業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度は、新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が度々発令されるなど、経済活動や個人消費が抑制状況で推移しました。ワクチン接種が進んだもののいまだ収束は見通せず、また、経済情勢は原材料の価格高騰・供給不足や世界的な半導体不足による影響が継続して懸念され、依然として先行き不透明な状況が続いております。
 このような状況下、当社グループは前連結会計年度に引き続き、収益強化を図るため、既存取引先各社との連携を密にすることや新規需要の掘り起こしに尽力しました。前連結会計年度から停滞していた取引先の需要は、建設機械、工作機械関連といった主要な取引先での生産活動が部品調達不足の影響を受けながらも好転したことなどから増加し、売上高は計画を達成することが出来ました。利益につきましては、原材料の高騰下、不急の経費削減を敢行して収益体質を強化することに努めてまいりました。
 結果として、当社グループの財政状態は、資産合計は7,649百万円となり、前連結会計年度末に比べ8.3%の増加、負債合計は5,120百万円となり9.1%の増加、純資産合計は2,529百万円となり6.8%の増加となりました。

また、当連結会計年度における売上高は5,312百万円(前年同期比8.8%増)、経常利益は212百万円(前年同期は経常利益10百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は146百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失2百万円)となりました。

 なお、当社グループは、塗料の製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

②キャッシュ・フロー

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動により447百万円の増加、投資活動により45百万円の減少及び財務活動により44百万円の減少となりました。その結果、現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ357百万円増加し2,022百万円となりました。

   (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は447百万円(前連結会計年度は190百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益212百万円、仕入債務の増加363百万円、減価償却費137百万円、売上債権の増加260百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は45百万円(前連結会計年度は172百万円の減少)となりました。これは主に生産設備の増強・維持更新のための有形固定資産の取得による支出43百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は44百万円(前連結会計年度は66百万円の減少)となりました。これは主に長期借入れによる収入550百万円、長期借入金の返済による支出463百万円、短期借入金の純減額90百万円等によるものであります。

 

(2)生産、受注及び販売の実績

①生産実績

 当社グループは、塗料の製造・販売事業の単一セグメントであるため、生産実績は品種別に掲載いたします。

品種別

当連結会計年度

(自 2020年12月1日

至 2021年11月30日)

前年同期比(%)

合成樹脂塗料類(千円)

4,804,081

106.4

その他塗料類 他(千円)

299,218

112.6

合計(千円)

5,103,300

106.8

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

②商品仕入実績

 当社グループは、塗料の製造・販売事業の単一セグメントであるため、商品仕入実績は品種別に掲載いたします。

品種別

当連結会計年度

(自 2020年12月1日

至 2021年11月30日)

前年同期比(%)

合成樹脂塗料類(千円)

170,446

111.2

その他塗料類 他(千円)

280,849

125.8

合計(千円)

451,296

119.8

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③受注実績

 当社グループは、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

④販売実績

 当社グループは、塗料の製造・販売事業の単一セグメントであるため、販売実績は品種別に掲載いたします。

品種別

当連結会計年度

(自 2020年12月1日

至 2021年11月30日)

前年同期比(%)

合成樹脂塗料類(千円)

4,850,952

107.8

その他塗料類 他(千円)

461,082

121.7

合計(千円)

5,312,034

108.8

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態および経営成績)

 当連結会計年度の財政状態は、停滞していた主要な取引先での生産活動が好転したことにより売上および仕入は増加したため、期末日の債権及び債務は前連結会計年度末に比べ増加し、総資産は増加しました。

 当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末と比較して総資産は586百万円増加して7,649百万円となりました。増加の主なものは、現金及び預金の増加357百万円、受取手形及び売掛金の増加260百万円であります。

 負債は426百万円増加して5,120百万円となりました。増加の主なものは、支払手形及び買掛金の増加363百万円であります。

 純資産は160百万円増加して2,529百万円となりました。増加の主なものは、利益剰余金の増加121百万円、その他有価証券評価差額金の増加36百万円であります。原材料高等の影響もあり、負債が純資産以上に増加したため、自己資本比率は0.4ポイント減少し33.1%となりました。

 売上高につきましては、既存取引先各社との連携を密にすることや新規需要の掘り起こしに尽力し、売上高は5,312百万円となり前連結会計年度に比べ431百万円の増加となりました。経常利益につきましては、212百万円となり、前年同期経常利益に比べ201百万円の増加となりました。売上高経常利益率は前年同期経常利益率0.2%に比べ3.8ポイント上昇し4.0%となりました。これは売上増加の影響等によるものであります。

(経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)

 売上高はおおむね計画通りに推移し、当連結会計年度計画5,219百万円に比べ93百万円増加し、5,312百万円(計画比1.8%増)となりました。経常利益は不急の経費削減に努めたこと等により、当連結会計年度計画58百万円に比べ154百万円増加し、212百万円(計画比266.5%増)となり、売上高経常利益率は計画の1.1%を上回り4.0%となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況の分析)

 キャッシュ・フローの状況につきまして、営業活動によるキャッシュ・フローは売上高の増加により税金等調整前当期純利益が増加したため、前連結会計年度に比べ増加いたしました。投資活動によるキャッシュ・フローは、業績悪化への対処のため設備投資を抑制したため、前連結会計年度に比べ支出が減少いたしました。財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、設備投資に備え長期借入を増やしましたが、不急の経費削減に努めたこともあり短期借入が減少したため、結果として財務活動による資金の減少となりました。

 詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

(資金需要)

 当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料・部品等の購入費用、製造経費、研究開発費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等であります。

(財務政策)

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は金融機関からの短期借入を、設備投資や長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当事業年度末における借入金及びリース債務の残高は1,996百万円となっており、現金及び現金同等物の残高は2,022百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の(追加情報)に記載しております。

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