当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、基調としては新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が続きましたが、ワクチン接種が進む中で厳しさが緩和される局面もあり、世界的なデジタル需要の拡大等を背景に企業収益が改善するとともに、個人消費や設備投資を中心に持ち直しの動きも見られました。もっとも、感染症再拡大への警戒感が解消されない中で、ウクライナ情勢の緊迫化に伴う円相場の下落や物価の上昇等も加わり、景気は依然として先行き不透明感の強い状況が続いております。
当社グループを取り巻く環境につきましては、防災・減災、国土強靭化対策など建設需要の高まり等を背景に公共投資が堅調に推移しているものの、原油価格の高騰や円安の進行等の業績下押し要因に注視を要する状況が続きました。
こうした事業環境の中、当社グループは、今年度を初年度とする新たな中期経営計画『しなやか2025』を策定し、迅速かつ的確な意思決定のもと、組織一丸となって持続可能な企業グループとして成長していくことを目指し、各施策を実行してまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は78,001百万円(前期は売上高71,471百万円)、営業利益は8,566百万円(前期比6.3%減)、経常利益は9,311百万円(前期比2.8%減)となりました。税金等調整前当期純利益は9,867百万円(前期比5.5%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は6,811百万円(前期比7.1%増)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用により、売上高は507百万円減少しております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
アスファルト応用加工製品事業につきましては、原材料価格上昇への対応に加え、「長寿命化・高性能化」や「環境負荷低減」などに寄与する高付加価値製品の設計・受注活動の推進により販売拡大に努めてまいりました。売上高は25,796百万円(前期は売上高20,583百万円)となり、セグメント利益(営業利益)は6,598百万円(前期比3.2%増)となりました。
道路舗装事業につきましては、防災・減災、国土強靭化対策を始めとする工事が順調に進捗したことに加え、原価管理の強化に努めてまいりました。 売上高は51,901百万円(前期比2.6%増)となり、セグメント利益(営業利益)は4,996百万円(前期比4.1%減)となりました。
その他につきましては、不動産賃貸収入などにより、売上高は303百万円(前期比0.4%増)となり、セグメント利益(営業利益)は227百万円(前期比4.2%増)となりました。
当連結会計年度末の総資産額は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べて5,692百万円増加し、88,425百万円となりました。
(流動資産)
流動資産は、前期末に比べて4,484百万円増加して56,561百万円となりました。これは、現金及び預金が3,080百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が20,797百万円、商品及び製品が319百万円、原材料及び貯蔵品が467百万円増加、受取手形及び売掛金が20,305百万円減少したことなどによるものです。
(固定資産)
固定資産は、前期末に比べて1,207百万円増加して31,864百万円となりました。これは、建物及び構築物が608百万円、土地が305百万円、建設仮勘定が307百万円、長期預金が700百万円増加、投資有価証券が671百万円減少したことなどによるものです。
(流動負債)
流動負債は、前期末に比べて515百万円増加して19,441百万円となりました。これは、買掛金が1,315百万円増加、短期借入金が600百万円減少したことなどによるものです。
(固定負債)
固定負債は、前期末に比べて887百万円減少して908百万円となりました。これは、退職給付に係る負債が553百万円、環境対策引当金が287百万円減少したことなどによるものです。
(純資産額)
純資産は、前期末に比べて6,065百万円増加して68,075百万円となりました。これは、資本剰余金が251百万円、利益剰余金が5,661百万円増加したことなどによるものです。
この結果、自己資本比率は前期末の74.9%から77.0%となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前期末に比べて、3,980百万円増加し、27,091百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローで増加した資金は7,737百万円(前期比15.0%減)となりました。これは、税金等調整前当期純利益9,867百万円、仕入債務の増加1,756百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローで支出した資金は2,361百万円(前期比58.5%減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出3,226百万円などによるものです。この結果、フリー・キャッシュ・フローは5,376百万円のプラス(前期比1,972百万円増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローで支出した資金は1,430百万円(前期は2,512百万円の収入)となりました。これは、短期借入金の減少600百万円、配当金の支払い1,147百万円などによるものです。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 道路舗装事業、その他については、生産実績を定義することが困難であるため記載しておりません。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 道路舗装事業、その他には、商品仕入実績はないため記載しておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 その他には、受注実績がないため記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループは「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載のとおり、事業環境、事業内容、法的規制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に業界動向に留意しつつ、優秀な人材を確保し顧客のニーズに合った製品・工法を提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、「第2 [ 事業の状況 ] 3 [ 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ](1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループは、従来から製品売上・工事売上等の営業活動により多くのキャッシュ・フローを得ており、現在及び将来にわたって必要な営業活動及び債務の返済などに備えるために、自己資金のほか金融機関からの借入及びエクイティ・ファイナンス等を活用し資金調達を図っております。当社は、国内金融機関からの借入について相対での借入枠を確保しており、コミットメントラインを設定し、長期・短期のバランスを考慮して安定的に資金調達しております。当社グループは連結経営強化のため、財務機能の一元化による資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。
事業活動にかかる運転資金は、営業活動で獲得した資金を主な財源としておりますが、事業運営上必要な流動性を確保することに努め、機動的かつ効率的に使用することで金融負債の極小化を図っております。今後の投資については茨城県つくばみらい市における先進的で環境配慮型の生産・物流基地及び工事・調査センター機能を有する新規拠点の建設並びに既存拠点の整備・拡充、ICT関連とDXの推進等を進める方針であります。これら投資資金については自己資金及び金融機関からの借入により調達する予定であります。
今後とも入出金の厳格な管理により「営業活動によるキャッシュ・フロー」の拡大を実現し、財務体質の向上に努めていく所存であります。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、実績の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
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