当社は、「Goodな発想で、世界をHappyに。」をミッションに、医療・介護・福祉業界に特化した人材サービス事業と、スマートフォンを活用したヘルスケア事業の二つの事業を展開しております。
当社の各セグメントの事業内容は以下のとおりであります。なお、以下に示す事業区分は、「第5 経理の状況 1.財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
人材サービス事業は、 医療・介護・福祉業界に特化した求人サイト「GUPPY」の運営を中心としております。求人サイト「GUPPY」は中途転職者向けに求人情報を提供する「GUPPY求人」と新卒学生向けに就職情報を提供する「GUPPY新卒」から構成されます。「GUPPY求人」の料金体系は、主に求人情報の詳細ページが閲覧されたときなどに料金が発生する閲覧課金(クリック課金)と求職者が採用されたときに料金が発生する採用課金となっております。また、「GUPPY新卒」の料金体系は、就職シーズン毎の固定料金となっております。本サービスの主な収益は、これらの料金体系に基づき、「GUPPY求人」及び「GUPPY新卒」を利用する求人者から得る対価となっております。当社は約20年にわたり医療・介護・福祉業界に特化した求人サイトを運営した実績、ノウハウを有しているものと考えております。
ヘルスケア事業は、スマートフォンを使った健康管理アプリを提供しております。2000年にWHOが健康寿命を提唱されてから、日本でも「健康日本21(http://www.kenkounippon21.gr.jp/index.html)」が行われるなど、健康寿命を延ばすことが重要な課題となっております。また、スマートフォンの所有率は急速に伸びており、令和3年8月末時点においてスマートフォン所有世帯は88.6%となっております。インターネット利用状況についても、20代から50代は90%超、70代でも59.4%がインターネットを利用している状況にあります。(総務省:令和4年5月27日公表『令和3年通信利用動向調査』より)。上記スマートフォン及びインターネットの普及を受けて、当社ではスマートフォンで自身の健康を見える化し、健康維持・向上に役立つ機能をアプリで提供しております。一般利用者向けには無料でアプリを提供しておりますが、企業や自治体、健康保険組合向けには従業員、地域住民、組合員等の利用者(以下、利用者)の健康活動に応じて健康ポイントが還元される有料版を提供しております。健康ポイントはamazonギフト券等の賞品に交換することができ、利用者への福利厚生にも活用することができます。企業向けにはID数に応じて料金が加算されるサブスクリプション型のサービスを提供しており、健康ポイントの付与数によって3つのプランを用意しております。自治体や健康保険組合向けには定額制のサービスを提供しており、利用者は健康ポイント獲得後の抽選で当選すると賞品を獲得することができます。本サービスの主な収益は、企業や自治体、健康保険組合向けに提供している有料版を利用する顧客から得る対価です。なお、一般利用者向けの無料アプリを含め広告収入はありません。
医療・介護・福祉業界における主に有資格者(中途57職種、新卒27職種)に対応した求人サイト(求人情報・求職者情報提供事業)を運営しております。中途転職者向けは「GUPPY求人(https://www.guppy.jp)」、新卒学生向けは「GUPPY新卒(https://job.guppy.jp)」のサービス名で展開しており、両サイトの合計で62,877件の求人が掲載されております(2022年8月期)。
以下、人材サービス事業の特徴についてご説明いたします。
中途転職者向けの求人サイト「GUPPY求人」では、主に閲覧課金(クリック課金)型の料金システムを適用しております。閲覧課金は、初期費用はかからず求人者にポイントを購入していただき、求人情報(詳細)が求職者に閲覧されたときに120ポイント、求職者に対してスカウトを送信したときに1,000ポイント等定額のポイントが消費される仕組みです。WEB広告では一般的な閲覧課金(クリック課金)ですが、求人サイトは期間掲載型料金または成功報酬型料金が一般的であるため、他社サービスとは一線を画しております。なお、ポイントは1ポイント1円で購入することができます。
当求人サイトは斡旋や仲介を行う職業紹介ではなく、直接求人者と求職者がWEBまたは電話等でやり取りを行うことから、低コストでの運営が可能となっております。当社としては低コストでの運営を維持しつつ、スカウトの送信機能などのサービス展開を行うことで顧客単価の向上にも努めており、以下のグラフのとおり閲覧課金におけるクリック単価は着実に増加しております。なお一定程度求人者のニーズがあることから、採用が決まった時に費用が発生する成功報酬型の採用課金制度も設けております。
売上構成は以下のとおりです。「料金形態別 売上比率」のグラフは「売上構成」グラフのうち中途転職者向け売上についての比率でございます。なお閲覧課金売上は売上全体の65.1%、人材サービス事業売上の72.9%を占めております。
全国67,764の歯科診療所(厚生労働省 令和4年2月発表 医療施設動態調査)のうち19,601診療所(2022年8月現在)が当社求人サイトに登録いただいております。
