業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これによる当連結会計年度の業績に与える影響は軽微であります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

(財政状態の状況)

 当連結会計年度末における財政状態とそれらの要因は次のとおりです。

 (資産)

当連結会計年度末の資産の部合計は1,086,884百万円(前期末比4.5%増)となりました。
流動資産は商品及び製品の減少などにより271,410百万円(同1.0%減)となりました
固定資産は有形固定資産の増加などにより815,474百万円(同6.4%増)となりました

 

 (負債)

当連結会計年度末の負債の部合計は330,567百万円(同17.8%増)となりました
流動負債は1年内償還予定の社債の減少などにより85,247百万円(同29.8%減)となりました
固定負債は社債の増加などにより245,320百万円(同54.1%増)となりました

 

 (純資産)

 当連結会計年度末の純資産の部合計は自己株式の増加などにより756,317百万円(同0.5%減)となり自己 資本比率は69.6%(同3.4ポイント減)となりました。

 

(経営成績の状況)

 当連結会計年度は、前期に続き「遊園地・テーマパークにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」や政府・自治体からの要請に基づいて、当社グループの運営する東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの入園者数を制限して営業いたしました。なお、自治体との協議により3月1日以降は入園者数の制限を緩和することが認められ、入園者数を段階的に引き上げた運営を行いました。

 その結果、売上高は275,728百万円(前年同期比61.6%増)、営業利益は7,733百万円(前年同期は営業損失45,989百万円)、経常利益は11,278百万円(前年同期は経常損失49,205百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,067百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失54,190百万円)となりました。

 セグメント別の業績は次のとおりです。

 

(テーマパーク)

 売上高は、ゲスト1人当たり売上高の増加に加え、前第1四半期連結会計期間に両パークを臨時休園していたことなどから、218,564百万円(前年同期比62.8%増)と増収となりました。

 各費用は増加したものの、売上高が増加したことから、営業利益は2,512百万円(前年同期は営業損失41,982百万円)となりました。

 

(ホテル)

 売上高は47,437百万円(前年同期比65.7%増)と増収となりました。

 各費用は増加したものの、売上高が増加したことから、営業利益は6,202百万円(前年同期は営業損失1,954百万円)となりました。

 

(その他)

 売上高は9,726百万円(前年同期比27.0%増)と増収となりました。

 売上高が増加したことから、営業損失は1,305百万円(前年同期は営業損失2,312百万円)と改善いたしました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は営業活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動に よるキャッシュ・フローがプラスになったものの投資活動によるキャッシュ・フローがマイナスになったことか ら129,868百万円(前期末残高165,317百万円)となりました

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは54,602百万円(前年同期△23,834百万円)となりました前年同期に比 べ収入が増加した要因は税金等調整前当期純利益を計上したことなどによります

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは△138,984百万円(同△160,738百万円)となりました前年同期に比 べ支出が減少した要因は定期預金の払戻による収入が増加したことなどによります

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは48,933百万円(同88,724百万円)となりました前年同期に比べ収入 が減少した要因は社債の償還による支出が増加したことなどによります

 

③販売の実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

テーマパーク(百万円)

218,564

162.8

ホテル(百万円)

47,437

165.7

報告セグメント計(百万円)

266,001

163.3

その他(百万円)

9,726

127.0

合計(百万円)

275,728

161.6

 

a.テーマパーク

区分

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

アトラクション・ショー収入(百万円)

107,338

160.4

商品販売収入(百万円)

67,408

162.1

飲食販売収入(百万円)

39,165

173.0

その他の収入(百万円)

4,652

148.5

合計(百万円)

218,564

162.8

 

(東京ディズニーランド及び東京ディズニーシーの入園者数)

区分

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

入園者数(千人)

12,054

159.5

 

b.ホテル

区分

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

ディズニーホテル(百万円)

43,733

171.0

その他(百万円)

3,704

121.2

合計(百万円)

47,437

165.7

 

c.その他

区分

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

イクスピアリ事業(百万円)

5,086

119.1

モノレール事業(百万円)

1,836

180.2

その他(百万円)

2,803

118.4

合計(百万円)

9,726

127.0

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態に関する認識及び分析・検討内容)

 (資産の部)

 当連結会計年度は、設備投資を行ったことなどにより、有形固定資産が増加しました。

 なお、当連結会計年度の設備投資額は1,002億円となりました。セグメント毎の設備投資額(有形固定資産・無形固定資産・長期前払費用)は以下のとおりです。

項目

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

増減

主な増減要因

テーマパークセグメント(億円)

777

608

169

 

 

東京ディズニーランド(億円)

116

30

85

駐車場施設、メインエントランスの改修、東京ディズニーランド大規模開発の減

 

東京ディズニーシー(億円)

449

411

38

ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームズ~の減

その他(億円)

211

166

45

システム投資の減

ホテルセグメント(億円)

267

377

110

ファンタジースプリングスの開発の増

その他(億円)

38

19

18

モノレール事業の減

消去又は全社(億円)

3

3

 

合計(億円)

1,083

1,002

80

 

 

 (負債の部)

 当連結会計年度は、社債の発行を行ったことなどにより、有利子負債が増加しました。

 

 (純資産の部)

 当連結会計年度は、自己株式が増加したことなどにより、純資産は減少しました。

 

(経営成績に関する認識及び分析・検討内容)

