業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動の制限が徐々に緩和されつつあるものの、ウクライナ情勢などによる先行きの不透明感もみられる中で、企業収益や雇用情勢においては引き続き持ち直しの動きに弱さがみられるなど、依然として厳しい状況が続いております。

 このような状況において、当社は3つの経営ビジョンの下(※1)、卵殻膜商品の更なる認知度向上を狙った広告運用強化等により、直販の新規顧客獲得が好調であったほか、外販ではOEM先への出荷が前年同期比で増加する等、順調に推移しました。

 その結果、当事業年度の経営成績は、売上高5,365,098千円(前年同期比18.0%増)、営業利益835,732千円(前年同期比58.6%増)、経常利益836,570千円(前年同期比55.8%増)、当期純利益582,212千円(前年同期比58.2%増)となりました。

※1・先進諸国に到来する高齢化社会において、人々の健康、若さ、そして美しさの維持・向上による“生活の質”の向上という根源的なニーズに、“卵殻膜”を通じて貢献する。

・卵殻膜の多機能な効果及び効能を科学的に解明し、常にユニークで最高品質の商品開発にこだわり、それを世界に提供する。

・“卵殻膜”で、美容と健康分野において、新しい価値観を浸透させる。

 なお、当社は卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っておりませんが、売上高の販売チャネル別の内訳は、以下のとおりであります。

 

販売チャネル

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

増減額

(千円)

前年同期比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

TV通販

1,478,594

32.5

1,356,044

25.3

△122,549

91.7

外販

(一般流通)

235,610

5.2

248,205

4.6

12,595

105.3

外販

(OEM販売)※2

1,117,830

24.6

1,742,440

32.5

624,610

155.9

直販(EC)

1,715,872

37.7

2,018,407

37.6

302,534

117.6

合計

4,547,908

100.0

5,365,098

100.0

817,190

118.0

※2 OEM販売額のうち、インターネット販売を主としているOEM先への売上高

 

②財政状態の状況

(資産)

 当事業年度の流動資産は3,170,898千円となり、前事業年度末と比較して383,352千円増加しました。これは主に、受取手形が490,503千円、商品が143,181千円増加し、売掛金が326,354千円減少したことによるものです。固定資産は192,923千円となり、前事業年度末と比較して4,429千円減少しました。これは主に、ソフトウエアが10,239千円増加し、ソフトウエア仮勘定が10,945千円、特許権が2,852千円減少したことによるものです。

 以上の結果、総資産は3,363,822千円となり、前事業年度末と比較して378,922千円増加しました。

 

(負債)

 当事業年度の流動負債は642,929千円となり、前事業年度末と比較して2,415千円増加しました。これは主に、未払法人税等が41,740千円増加し、未払消費税等が20,024千円、未払金が15,298千円減少したことによるものです。固定負債は32,635千円となり、前事業年度末と比較して5,482千円増加しました。これは主に、退職給付引当金が6,380千円増加し、リース債務(長期)が897千円減少したことによるものです。

 以上の結果、負債合計は675,564千円となり、前事業年度末と比較して7,897千円増加しました。

 

(純資産)

 当事業年度の純資産は2,688,257千円となり、前事業年度末と比較して371,024千円増加しました。これは主に、利益剰余金が257,622千円増加し、自己株式が81,662千円減少したことによるものです。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ42,469千円増加し、1,175,740千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益836,570千円、売上債権の増加額164,149千円、棚卸資産の増加額181,890千円、法人税等の支払額215,510千円等により260,421千円の収入となりました(前事業年度は653,956千円の収入)。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出9,925千円等により9,725千円の支出となりました(前事業年度は13,105千円の支出)。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出299,937千円、新株予約権の行使による収入51,660千円、自己株式の売却による収入40,480千円等により208,227千円の支出となりました(前事業年度は50,836千円の支出)。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.仕入実績

当事業年度における仕入実績は、次のとおりであります。

区分

当事業年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

完成品(千円)

1,534,939

139.5

部材(千円)

721,705

147.5

合計(千円)

2,256,645

142.0

 (注)1.当社は、卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、仕入実績は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。

2.金額は仕入価格によっております。

 

c.受注実績

当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

d.販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

販売チャネル別

当事業年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

TV通販(千円)

1,356,044

91.7

外販(一般流通)(千円)

248,205

105.3

外販(OEM販売)※(千円)

1,742,440

155.9

直販(EC)(千円)

2,018,407

117.6

合計(千円)

5,365,098

118.0

※OEM販売額のうち、インターネット販売を主としているOEM先への売上高

 

 (注)1.当社は、卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、販売実績は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

当事業年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社オージオ

1,044,954

23.0

1,683,433

31.4

株式会社QVCジャパン

1,478,594

32.5

1,347,076

25.1

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これら財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。

当社は、特に以下の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が重要であると考えております。

 

商品の収益性の低下による帳簿価額の切下げ

 商品の収益性の低下による帳簿価額の切下げに際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 財政状態の分析

 当事業年度末における財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。

 

b 経営成績の分析

 (売上高)

当事業年度の売上高は、5,365,098千円となり、前事業年度に比べ817,190千円増加しました。前期の減収要因となったOEM先の滞留在庫が解消し、取引量が復調したことで、外販(OEM販売)の売上高が大幅な増加となりました。また、直販(EC)においても、新規顧客獲得が好調に推移し、会員数が年間を通じて増加したことにより、売上高は前事業年度を上回りました。

 

 (売上原価、売上総利益)

売上原価は、2,044,076千円となり、前事業年度に比べ300,254千円増加しました。売上高の増加に伴い、売上総利益は、3,321,022千円となり、前事業年度に比べ516,935千円増加しました。

 

 (販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は、2,485,290千円となり、前事業年度に比べ208,240千円増加しました。これは主に、広告宣伝費増加等の影響によるものであります。この結果、営業利益は835,732千円となり、前事業年度に比べ308,695千円増加しました。

 

 (営業外収益、営業外費用及び経常利益)

営業外収益は雑収入3,290千円等により3,500千円、営業外費用は自己株式取得費用1,857千円等により2,662千円となりました。この結果、経常利益は836,570千円となり、前事業年度に比べ299,537千円増加しました。

 

 (特別利益、特別損失及び当期純利益)

特別利益、特別損失の発生はなく、この結果、税引前当期純利益は836,570千円となり、前事業年度に比べ299,537千円増加しました。

また、法人税等合計が254,357千円、当期純利益は582,212千円となり、当期純利益は前事業年度に比べ214,251千円増加しました。

 

c キャッシュ・フローの分析

 当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

④ 経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の給与手当の他、販売費及び一般管理費の営業費用であります。

 当社は、事業運営上必要な資金を流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入やリースによる調達を基本としております。

 なお、当事業年度末における有利子負債の残高(リース債務含む)は72,792千円、有利子負債依存度(リース債務含む)は2.2%と低い水準にあり、事業運営上、必要な資金を安定的に確保していると認識しております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,175,740千円となっており、事業運営上、必要な流動性を確保していると認識しております。

⑥経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、売上高、売上総利益及び営業利益を重要な経営指標として位置付けております。

 前事業年度及び当事業年度の経営指標は、次の通りであります。売上高、売上総利益及び営業利益はいずれも、当事業年度においては前事業年度を上回っております。今後も定期顧客会員数の拡大や新商品の開発、コスト削減等を図り、売上高、売上総利益及び営業利益の拡大に努めてまいります。

 

前事業年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

当事業年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

売上高

4,547,908

78.5

5,365,098

118.0

売上総利益

2,804,087

77.7

3,321,022

118.4

営業利益

527,037

53.5

835,732

158.6

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