当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が収まらず個人消費の低迷や経済活動が抑制され、加えてサプライチェーンの混乱や地政学的リスクの懸念によりエネルギー価格をはじめとする諸資材価格が高騰するなど、厳しい状況で推移しました。先行きにつきましても、諸資材価格の高止まり、地政学的問題、米国の金融政策の動向など依然として不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループは当期を最終年度とする3か年の中期経営計画『ISHIZUKA 2021 ~次の100年に向けて~』において、前中期経営計画から引き続き「グループ横断機能の更なる強化」を推進するとともに、「営業利益率5%の達成」及び「非容器事業を連結売上高の10%まで拡大」をめざして取り組みましたが、新型コロナウイルス感染症拡大による事業環境の変化は大きく、定量的目標の達成には至りませんでした。
業績につきましては、前年の緊急事態宣言下に比べて市況に復調の兆しが見られ、稼働率の向上により採算が改善し、グループ全体の売上高は69,384百万円(前期比6.8%増)、営業利益2,612百万円(前期比206.6%増)、経常利益2,791百万円(前期比142.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,254百万円(前期は3,023百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)と前年を大きく上回る結果となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
<ガラスびん関連事業>
ガラスびんは、飲食店向けのビールびんや清酒びんの需要が堅調に推移したことなどにより、売上高は14,099百万円(前期比1.7%増)となりました。
<ハウスウェア関連事業>
ガラス食器は、企業向け景品の受注と「アデリアレトロ」などの一般市場向けの販売が伸長しました。陶磁器は、国内の個人消費は回復傾向にあるものの、ホテル・レストラン向けの受注が大きく減少しました。海外はエアライン向けを除き受注が増加し、セグメント全体の売上高は11,403百万円(前期比18.0%増)となりました。
<紙容器関連事業>
紙容器は、充填機の販売はあったものの、主要ユーザーからの受注が減少したこともあり、売上高は6,938百万円(前期比4.3%減)となりました。
<プラスチック容器関連事業>
PETボトル用プリフォームは、夏場の天候不順の影響がありましたが、前年に初めての緊急事態宣言が発出されたことによる外出自粛の反動もあり、売上高は29,309百万円(前期比6.4%増)となりました。
<産業器材関連事業>
産業器材は、前年度より引き続き巣ごもり需要の増加に伴い調理器用トッププレートの受注が増加したことなどにより、売上高は2,400百万円(前期比17.5%増)となりました。
<その他事業>
抗菌剤は、新型コロナウイルス感染症の影響により、特に海外市場において昨年から引き続き旺盛な需要があり販売を拡大しました。金属キャップは酒類及び医薬品向けともに出荷が伸び悩み、セグメント全体の売上高は5,232百万円(前期比14.6%増)となりました。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.ハウスウェア関連のうち、直需専用品等は受注生産を行っておりますが、一般品等は見込生産を行っております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 翌連結会計年度の目標とする経営指標
1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」(2) 中長期的な経営戦略及び目標とする経営指標に記載のとおり、2024年度(2025年3月期)の連結営業利益3,500百万円を目標として積極的な取り組みを進めてまいりますが、2023年3月期の連結経営成績につきましては、売上高56,000百万円、営業利益1,000百万円、経常利益800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益200百万円を見込んでおります。売上高の減少につきましては、新たに「収益認識に関する会計基準」等を適用することによるものであります。利益につきましては、エネルギー価格をはじめとする諸資材価格が高騰している影響により減益となる見込みです。
当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産合計は82,097百万円(前期比1,533百万円増)、負債合計は53,233百万円(前期比671百万円減)、純資産合計は28,863百万円(前期比2,204百万円増)となりました。資産は、営業拠点の売却などもあり有形固定資産が減少しましたが、前年の緊急事態宣言下に比べて売上高が回復したことにより運転資本が増加しました。負債につきましては、資金面での弾力的な運用を図るため短期借入金は増加しましたが、長期の有利子負債が大きく減少しました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により自己資本比率は30.8%(前連結会計年度末は28.6%)となりました。
(4) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,727百万円増加し、5,325百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、4,093百万円(前年同期は4,211百万円の資金増加)となりました。資金増加の主な要因は、税金等調整前当期純利益、減価償却費及び仕入債務の増加によるものです。
一方、資金減少の主な要因は、売上債権の増加及びたな卸資産の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、548百万円(前年同期は4,376百万円の資金減少)となりました。資金減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出によるものです。
一方、資金増加の主な要因は、有形固定資産の売却による収入によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、1,868百万円(前年同期は1,107百万円の資金減少)となりました。資金減少の主な要因は、リース債務の返済による支出、長期借入金の返済による支出及び社債の償還による支出によるものです。
一方、資金増加の主な要因は、短期借入金の増加によるものです。
また、金融機関と総額2,000百万円のコミットメントライン契約を締結しており、資金の流動性を確保しております。
(5) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原燃料や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。必要な手元資金を確保しつつ、突発的な資金手当てにつきましては、短期資金調達枠の利用により機動的に対応することで流動性リスクに備えています。
また、今後の事業戦略に必要な設備投資やM&A等の資金需要につきましては、必要に応じて資金調達を行ってまいります。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
お知らせ