課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社の経営の基本方針は、創業以来極めて明確で、「XNETサービス」を推進していくことです。当社は業務に密着した、ITサービス企業であり続けます。

 そこで、具体的な方針として以下のような目標を掲げ、全社を挙げて取り組んでおります。

 

<eXcellent Companyとして当社が目指すもの>

 「資産運用のワンストップ・ソリューション・カンパニー」としてお客様のあらゆるご要望に対してソリューションを提供できる会社になるという方針です。

 

 そのために今、当社の社員が取り組むべきことは以下の3つです。

 

①ニーズへ応えるサービスの提供

 お客様への感度を高め、業務のアウトソーシング、基盤サービスなど業界やお客様によって多様化しつつあるニーズを捉え、最適なサービスをタイムリーに提供する。

②新たなお客様の獲得

 地道な営業活動、新しいサービスの創造、NTTデータグループを始めとする協業会社とのコラボレーションにより業界シェアを伸ばし、サービス提供会社の使命を全うする。

③プロフェッショナルな人財への成長

 現場に「より近いサービス」の提供、専門知識の吸収、日々の課題解決、自己研鑽を通じ、業界・業務に精通した高度なノウハウ・知識を持った人財を目指す。

 

 そして、資産運用業界で選ばれ続けるサービスを創造し、未来に続く会社になりたいと考えて日々努力を続けております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

 当社の主要なサービス提供先である資産運用業界は、有価証券市場等の騰落が全体の業績に大きな影響を及ぼすものの、機関投資家が運用する年金資産や保険掛金等の資産の運用のためには不可欠な業界であります。また、我が国が掲げるスローガン「貯蓄から投資へ」の流れもあり、より拡大・発展が見込まれる業界と捉えています。

 この資産運用業界において、有価証券管理システムを提供するベンダーは決して多くなく、当社はその中でも安価で高品質なサービス(XNETサービス)を提供するベンダーとして高く評価されています。

 また、昨今の機関投資家においては、管理コスト低減を主な目的とし、有価証券管理業務やシステム保守業務を外部委託するケースが増加しております。この流れは、今般の新型コロナウイルス感染症の発生によって、機関投資家の事務継続リスクが注目されることで、より加速する可能性があります。

 このような経営環境のもと、当社は以下のような戦略で一層の業容拡大を図ります。

 お客様とコラボレーションしながら「XNETサービス」を発展させていく方針に変更はありません。そもそも、「資産運用のワンストップ・ソリューション・カンパニー」になるためには、資産運用に関するお客様のあらゆるニーズに応える必要があります。

 当社の主力であるアプリケーションサービスに加えて、以下の2つのサービスにも積極的に取り組んでまいります。

 

・具体的には、お客様の業務を理解するために以下のサービスは特に重点的に取り組みます。

①AMO(Application Management Outsourcing)サービス=システム運用受託

当社から人材を提供して、お客様の社員の代わりに業務を行います。

具体的には、システム導入や基盤の運用保守・更改などです。

②SO(Smart Outsourcing)サービス=業務プロセス受託

お客様から当社へ業務移管をする形となり、業務そのものを引き取ります。

具体的には、経理処理やレポート作成などです。

※ 特にSOサービスは、今後当社のアプリケーションサービスに次ぐ、2つ目の柱となると考えております。

 

・主力のアプリケーションサービスの中では、当社が資産運用業界で圧倒的な強みを持つか、または当社にしかできない重要な戦略サービスとして、以下のサービスを積極的に展開します。(5本の矢)

①機関投資家向けのスチュワードシップ・ソリューション・サービス

②生損保向けの有価証券IFRS管理サービス

③投資顧問向けのSOサービスの中のレポート作成サービス

④投信会社向けの国内籍外貨建投信計理サービス

⑤地方銀行向けの個人向け信託管理サービス

* これらに加えて、現在当社が力を入れている「生損保向けの融資管理サービス」と「生損保向けのSOサービス」にも積極的に取り組んでまいります。また、「投信・投資顧問向けの会社設立支援サービス」にも力を入れてまいります。

 

・お客様のあらゆるニーズにお応えするために、NTTデータグループとしての連携強化を図り、具体的な体制を実現させます。既に地方銀行向けの個人向け信託管理や有価証券管理では親会社及びグループ各社との連携のもと、当社サービスが浸透し始めるなど、確実にシナジー効果が表れてきておりますが、今後も更なる連携強化を進めてまいります。

