業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い、二度の緊急事態宣言発出による外出自粛等の影響を受け、個人消費は落ち込み、景気の先行きはより不透明な状況となりました。

 

医薬品業界では、引き続き厳しい社会保障財政を背景とした薬価制度改革が進み、相次ぐ薬価改定実施や、健康保険の適用範囲見直しなどに加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、今後も厳しい経営環境が予想されます。

 

このような市場環境の中、当社は、一般用製品では、「腸活」や「腸内フローラ」など、生活者の健康意識の高まりや、ニーズの変化に対応し、積極的な情報発信を行ってまいりましたが、ドラッグストアの客数減少の影響を受け、主力製品の「新ビオフェルミンS」が前期比14.1%減となりました。一方で昨年発売した「新ビオフェルミンSプラス」や「ビオフェルミンVC」の売上が寄与し、一般用製品全体の売上高は、72億4千3百万円(前期比12.2%減)となりました。

 

医療用医薬品においても、関連学会等で情報発信を行ったことで、主力の「ビオフェルミン錠剤」が前期比5.7%増と伸長しましたが、抗生剤との併用が原則となる「ビオフェルミンR」が大幅に減少し、医療用医薬品全体の売上高は、32億3千8百万円(前期比3.6%減)となりました。

 

その結果、売上高は108億1千1百万円(前期比9.3%減)、営業利益は20億5千8百万円(前期比32.9%減)、経常利益が21億2千万円(前期比32.4%減)、当期純利益は15億4千8百万円(前期比30.9%減)となりました。

 

 

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

 

種別

当事業年度
(2020年4月1日2021年3月31日)

前年同期比(%)

生産金額(千円)

新ビオフェルミンS

7,598,679

0.9

新ビオフェルミンSプラス

291,661

159.1

ビオフェルミン止瀉薬

68,798

△28.0

ビオフェルミン下痢止め

129,454

△38.8

ビオフェルミンVC

130,577

107.0

ビオフェルミン便秘薬

47,808

40.8

ぽっこり整腸チュアブル

152,558

513.1

ビオフェルミンR

420,326

△31.3

ビオフェルミン配合散

546,216

△5.7

ビオフェルミン錠剤

2,112,673

10.4

ビオスミン配合散

6,226

△25.0

食品原料

313,808

3.4

その他

18,971

186.4

合計

11,837,762

2.9

 

(注) 1 生産実績金額の算定基準は当社の販売価格によっております。

2 上表の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 ぽっこり整腸チュアブル、ビオフェルミンR及びビオフェルミン配合散は、中外医薬生産株式会社に生産の一部を委託しております。

4 ビオフェルミン錠剤は、株式会社陽進堂に生産の一部を委託しております。

 

② 受注実績

当社は製品ごとの販売計画を基準として、生産計画を立案し、これによって生産を行っており、受注生産は行っておりません。

 

 

③ 販売実績

 

種別

当事業年度
2020年4月1日2021年3月31日

前年同期比(%)

販売金額(千円)

新ビオフェルミンS

6,482,558

△14.1

新ビオフェルミンSプラス

253,422

4.7

ビオフェルミン止瀉薬

65,484

△24.3

ビオフェルミン下痢止め

151,181

△12.3

ビオフェルミン健胃消化薬錠

△8,990

△149.9

ビオフェルミンVC

114,789

131.4

ビオフェルミン便秘薬

48,107

34.8

ぽっこり整腸チュアブル

137,318

35.2

ビオフェルミンR

380,512

△33.2

ビオフェルミン配合散

599,469

△8.0

ビオフェルミン錠剤

2,252,414

5.7

ビオスミン配合散

5,913

△30.4

食品原料

310,299

2.2

その他

18,701

182.3

合計

10,811,181

△9.3

 

(注) 1 販売先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次の通りであります。

相手先

第134期

第135期

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

大正製薬㈱

11,924,796

100.0

10,811,181

100.0

 

 

2 ビオフェルミン健胃消化薬錠は当事業年度において返品があったため、販売金額がマイナス表記になっております。

3 上記販売実績の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)財政状態

(流動資産)

当事業年度末における流動資産の残高は、195億1百万円(前年同期比28億4千万円減)となりました。その要因は、現金及び預金の減少(前年同期比33億8千7百万円減)があったこと等によるものであります。

 

(固定資産)

当事業年度末における固定資産の残高は、138億8千3百万円(前年同期比38億8百万円増)となりました。その要因は、新工場建設による建設仮勘定の増加(前年同期比30億8千万円増)及び土地の増加(前年同期比11億6千4百万円増)があったこと等によるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債合計の残高は、29億4千3百万円(前年同期比6千6百万円減)となりました。その要因は、未払法人税等の減少(前年同期比2億1千9百万円減)があったこと等によるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は、304億4千1百万円(前年同期比10億3千3百万円増)となりました。その要因は、当期純利益の計上による利益剰余金の増加(前年同期比8億3千万円増)があったこと等によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ33億8千7百万円減少し、125億1千2百万円となりました。

 

当社の資本の財源及び資金の流動性について、当社の資金需要は、製品の製造に関わる設備投資、原材料、広告、宣伝費、を主とした営業費用などの運転資金、研究開発などであります。資金調達は主としてフリー・キャッシュフローにより十分な資金を確保しており、現預金残高を厚くすることにより財務の安定性及び流動性を担保しております。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動による資金の増加は、19億2千2百万円(前事業年度は37億4千3百万円の増加)となりました。

これは、税引前当期純利益が21億2千万円であったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動による資金の減少は、45億9千1百万円(前事業年度は6億8千万円の減少)となりました。

これは、有形固定資産の取得によって45億4千2百万円の支出(前事業年度は8億9千3百万円の支出)があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動による資金の減少は、7億1千7百万円(前事業年度は7億1千9百万円の減少)となりました。

これは、取締役会決議による配当金並びに中間配当金の支払が7億1千5百万円であったこと等によるものであります。

 

当社は、財務基盤の強化・維持を図り、経営の安定と将来的成長を目指しており、当面の資本の財源及び資金の流動性については、設備投資や乳酸菌の有する効果の研究、剰余金の配当による利益還元などは、自己資金で賄う予定であります。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。

重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得