課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、韓流ビジネスを主軸としたメディアコンテンツ企業として、人々の生活をより楽しく、より豊かにし、社会貢献することを経営理念としております。そして①常に利用者・顧客の視点に立ったサービスに努め、②社員をはじめとした構成員の自主性を尊重し、その資質を充分に発揮できる企業文化の育成に努め、③社会、株主、取引先、構成員等のステークホルダーに対し中長期的観点に立って利益の還元を行えるよう収益の確保と拡大に努め、企業価値向上を経営の基本方針としております。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループの事業は、アーティストの活動(コンサートやイベントの開催時期、規模、回数)、大型ドラマ版権の市場価格・流通時期等による事業化の状況、放送事業はドラマ等の番組購入価格や放映時期等より、年度毎の業績変動が大きくなる傾向があります。当社は各事業の収益をプロジェクト単位で管理することで迅速な経営判断を行い、事業により利益率の差はありますが、全体での営業利益、営業利益率などの向上を目標としております。

 また、高度の成長が期待される分野への経営資源の投入、効果効率を徹底的に追求した戦略的資源配分を行うことにより、激変する市場環境の中で売上高を伸張させ、利益を確保し続ける強固な企業体質を構築することを目指してまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、2020年8月にエスエム・エンタテインメント・グループ所属アーティストのマネジメントやイベント開催を主な事業とする株式会社SMEJとの吸収合併を機に、総合メディアコンテンツ企業として事業IPと事業ポートフォリオを拡大してまいりました。

 今後はアーティストラインナップの拡充と当社の強みでもあるIPコンテンツビジネスの更なる強化を推進し、2022年度は新型コロナウイルス感染症の影響からの回復期、2023年度以降は成長期と捉え、事業並びに利益の拡大を目指してまいります。

 

(4) 経営環境

 今後のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の新たな変異株が確認される等、未だ先行き不透明な状況が続いておりますが、感染対策に万全を期し、経済社会活動を継続していく中で各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気の持ち直しが期待されております。当社グループにおきましても、当面の間は新型コロナウイルス感染症の新たな変異株による影響を受けざるを得ない状況が続くと予想されますが、上半期後半からは徐々に通常のビジネスを再開させ、大型オフラインイベント開催への準備を進めてまいります。国内での韓国コンテンツ需要は今後においても引き続き高い人気を維持し、視聴ニーズの沸騰や版権価格の高騰が予想される中、様々な映像プラットフォームで韓国コンテンツの放送・配信がなされるなど顧客の囲い込み競争が熾烈さを増しております。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループでは、放送事業におきましては、郵送コストのかかる加入者用冊子をWEBサービスへ移行、『KNTV』や『Beyond LIVE』といった新規事業へ人員の配置転換の実施により映像配信サービスと放送サービスのシナジーを強化し、デジタル化を推進する等、引き続き業績回復に向けた収益構造の改善を図ってまいります。ライツ事業におきましては、特に韓国コンテンツの価格高騰や市場供給量の減少により以前に比べて版権の獲得が厳しい状況におかれています。日本で人気の高い俳優が出演する作品や需要の高い時代劇といった作品の権利獲得・販売のみならず、市場は小規模ながらここ近年人気を高めている中国や台湾等の他アジア圏における良質なコンテンツの獲得・販売にも注力してまいります。また、当社の強みである放送事業者への販売網に加え、配信サービスのニーズも高まっていることから、配信サービス事業者への営業を内製化し関係の強化を図り、利益構造の改善を推進してまいります昨年12月に独自のプラットフォームをロンチングした『Beyond LIVE』におきましては、本年1月1日に開催された『SMTOWN LIVE 2022』を配信し、161ヵ国から数多くの視聴者を集めました。他のプラットフォームに比べ接続の安定性が高く、多言語字幕も提供したことで全世界からのK-popファンから高評価を得ております。今後もオンラインコンサートならではの特色あるコンテンツを含め、既に昨年12月から開始しているオフラインコンサートの同時配信も回数を増やし、配信を拡大してまいります。エンターテインメント事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を特に大きく受け厳しい状況が続いておりますが、上半期後半からは政府のガイドラインに沿った上での大型オフラインコンサートの開催を予定し、本年5月、NCT127初のドームツアー『NCT127 2NDTOUR NEOCITY JAPAN-THE LINK』を発表する等、段階的な実績回復を進めてまいります。併せて、オフラインコンサートの再開に伴い音楽事業・MD事業も徐々に再開させビジネスの正常化を目指すとともに、オフラインイベントとオンラインイベントの同時開催も行う等、シナジーを発揮させた利益拡大に向け最善を尽くしてまいります。

 

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