また、求職者についても歯科3職種(歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士)の就業者約22.6万人(厚生労働省「令和2年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」)のうち、当社会員数は約10.3万人(2022年8月期)となっております。さらに歯科3職種のユニークユーザー数(1年間で「GUPPY求人」に訪問したユーザーの数)では約297.8万人(2022年8月現在)となっており、ユニークユーザー数は5年で約2.4倍に増加しております。なお、「GUPPY求人」全体での会員数は約51万人(2022年8月期)となっております。
医療・介護・福祉業界を目指す有資格者27職種に対応した新卒学生向け就職サイト「GUPPY新卒」を運営しております。またサイト運営以外にも、多くのサービスを提供しており、国家試験過去問対策アプリや就職情報誌、合同就職説明会、学校への求人票発送代行なども行っております。「GUPPY新卒」の料金体系は採用年度ごとの期間掲載型固定料金であり、採用が決まっても追加の料金は発生いたしません。なお、「GUPPY新卒」の会員数は35,840人(2022年卒)となっております。
その他のサービスとしては、まずオプションとして、合同就職説明会(就職café)の開催や求人票の発送代行を行っております。合同就職説明会は歯科衛生士・歯科医師の求職者に対しオフラインで開催しており、求人者(歯科医院)に説明会に出展する権利を販売しております。求人票の発送代行は求人者に代わり求人票の印刷と全国の学校への発送を行うもので、求人者より別途料金をいただくサービスです。求職者は当社で作成した求人票のQRコードから「GUPPY新卒」経由で応募することが可能です。なお、合同就職説明会には新卒学生以外にも既卒者・転職者も求職者側として参加することができます。
さらに 、新卒学生への「GUPPY新卒」訴求のため就職情報誌の発行や国家試験過去問対策アプリの提供をしております。医療・介護・福祉領域の10職種において作成される就職情報誌は「GUPPY新卒」にお申込みいただいた求人者が無料で掲載できるものとなっており、全国の学生向けに約11万部発行しております(2022年3月卒)。また国家試験過去問対策アプリは最大過去10年分の過去問を無償で提供するもので、アプリ利用時に登録いただく会員情報が当社求人サイトの会員登録情報と共通となっていることから、登録後にアプリ内で「GUPPY新卒」に掲載されている求人を閲覧し応募をすることが可能となっております。これにより、国家試験受験者の新規登録者を増やし、当社の知名度を高めることにより、「GUPPY新卒」の登録者数の増加だけでなく、将来の中途転職での当社求人サイトの利用につながる仕組みとなっており、歯科衛生士や管理栄養士分野では約8割の学生にご利用いただいております。なお、国家試験過去問対策アプリは新卒学生以外にも既卒者・転職者も利用可能なサービスとなっております。
医療・介護の効率化、高齢化社会での健康寿命の延伸に向けて、情報通信技術の活用に大きな期待が寄せられております。政府は健康寿命の延伸に向けた予防・重症化予防・健康づくりやデータヘルス改革の推進に対し総額で1,168億円の予算を計上しており、データを活用した持続可能な社会保障の実現に向けた取り組みを行っております(厚生労働省『令和4年度予算案の概要』)。
当社は健康寿命の延伸、医療費削減等、持続可能な社会保障の実現のために、スマートフォンによる健康管理アプリ「グッピー ヘルスケア(https://guppy.healthcare)」を開発・提供しております。
以下、ヘルスケア事業の特徴についてご説明いたします。
一般利用者向けの健康管理アプリは歩数や体重管理を含めた19種類の健康管理コンテンツを搭載しており、ダイエットや生活習慣の改善など個人の目的に沿ってサービスを無償で利用することができます。利用者は日々のデータを参照することにより目的達成に向けた行動を取ることができます。また、各コンテンツをどのように利用者が使用しているかのデータを分析することで、品質の向上に繋げております。
② 企業の福利厚生に利用
企業向けには機能を拡張した有料サービスを提供しております。従業員1人あたりの月額のシステム利用料を支払うことで、従業員の健康維持・増進を目的とした福利厚生として企業に利用されております。従業員は健康管理アプリを使って、運動、飲食、睡眠等を管理記録します。その中で運動、飲食、睡眠等に関して当社が設定する一定の基準を満たすと健康ポイントが貯まり、健康ポイントはAmazonギフト券等と交換できます。企業は従業員の健康状態を可視化することにより、従業員のモチベーションや退職リスクなどを事前に把握することができ、それにより生産性向上等の成果が期待できます。なお、企業向けサービスの利用者数は9,143IDとなっております(2022年8月期末)。
自治体や健康保険組合向けにもサービスを展開しております。自治体向けについては7自治体(2022年8月期)への有償サービスの提供のほか、東京都との連携事業も行っており、市民の健康維持・増進を図るサービスを提供しております。また各社の健康保険組合には保健事業としてアプリをご利用いただいております。今後も企業や団体との連携・提携によりサービスを拡張する予定です。
当社の事業系統図は下記のとおりであります。
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