(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が第6波まで繰り返される中、まん延防止等重点措置の影響により経済活動の回復が遅れる等、先行き不透明な状況が続きました。
他方、世界経済においても、新型コロナウイルス感染症の影響に加え、国際紛争や金融資本市場のリスクの拡大、物価の上昇等が生じ、先行き不透明な状況が続きました。
このような状況の中、当社グループにおいては、日本国内において、政府や自治体からの要請に従った営業の自粛を行いつつ、感染防止対策の実施を徹底することで、安心してご利用いただける環境を整備し、お客様の来場機会の確保に努めました。
当連結会計年度の企画といたしましては、「ボウリング・カラオケ学生甲子園 ONLINE」や「ファンイベント」等、ボウリングエリアやカラオケルームを双方向のライブ映像・音声でつなぐサービスである「ROUND1 LIVE」を利用した企画を引き続き実施したほか、「呪術廻戦」とのコラボレーションキャンペーンの実施や、世界最大級のクレーンゲームフロアを展開する新業態「ギガクレーンゲームスタジアム」のオープンを進める等、新たな顧客層の開拓に努めました。また、オンライン上での収益基盤の構築に向けた新たな事業として、2021年4月よりオンラインクレーンゲーム「クレッチャ」を開始いたしました。
他方、米国において、営業基盤を拡大すべく、新たに2021年4月にバンクーバー店(ワシントン州)、同年6月にクエイルスプリングス店(オクラホマ州)を出店いたしました。
また、米国に続く成長戦略として、中華人民共和国において2021年5月に広州新塘イオンモール店(広東省広州市)、同年10月に深圳龍華壹方天地店(広東省深圳市)、同年12月に上海宝山日月光店(上海市)を出店いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高96,421百万円(前年同期比58.2%増)、営業損失1,726百万円(前年同期は営業損失19,286百万円)、経常利益5,360百万円(前年同期は経常損失19,811百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益3,937百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失17,973百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
オンラインクレーンゲーム「クレッチャ」のサービスを開始したほか、一部店舗においてクレーンゲーム機を大幅に増台し、世界最大級のクレーンゲームフロア「ギガクレーンゲームスタジアム」への改装を順次行いました。また、2021年10月にイーアス春日井店(愛知県春日井市)を出店いたしました。そのほか、ラウンドワンオリジナル音楽ゲーム「DANCE aROUND」、「クロノサークル」、「テトテ×コネクト」等の最新アミューズメント機種を積極的に導入いたしました。
以上の結果、ボウリングは前年同期比11.4%増、アミューズメントは同20.5%増、カラオケは同2.5%増、スポッチャは同43.5%増となりました。
(米国)
営業基盤を拡大すべく、2021年4月にバンクーバー店(ワシントン州)、同年6月にクエイルスプリングス店(オクラホマ州)を出店いたしました。また、昨今の経済状況を勘案しアミューズメント利用料金等の見直しを行ったほか、州政府から個人への経済支援政策等の外的要因の影響を強く受けた結果、売上高は好調に推移いたしました。
以上の結果、ボウリングは前年同期比371.3%増、アミューズメントは同300.6%増、カラオケは同345.5%増となりました。
(その他)
その他の事業セグメントにおいては、日本・米国以外の地域に出店準備を進めております。
なお、中華人民共和国において、2021年5月に広州新塘イオンモール店(広東省広州市)、同年10月に深圳龍華壹方天地店(広東省深圳市)、同年12月に上海宝山日月光店(上海市)を出店いたしました。これらの店舗は、連結子会社である中華人民共和国現地法人、朗玩(中国)文化娯楽有限公司による出店です。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローで28,304百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローで8,473百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローで19,302百万円減少しました。これらの結果、現金及び現金同等物は期首と比べて1,464百万円増加しております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は28,304百万円で、その主な内訳は、税金等調整前当期純利益4,272百万円の計上、減価償却費16,445百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は8,473百万円で、その主な内訳は、有形固定資産の取得による7,259百万円の支出及び関係会社株式の取得による1,257百万円の支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は19,302百万円で、その主な内訳は、リース債務の返済による9,601百万円の支出、長期借入金の返済による16,531百万円の支出、自己株式の売却による8,029百万円の収入及び配当金の支払による1,841百万円の支出によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
該当事項はありません。
ロ 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績は、次のとおりであります。
区分 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
(日本) |
|
|
プロショップ用品、飲食商品(百万円) |
1,474 |
101.8 |
(米国) |
|
|
プロショップ用品、飲食商品(百万円) |
924 |
387.4 |
報告セグメント計(百万円) |
2,398 |
142.2 |
その他(百万円) |
7 |
795.1 |
合計(百万円) |
2,406 |
142.5 |
(注)仕入実績はサービス別に区分しておりません。
ハ 受注実績
該当事項はありません。
ニ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
区分 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
(日本) |
|
|
ボウリング収入(百万円) |
14,022 |
111.4 |
アミューズメント収入(百万円) |
33,954 |
120.5 |
カラオケ収入(百万円) |
3,640 |
102.5 |
スポッチャ収入(百万円) |
9,415 |
143.5 |
その他付帯収入(百万円) |
2,692 |
110.2 |
小計(百万円) |
63,725 |
119.5 |
(米国) |
|
|
ボウリング収入(百万円) |
3,679 |
471.3 |
アミューズメント収入(百万円) |
24,223 |
400.6 |
飲食・その他付帯収入(百万円) |
4,231 |
547.8 |
小計(百万円) |
32,134 |
422.8 |
報告セグメント計(百万円) |
95,859 |
157.3 |
その他(百万円) |
561 |
- |
合計(百万円) |
96,421 |
158.2 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
また、連結財務諸表の作成に当たりまして採用した重要な会計方針や見積りの評価等に関しましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりであります。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 財政状態及び経営成績
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりです。