 当社グループにおいては、前期に続き「遊園地・テーマパークにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」や政府・自治体からの要請に基づいて、当社グループの運営する東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの入園者数を制限して営業いたしました。なお、自治体との協議により3月1日以降は入園者数の制限を緩和することが認められ、入園者数を段階的に引き上げた運営を行いました。

 当連結会計年度も入園者数を制限して運営していたものの、前第1四半期連結会計期間においては両パークを臨時休園していたことなどからテーマパーク入園者数は増加し、東京ディズニーシー20周年イベントの効果などによりゲスト1人当たり売上高も増加いたしました。その結果、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも増加いたしました。

 セグメントごとの要因は次のとおりです。

 

(テーマパーク)

 当連結会計年度もゲスト・キャストの安心・安全を最優先に、「遊園地・テーマパークにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」や政府・自治体からの要請に沿った対策を講じて運営いたしました。テーマパークの運営に制限がある中においても、2021年4月には東京ディズニーランドで「ファンタジーランド・フォレストシアター」のオープンやデイパレード「ドリーミング・アップ!」の再開、東京ディズニーシーで「ビッグバンドビート」の公演を再開するなど、ゲストの体験価値や売上の向上に寄与する施策を実行いたしました。また、東京ディズニーシーでは、9月4日から「東京ディズニーシー20周年:タイム・トゥ・シャイン!」を開催し、好評を博しました。

 入園者数は、上記に加え、前第1四半期連結会計期間に両パークを臨時休園していたことや当第4四半期連結会計期間に政府・自治体からの要請内容が緩和されたことなどから増加いたしました。加えて、ゲスト1人当たり売上高も、変動価格制の高価格帯チケットの構成比の増加や東京ディズニーシー20周年関連商品やメニューの販売が好調であったことなどにより増加いたしました。それらの結果、売上高は大幅に増加いたしました。

 各費用については、前期に特別損失への振替があったことなどから増加したものの、売上高の増加により営業損益は黒字に転換いたしました。

 

(ホテル)

 売上高は、前第1四半期連結会計期間にディズニーホテルを臨時休館していたことなどから、当連結会計年度は宿泊収入が増加し、増収となりました。

 各費用は前期に特別損失への振替があったことなどから増加したものの、売上高の増加により、営業損益は黒字に転換いたしました。

 

(その他)

 売上高は、前期の一部期間においてイクスピアリが臨時休業していたことやテーマパークの臨時休園の影響によりモノレール事業の売上高が減少していたことなどから、増収となりました。

 売上高が増加したことにより、営業損失は改善いたしました。

 

中長期的な目標に照らした経営者の分析・評価

 2020中期経営計画期間は終了したものの、新型コロナウイルス感染症の流行により先々の経営環境が不透明な状況であったため、2021年度は「新たな視点や考え方に向けて検証する準備期間」と位置づけ、これを踏まえた新たな中期経営計画を策定する期間となりました。したがって、中期経営計画に照らした経営者の分析・評価にあたる記載事項はございません。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、129,868百万円(前期末残高165,317百万円)となりました。各キャッシュ・フロー分析は次のとおりです。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、54,602百万円(前年同期△23,834百万円)となりました。前年同期に比べ、収入が増加した要因は、前第1四半期連結会計期間に臨時休園していたことや、当第4四半期連結会計期間に政府・自治体からの要請内容の緩和等により入園者数が増加したことで、売上高が増加したことなどから、税金等調整前当期純利益を計上したことなどによります。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、△138,984百万円(同△160,738百万円)となりました。前年同期に比べ、支出が減少した要因は、短期で運用しておりました定期預金の払戻による収入が増加したことなどによります。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、48,933百万円(同88,724百万円)となりました。前年同期に比べ、収入が減少した要因は、発行済みの社債を一部償還したことなどによります。

 今後の当社グループの事業活動における資金需要の主なものとしては、東京ディズニーシーにおける「ファンタジースプリングス」の開発(2023年度開業予定、投資予算額 約2,500億円)、東京ディズニーランドにおける「スペースマウンテン」および周辺環境の一新(2027年開業予定、投資予算額 約560億円)を予定しております。これらにより、東京ディズニーリゾートのより一層の進化を図ります。

 当社グループの事業活動を行う上で必要となる運転資金及び設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローを主とした内部資金、金融機関等からの借入金、社債発行による資金を主な財源とする予定であります。

 多くの従業員を抱えながら、パークの持続的な成長に不可欠な大規模投資を進めるため、当連結会計年度は次の通り社債を発行いたしました。2023年度開業予定の「ファンタジースプリングス」など、長期的な設備投資に対する設備投資資金として、2020年9月の1,000億円に続いて、2021年9月に500億円、2022年1月に300億円を調達いたしました。

 他方、新型コロナウイルス感染症の影響長期化に備えた資金繰りの対応として、2020年5月に金融機関との間で2,000億円のコミットメントライン契約を締結し、機動的に資金調達が可能な体制を整えておりましたが、上述の社債発行状況や事業の状況等に鑑み、2021年12月30日に1,000億円への減額を実行し、さらに2022年3月31日に全額終了いたしました。

 その他、地震災害等の有事に対しても、2019年1月の社債発行による手元資金500億円、及び「地震リスク対応型コミットメント期間付タームローン」1,500億円により備えております。

 引き続き、全社をあげて有事に対して盤石な備えを実現しつつ、コストの精査・コントロールを継続していくことで、着実な財務基盤の強化を進めております。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等

(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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