業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2021年7月1日~2022年6月30日)における世界経済は、米国の4~6月期は、資源の値上がりに伴う物価高で個人消費が減速し、2四半期連続のマイナス成長となりました。欧州では3月以降、ウクライナ危機に伴う物価高騰や供給制約により、回復ペースが弱まっています。また、中国では3月以降、ゼロコロナ政策の影響を受けて経済が落ち込みました。今後も中国各地で活動制限が強化されれば、消費や生産の停滞が続くと見込まれます。

日本経済の実質GDPは、4~6月期は新型コロナウイルス感染縮小により回復し、サービス消費や設備投資が上向いたものの、鉱工業生産は足踏みとなりました。この様な状況の下、6月の経済の基調判断は「景気は、持ち直しの動きがみられる。」に据え置かれました。

この間の当社グループを取り巻く事業環境は、自動車国内生産が、上海のロックダウンの影響による部品供給不足から、4~5月に生産調整を余儀なくされました。この環境下において、当社グループの主要販売先である自動車機器業界からの受託額は減少、光学機器業界は増加、電気・電子部品業界は減少となりました。

この結果、当連結会計年度の当社グループ業績につきましては、売上高は3,666百万円、営業利益は448百万円(前連結会計年度比0.9%減)、経常利益は741百万円(前連結会計年度比1.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は575百万円(前連結会計年度比27.2%増)となりました。営業利益につきましては、当該期間の製造費用の増加のため前連結会計年度比減益、そして経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、この期間の為替差損益の良化(前連結会計年度比49百万円増)及び特別損失の減少(同93百万円減)などが増益要因となっております。

 

当連結会計年度における営業概況は、次の通りです。

当社グループの主要販売先である自動車機器業界向けが、前連結会計年度比1.5%の減収となりました。光学機器業界向けは、前連結会計年度比18.9%の増収、電気・電子機器業界向けは、前連結会計年度比4.0%の減収となりました。この結果ドライルーブ事業の売上高は、3,666百万円となりました。

 

なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これにより、当連結会計年度と比較対象となる前連結会計年度の収益認識基準が異なるため、当連結会計年度における売上高に関する説明は、前連結会計年度と比較しての増減額及び前連結会計年度比(%)を記載せずに説明しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ208百万円増加し、4,750百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主たる増減要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、726百万円(前年同期における営業活動により得られた資金は690百万円)となりました。これは主に、資金流入では税金等調整前当期純利益740百万円、減価償却費201百万円、利息及び配当金の受取額225百万円、売上債権の減少額107百万円及びその他流動負債の増加額405百万円等、資金流出では持分法による投資利益202百万円、仕入債務の減少額437百万円、法人税等の支払額241百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、517百万円(前年同期における投資活動により得られた資金は235百万円)となりました。これは主に、資金流入では定期預金の払戻による収入534百万円、資金の流出では定期預金の預入による支出518百万円、有形固定資産の取得による支出499百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、37百万円(前年同期における財務活動により使用した資金は141百万円)となりました。これは主に、資金流入では長期借入れによる収入350百万円、資金流出では長期借入金の返済による支出325百万円、配当金の支払額57百万円等によるものです。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

ドライルーブ事業

3,741,974

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これにより、当連結会計年度と比較対象となる前連結会計年度の収益認識基準が異なるため、前年同期比(%)を記載しておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

ドライルーブ事業

3,590,383

320,685

 

(注) 当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これにより、当連結会計年度と比較対象となる前連結会計年度の収益認識基準が異なるため、前年同期比(%)を記載しておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

ドライルーブ事業

3,666,179

 

(注) 1.当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これにより、当連結会計年度と比較対象となる前連結会計年度の収益認識基準が異なるため、前年同期比(%)を記載しておりません。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年7月1日

至 2021年6月30日)

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ミツバ

926,693

14.5

浜名湖電装株式会社

840,571

13.2

 

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

a.有形固定資産

当社グループは、原則として、管理会計上の単位を資産グループの基準とし、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングを行っており、減損の兆候の有無の判定を行なっております。減損の兆候があった場合、将来キャッシュ・フロー等を見積り、減損の要否を判定いたします。判定の結果、減損が必要と判断された資産については、帳簿価額を回収可能価額まで減損処理いたします。将来キャッシュ・フローの見積りは合理的であると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります

b.のれん

当社グループは、のれんの簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無の判定を行っております。この判定は、のれんが配分された資金生成単位毎に将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて行っております。将来キャッシュ・フローの見積りは合理的であると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ874百万円増加し、10,634百万円(前期末比9.0%増)となりました。これは主に、現金及び預金192百万円の増加、建設仮勘定474百万円の増加及び関係会社出資金109百万円の増加等によるものです。

(負債)

当連結会計年度末の負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べ153百万円増加し、2,132百万円(前期末比7.8%増)となりました。これは主に、未払金410百万円の増加、その他流動負債195百万円の増加、長期借入金(1年内返済予定を含む)24百万円の増加及び退職給付に係る負債21百万円の増加等がある一方で、支払手形及び買掛金436百万円の減少、未払法人税等60百万円の減少等があることによるものです。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ721百万円増加し、8,502百万円(前期末比9.3%増)となりました。これは主に、利益剰余金518百万円の増加、為替換算調整勘196百万円の増加等によるものです。

これらの結果、当連結会計年度末の自己資本比率は79.9%(前連結会計年度末は79.7%)となりました。

b.経営成績の分析

当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これにより、当連結会計年度と比較対象となる前連結会計年度の収益認識基準が異なるため、当連結会計年度における売上高及び売上総利益率については、前連結会計年度比(%)及び前連結会計年度売上総利益率(%)を記載しておりません。

(売上高)

当連結会計年度の売上高は3,666百万円となりました。

当社グループの主要販売先である自動車機器業界向けが、前連結会計年度比1.5%の減収となりました。光学機器業界向けは、前連結会計年度比18.9%の増収、電気・電子機器業界向けは、前連結会計年度比4.0%の減収となりました。

(売上総利益)

当連結会計年度の売上総利益は、1,408百万円(前連結会計年度比0.2%増)となりました。

収益認識基準の変更や当該期間の製品売上構成比率が変動したことなどを一因として、売上総利益率は38.4%となりました。

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は、448百万円(前連結会計年度比0.9%減)となりました。

(経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の経常利益は、741百万円(前連結会計年度比1.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、575百万円(前連結会計年度比27.2%増)となりました。経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、営業利益に加えてこの期間の為替差損益の良化(前連結会計年度比49百万円増)及び特別損失の減少(同93百万円減)などが増益要因となっております。

c.キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

d.資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 

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