(1) 経営方針
当社は長年にわたりゴムと樹脂の分野で顧客に満足頂ける素材製品の提供を目指して努力してまいりました。
今後も長年培った技術、ノウハウを活かしながら、企業の社会的責任や安全性に十分配慮しつつ、顧客との信頼関係を深め業績の向上を図るとともに、従業員が生き甲斐のある職場を作り上げることにより、企業価値を継続的に高めてゆくことを、経営の基本方針としております。
(2) 経営環境、経営戦略等
当社は、ゴムと樹脂の製造・販売を行っておりますが、当社の経営環境において、一部製品分野については、市場成熟分野で需要の伸びが期待できず、厳しい業界内競合が続いております。また、当社の主要取引先である自動車業界を中心に、生産に回復の動きが見られたものの、今後の国内外の感染動向や、半導体不足による自動車生産への影響、更には地政学的リスクの上昇や、原油をはじめとした資源価格の上昇等に引き続き留意が必要な状況となっております。
この様な事業環境のなかで当社の収益を維持・向上させ、株主価値の最大化を図るため、製造・開発・営業が、三位一体となって以下課題を、テーマを絞り込んで、効率的に達成してゆくことを経営戦略としております。
① 当社独自の技術やノウハウを活かした高付加価値製品の拡販を図り、当社製品の顧客とともに、新たな需要を創りあげてゆく。
② 競争激化するなか、品質の向上・安定化さらには競争力のある価格で製品提供を行うことにより、当社製品の顧客とともに既存需要を守ってゆく。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経済情勢におきましては、新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響や、海外における国際情勢の動向等様々なリスクがあり、依然不透明な状況が続くものと予想されます。このような事業環境下、当社は、自社の製品群個々の収益力を強化し、環境変化へ柔軟に対応できる収益体質の強化・確立を急ぐ必要がございます。このためには、新中期経営計画で掲げた「低収益事業の販売縮小」「高収益・成長事業の拡販・増販」「コスト構造の改善」の3つを基本方針として、各諸施策への取り組みを推進してまいります。
(1)低収益事業の販売縮小
市場・顧客動向の変化に加えて、事業採算性を吟味し、利益率の低い製品については生産・販売の見直しを行い、余剰社内資源のうち、活用できるものを高収益・成長分野へ振り向け、当該事業の採算性向上を図ります。
(2)高収益・成長事業の拡販・増販
コンパウンド事業及びゴム加工事業で重点注力すべき分野を定め、拡販・増販を推進し、事業の拡大を図ってまいります。また、これまでに培った開発・製造技術やノウハウを活かし、当社の独自の技術等の開発、発展等をより一層加速させる取り組みを積極的に進めてまいります。
1)コンパウンド事業
ゴムコンパウンドにおいては、従前からの大口受託偏重の業態を改革し、中小型案件を拡充し、特定の顧客動向及び市場環境の変化に耐えうる幅広い事業基盤を構築します。また、中小型案件の拡充においては、当社の主要株主である株式会社大阪ソーダとのネットワークを生かしつつ取り進めてまいります。
樹脂洗浄剤においては、従来からの安定した国内収益基盤を維持強化するとともに、東南アジア市場をターゲットに海外への積極的な展開をはかり、より一層の事業基盤の拡大を図ってまいります。
2)ゴム加工事業
シートにおいては、原料を社内品で供給確保できる強みを生かしつつ、国内外の協業も視野に入れながら、業界での更なるシェア拡大を図ってまいります。
マットにおいては、生産設備の改良及び要員体制を強化することにより、増産体制を構築し、業界での更なるシェア拡大を図ってまいります。
成形品においては、生産設備の有効活用を行い、新規顧客・用途向けへの拡販を推進してまいります。
(3)コスト構造の改善
業務効率化及び合理化設備投資を推進することによって、固定費の削減を実施し、外部環境変化へのレジリエンスを向上させます。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
目標とする経営指標としましては、経営基盤の一層の強化を図りつつ、安定的な配当を行うことが重要と考えることから、本業の利益獲得指標であります営業利益、ROS(売上高営業利益率)を指標としております。
新中期経営計画(2022~2023年度)において掲げた3つの基本方針「低収益事業の販売縮小」「高収益・成長事業の拡販・増販」「コスト構造の改善」を実行し、安定配当が可能な経営基盤を構築することを目標といたします。
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