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ7,122百万円増加の157,698百万円となりました。この要因は、現金及び預金の増加1,464百万円、未収入金の減少1,252百万円等による流動資産の増加283百万円、アミューズメント機器(純額)の増加2,338百万円、関係会社株式の増加1,294百万円、使用権資産(純額)の増加1,733百万円等による固定資産の増加6,838百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ6,588百万円減少の103,095百万円となりました。この要因は、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更による契約負債の増加2,084百万円、リース債務の増加1,029百万円、未払金の増加921百万円、未払法人税等の増加933百万円等による流動負債の増加5,489百万円、長期借入金の減少16,286百万円、リース債務の増加3,050百万円等による固定負債の減少12,077百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ13,710百万円増加の54,603百万円となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益3,937百万円の計上等による利益剰余金の増加2,028百万円、自己株式の減少5,340百万円、為替換算調整勘定の増加3,213百万円等によるものであります。
2)経営成績
・日本
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による政府や自治体からの営業時間短縮等の要請に従い営業の自粛を行ったものの、消費者マインドが緩やかに回復傾向に推移した影響を受け、前連結会計年度に比べ10,393百万円増加の63,725百万円(前年同期比19.5%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による政府や自治体からの営業時間短縮等の要請に従い営業の自粛を行ったものの、消費者マインドが緩やかに回復傾向に推移したことによる影響及び自治体からの協力金等の支給を受け、前連結会計年度に比べ15,870百万円増加の4,382百万円(前年同期は経常損失11,487百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による政府や自治体からの営業時間短縮等の要請に従い営業の自粛を行ったものの、消費者マインドが緩やかに回復傾向に推移したことによる影響及び自治体からの協力金等の支給を受けたこと、また経済産業省が定める事業適応計画の認定による特例措置等を勘案した結果、前連結会計年度に比べ13,434百万円増加の3,540百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失9,893百万円)となりました。
・米国
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、州政府や郡からの休業や営業時間短縮等の要請に従った影響を受けたものの、州政府からの個人への経済支援政策等の外的要因の影響を強く受けたほか、経済が回復傾向に推移したことを受け、前連結会計年度に比べ24,534百万円増加の32,134百万円(前年同期比322.8%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、州政府や郡からの休業や営業時間短縮等の要請に従った影響を受けたものの、州政府からの個人への経済支援政策等の外的要因の影響を強く受けたほか、経済が回復傾向に推移したことを受け、前連結会計年度に比べ10,880百万円増加の3,160百万円(前年同期は経常損失7,719百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、州政府や郡からの休業や営業時間短縮等の要請に従った影響を受けたものの、州政府からの個人への経済支援政策等の外的要因の影響を強く受けたほか、経済が回復傾向に推移したことを受け、前連結会計年度に比べ9,175百万円増加の1,699百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失7,475百万円)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フローの関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
自己資本比率(%) |
53.1 |
53.3 |
47.8 |
27.0 |
34.4 |
時価ベースの 自己資本比率(%) |
150.4 |
113.7 |
39.4 |
73.3 |
81.7 |
キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) |
1.2 |
1.6 |
2.2 |
- |
2.5 |
インタレスト・カバ レッジ・レシオ(倍) |
48.9 |
44.2 |
42.6 |
- |
34.1 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
① いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
② 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
③ キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
④ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
⑤ 2021年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりです。
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの店舗運営に係る人件費、賃借料、設備維持管理費、その他運営に係る費用があります。また、設備資金需要としては、ボウリング機器やアミューズメント等の営業設備への投資や新規出店する店舗の建物や内装への投資があります。
(財政政策)
当社グループは、営業活動により獲得した自己資金等を海外の新規出店への投資や事業活動の維持拡大に必要な資金としております。また、リース取引を活用することで財政状態の安定化を図っております。運転資金及び設備資金につきましては、当社グループ会社が個別に管理を行っており、その重要な投資判断は当社取締役会が行っております。
なお、株主への還元については「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
ロ 財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、ボウリングやアミューズメント等の多種多様なアイテムにより構成された屋内型複合レジャー施設を日本国内及び米国を中心に展開しております。
当社グループが持続的に成長するためには、既存店舗の発展と新規店舗の出店が大きな要因となります。また、その他の要因に関しましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
ハ 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び検討内容
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針、経営戦略、経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。
ニ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは収益基盤を拡大すべく、海外への出店数を重要な指標としております。また、海外への新規出店を行ううえで、自己資本での投資を行うために、継続的な収益の獲得が必要となります。そのため、当社グループは海外への新規出店と事業の収益構造の改善を重要な課題と位置づけ、海外への新規出店数・総売上前年対比・売上高経常利益率を重要な指標としております。これらの指標を基礎として市場の現状に則した経営戦略・各種企画を策定し、取締役会等での決議を基にこれを実施しております。
また、当連結会計年度の海外への新規出店数は5店舗(前年同期6店舗)、総売上高前年対比は58.2%増(前年同期41.8%減)、売上高経常利益率は5.6%となっております。なお、前連結会計年度の売上高経常利益率は経常損失のため記載しておりません。
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