの2つを最大限生かし、さらなるプラットフォームの成長を推進します。
特にホストに対してアプローチを強化し、「スペースマーケット」でなければならない付加価値を提供し、ファンになってもらうことで、競合が現れても使い続けてもらえるプラットフォームへと成長させていきます。
当社グループはこれまで、様々な用途で快適に利用ができる良質なスペースが増加することで、事業の成長を実現してまいりました。
スペース領域におけるシェアリングエコノミーは依然として成長の途上と認識しており、今後も継続して、当社グループのプラットフォームで利用される良質なスペースを増加させることに取り組んでまいります。
当社グループは、シェアリングエコノミーという比較的新しい領域でサービスの提供を行っております。このため、利用者にとっての利便性を高めるため、継続したサービスの改善に努め、また、効率的な運営体制・オペレーションの構築に取り組んでまいります。
当社グループは、場所に対してシェアという新しい考え方を提起し、これまでサービス提供を行ってまいりました。これまでに多くの方々にサービスを利用いただいておりますが、スペースのシェアをより価値のあるものとして提供し、スペースシェアをさらに多くの人に利用いただくため、また、社会に対して価値を提供し、課題を解決すべく、不動産事業者様やスペースシェアの領域においてソリューションを提供する様々な事業者様と協働し、スペースシェアの価値向上と普及に取り組んでまいります。
当社グループは、インターネットを介したサービスを展開していることから、サービス提供に係るシステム稼働の安定性を確保することが経営上重要な課題であると認識しております。そのため、突発的なアクセス増加にも耐えられるようなサーバー設備の強化や、そのための人員確保、教育・研修などを継続的に行ってまいります。当社グループはサービスの安全性・健全性強化の一環として、内閣官房IT総合戦略室が主宰したシェアリングエコノミー検討会議が策定した「シェアリングエコノミー・モデルガイドライン」に準拠した、(一社)シェアリングエコノミー協会による「シェアリングエコノミー認証制度」に賛同し、第1号認証を受けております。
当社グループは、テクノロジーを最大限に活用し、サービス運営の効率化、データの蓄積・分析、AI・ディープラーニング等の新しい技術の活用、という観点を中心にサービスの成長に取り組んでまいります。
当社グループは、ゲスト・ホストの個人情報を多く預かっており、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、個人情報保護方針及び社内規程に基づき管理を徹底しておりますが、2019年9月にはISMS認証を取得し、今後も、社内教育・研修の実施やシステムの整備等を継続して行ってまいります。
当社グループは、今後更なる事業拡大を推進するに当たって、当社グループの企業文化及び経営方針への共感を兼ね備え、様々な分野で活躍出来る優秀な人材の採用に取り組んでまいります。組織設計においては少人数単位でのチーム制を採用すると同時に、チーム毎の自律性を促すよう権限の委譲を推し進めることで意思決定の質とスピードを維持するなど、従業員のパフォーマンスを最大化させる取り組みを引き続き継続していく方針であります。
当社グループは、持続的企業価値向上と透明性の高い健全な経営を実現することを経営の最重要課題の一つとして位置づけ、内部統制及びコンプライアンスの強化に取り組んでまいります。関係法令・規則の遵守、役職員一人ひとりの高い倫理観の醸成、社会的良識を持った責任ある行動を目指し、当社グループ全体で社内教育を行ってまいります。また、代表取締役社長を委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置して、当社グループのコンプライアンス上の重要な問題を審議し、対応策を検討する体制を採っており、これを適切に運用することによりコンプライアンスの徹底と社会的信用の向上を図っていく方針であります。
当社グループは、スペースシェアをあたりまえにするため、お客様へ届けた価値の合計である全社総取扱高を重要な経営指標としてモニタリングしております。また、直近は全社総取扱高の大部分を占めるGMVの成長も重要指標としており、この2つの最大化へ向けて、経営努力を重ねてまいります。
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