(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「全てのステークホルダーの幸せ向上」を長期ビジョンとして、「お客様に安心感を与える最適な環境を維持するために、技術力と人的資源を結集させ、高品質サービスを提供する」という経営理念に基づいた事業活動により社会的価値を生み出し、その結果としての経済的価値創造を目指しております。
全てのステークホルダーの幸せ向上
▼
社会的価値創造
経営理念 お客様に安心感を与える最適な環境を維持するために、 技術力と人的資源を結集させ、高品質サービスを提供する
|
▼
経済的価値創造
(2)目標とする経営指標
当社グループは、2019年2月に策定いたしました「2019中期5ヵ年経営計画」にて、株主価値の最大化及び企業価値の向上を目指す上で1株当たり当期純利益(EPS)を重要な指標と捉え、2024年3月期に54円とすることを目標に取り組んでまいります。
また、資本効率を意識した経営の指標として自己資本当期純利益率(ROE)10%の維持を目指し、経済的価値の創造に努めてまいります。
(3)利益配分に関する基本方針
当社は、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題のひとつと認識しており、経営基盤の強化に向けた内部留保の充実を勘案しつつ、利益配分を決定することとしております。同時に、資本生産性を高めた上で配当性向を維持するという考えから、純資産配当率を意識した株主還元の実施に努めております。
現在進行中の「2019中期5ヵ年経営計画」の実現を通して、配当の原資となる利益を継続的に向上させるとともに、連結配当性向50%を維持し、株主の皆様への還元を充実させてまいります。
(4)中長期的な会社の経営戦略、会社の優先的に対処すべき課題
当社グループが永続的な成長を実現するためには、中核事業である建物設備メンテナンスを安定的に拡大し、より強固な経営基盤を構築していくことが必要であると考えております。その実現に向けた施策として、お客様から“日本空調に仕事を任せて本当に良かった、これからも頼むよ”とのご評価を得て、契約の更新そして拡大を図るとともに、毎年着実に新規のお客様を獲得できるよう、お客様の事業価値の向上に貢献する高い技術力とサービス力を「日本空調ブランド」と位置付け、提供するサービスの質の絶え間ない向上を掲げ、競争力を高めてまいります。また、内部統制システムの更なる充実を図ることで社内管理体制の強化に取り組んでまいります。
現在は、当社グループの経営戦略と数値目標を明確に示した将来展望である「2019中期5ヵ年経営計画」を遂行中であり、次の点を中長期的な課題と捉えて注力するとともに、コーポレートガバナンスの継続的な充実に取り組むことで、長期ビジョンの達成を目指しております。
① 引き続き、維持管理に高度な技術力が必要とされる特殊な環境を有する施設(当社グループでは「病院及び研究施設」「製造工場等」「その他の特殊な施設」を特殊な環境を有する施設と定義しております。)に対する高品質サービスの提供及び当社のビジネスモデルの強みを生かしたワンストップサービスの強化に努めます。また、全都道府県に展開している拠点網を最大限活用し、点から線そして面へと営業展開を加速させることで、全国展開企業との取引拡大を推進していきます。
② 海外進出については、技術力及び提案力を一層強化することで新規顧客開拓を進め、進出拠点の早期収益化を目指します。
③ 当社最大の財産である人的資源の更なる充実に向け、「採用」「働き方」「効率化」「教育」をキーワードとした各種プロジェクトを推進することで、従業員の満足度を高めます。
④ 高品質サービスの維持及び一層の強化に向けて、熟練技術者の養成を強化します。
⑤ 国内外での業容拡大に向け、グローバル経営を推進することで、外国籍従業員の積極採用に努めます。
⑥ 営業利益及び1株当たり当期純利益(EPS)を重要な経営指標と捉え、目標達成に向け取り組みます。
⑦ 自己資本当期純利益率(ROE)の維持に努め、持続的に企業価値を向上させるための経営を実践します。
■ 長期ビジョンの考え方について
全てのステークホルダーの幸せ向上 |
||
顧 客 |
従業員 |
株 主 |
高付加価値サービスを 提供する |
満足度と技術力を高める |
安定した還元を実施する |
「顧客」「従業員」「株主」にとっての幸せを向上させることが、社会全体の価値向上に繋がり、全てのステークホルダーの幸せ向上にも結び付くと考えております。
▼
■ 2029年3月期に向けて
No. |
項目 |
課題 |
重要業績評価指標(KPI) |
① |
E |
特殊な環境を有する施設に対する 高品質サービスの提供及び ワンストップサービスの強化 |
特殊な環境を有する施設の 売上高比率 80.0%以上 |
② |
E |
海外進出拠点の早期収益化 技術力及び提案力の強化による 新規顧客開拓の推進 |
海外営業利益比率 10.0% |
③ |
S |
従業員満足度向上 「採用」「働き方」「効率化」「教育」を キーワードとした各種プロジェクトの推進 |
従業員満足度 80.0%以上 |
④ |
S |
熟練技術者の養成強化 |
技術力指数 22.0pt以上 |
⑤ |
S |
国内外での業容拡大 グローバル経営の推進 |
外国籍従業員数 200名以上 |
⑥ |
G |
営業利益及び 1株当たり当期純利益(EPS)の増加 |
EPS 60.00円以上 |
⑦ |
G |
自己資本当期純利益率(ROE)の維持 |
ROE 10.0%以上維持 |
(注)1 7つの中長期的な課題は各々ESGの全てに関連しますが、特に相関が強いと考えられる項目を「E:environment(環境)」「S:social(社会)」「G:governance(ガバナンス)」で示しております。
2 従業員満足度は当社実施の従業員満足度調査の結果を基に算出しております。
3 技術力指数は当社の「技術系公的資格取得数×資格点数(当社基準)÷技術系従業員数」で算出しております。
4 外国籍従業員数は当社及び海外グループ会社の外国籍の従業員数を指しております。
5 重要業績評価指標(KPI)は「2019中期5ヵ年経営計画」策定時点における数値となります。
▼
■ 長期ビジョン達成による社会全体の価値向上
Environment(環境) |
Social(社会) |
Governance(ガバナンス) |
本業(メンテナンス) による環境負荷低減 |
ダイバーシティの一環として 国内外での雇用創出による 社会の活性化 |
ガバナンスの継続的な 充実による企業価値の向上 |
長期ビジョンの達成には資本生産性の向上が必要であり、そのためには人的資本の価値向上が最重要であると考えております。2019年3月期より人的資本の価値向上を目的として、採用活動及び採用広報に関する有効な施策を検討する「採用・広報」、人事制度や給与基準・各種手当等の見直しを検討する「制度・環境改善」、作業効率化ツールの導入や業務内容の見直し及び改善を検討する「作業効率化」の各種プロジェクトを推進しております。また、2022年3月期より新たなプロジェクトとして、新人・若手層の早期戦力化や従業員の技術力向上を検討する「新人財育成」プロジェクトを立ち上げ、未来の財務・非財務資本に繋げるべく注力しております。人的資本の価値向上により、特殊な環境を有する施設への傾注及び海外展開を強化することで、経済的価値の継続的な創造に努めてまいります。これらの取り組みを着実に推進し、業界におけるポジションを一層高め、「建物設備メンテナンス業界のリーダー」として、当社グループ独自のビジネスモデルの構築を目指してまいります。
お知らせ