 

・グローバルな視点で資産運用業界の現状や変化を確認するために、コロナの状況を見極めた上で、海外への視察やグローバルなアライアンスも検討を進めてまいります。

 また、セミナーなどを通じてその情報を発信していきます。

 

 以上の方針のもと、より経営基盤を強固とし、企業価値を高めていくため、当社における「コア」(アプリケーションサービス、月額のAMOサービスおよび、SOサービス)売上の拡大を目指します。

 

 そして、当社の目指すことは以下の2つであると考えています。

 

 * 資産運用業界の業務の先生になる。

 * 資産運用業界の更なるコストダウンを実現する。

 

 具体的には、資産運用業界のコストを下げ、そして、業務のプロまたは先生として、フロントからミドル・バックまでのあらゆる業務について、お客様から相談して頂けるワンストップ・ソリューション・カンパニーになるということです。

 しかも、当社がすべてのソリューションを持つのではなく、お客様が望むどのサービス、どのシステムともつなぎ、共生する、いわゆる「資産運用業界のエコシステム・オーケストレーター」になることです。

 そのことが最終的には、日本国民全体の財産の形成に貢献できると信じております。それを実現することこそが「エックスネットの使命」なのです。

 もう一つ、お伝えしたいことは、2022年4月の東証新市場区分において、当社の現状と将来の見通し、加えて市場のコンセプトも踏まえ、当社は「スタンダード」市場を選択しました。

 今後は、当社のペースでプライム市場の基準に適合する企業を目指して、企業価値向上と成長戦略を明確にし、加えてガバナンス向上、株主還元等の資本政策の検討・実施も行ってまいります。

 これらの方針についての詳細は、2022年6月16日公表の中期経営計画のなかで説明しております。

 

(3)目標となる経営指標

 当社は、2022年6月16日公表の中期経営計画のなかで、以下の目標を掲げております。

 ①2026年3月期において、コア売上高50億円の達成

 ②営業利益率15.0%以上

 ③ROE8.0%以上

 今後は、これらの目標の達成に向け、当社の基本方針および経営戦略に基づき行動してまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

 当社の対処すべき課題は2つです。

 一つは、上記のXNETの使命を果たすために、大切なものは社員の人財力アップです。

 ただ、これは社員に研修をしたり、鍛えることだけで成し得るのは難しいと考えております。

 そこで、新たな人財を確保していきます。XNETの社風や文化を理解している人達を積極的に採用し、社内で融合しながら、そのスキルをレベルアップしていきます。

 具体的には以下の方々です。

 ・資産運用業界で長年活躍したベテランや定年退職者など業界に恩返しをしたい人の雇用

  * 特にSOサービスを展開していくには、不可欠な人材と考えております。

 ・資産運用業界出身者で、育休や子育て後の女性や会社都合による離職者の雇用

 ・誰もが認める高いスキルと高い意欲を持っている元社員の再雇用

 ・当社に籍を置き、当社の社風・文化をこよなく愛す人(派遣社員等)の採用

 ・高校新卒の採用

 もう一つの課題は、その人財の成長です。

 具体的には、まず、社員の「働きがい」「働きやすさ」を実現するために、様々な施策を実施していきます。それは単なる「働き方改革」ではなく、社員一人ひとりが自覚・自律して、どのように効率良く成果を出すかという生産性向上を意識したものです。

 つまり、成果をいかに実現するかを意識した「成果実現改革」を目指していきます。

 

(5)新型コロナウイルス感染症の影響

 国内外に影響を及ぼしている新型コロナウイルス感染症の当社事業への影響としては、当社の「XNETサービス」を中心とした事業の特性上、直接的には重要な影響を受けておりません。

 結果として業績面は堅調に推移しており、2022年3月期は前期比増収増益となり、2023年3月期におきましても、安定した経営成績を見込んでおります。

 財務面では、引き続き無借金、かつ、高い自己資本比率(84.6%)を維持しております。また、当社の現金換金可能資産は64億円強となり、1年前よりも約8億円増加しており、事業継続に必要な資金は十分に確保しております。

 業務面では、今後の「新しい日常」の中で、お客様の大切なデータを扱う会社として、セキュリティを高めたテレワーク体制の確立が重要となると認識し、引き続き検討を進めているところであります。

今後とも、当社はコロナに負けない会社であり続けるよう努力を続けてまいります。

 

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