業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

①経営成績

当連結会計年度における売上高は54,344百万円(前期比31.1%増)、営業利益は18,215百万円(前期比77.7%増)、経常利益は19,182百万円(前期比85.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13,350百万円(前期比92.5%増)となり売上高、利益のすべてが過去最高を更新いたしました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 セラミック部品事業の売上高は45,690百万円(前期比39.4%増)、セグメント利益は17,872百万円(前期比81.3%増)となりました。

 照明機器事業の売上高は8,653百万円(前期比0.0%減)、セグメント利益は1,180百万円(前期比0.2%増)となりました。

 

②生産及び受注の実績

a.生産実績

 セグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

前期比(%)

セラミック部品事業(百万円)

44,524

140.0

照明機器事業(百万円)

2,184

96.7

合計(百万円)

46,709

137.2

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

b.受注実績及び受注残高

 セグメントごとの受注実績及び受注残高は、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注実績

 

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

前期比(%)

受注残高

 

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

前期比(%)

セラミック部品事業(百万円)

58,500

160.9

24,482

209.8

照明機器事業(百万円)

8,821

108.8

1,611

111.6

合計(百万円)

67,322

151.4

26,093

198.9

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

c.販売実績

 セグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

前期比(%)

セラミック部品事業(百万円)

45,690

139.4

照明機器事業(百万円)

8,653

100.0

合計(百万円)

54,344

131.1

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

③財政状態

当連結会計年度末における総資産は、95,899百万円となり、前連結会計年度末と比較して22.9%増加しました。

負債は、16,218百万円となり、前連結会計年度末と比較して38.4%増加しました。

純資産は、79,681百万円となり、前連結会計年度末と比較して20.1%増加しました。

 

この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は83.1%となり、前連結会計年度末に比べ1.9ポイント減少しました。

 

 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、有形固定資産等の取得による支出等の要因があるものの、税金等調整前当期純利益の増加等により前連結会計年度末に比べ10,497百万円増加し、当連結会計年度末には44,385百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

 

④キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは14,757百万円の収入となり、前連結会計年度末と比較して4,044百万円の増加となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは3,522百万円の支出となり、前連結会計年度末と比較して1,853百万円の減少となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは1,132百万円の支出となり、前連結会計年度末と比較して330百万円の増加となりました。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

①経営成績

当連結会計年度は、新型コロナ禍からの経済活動の回復傾向に伴い、個人消費や設備投資が持ち直す一方、人手不足やサプライチェーンの混乱、ウクライナ情勢を始めとする地政学リスクなどにより供給制約が生じ、原材料や燃料費の高騰など、世界的なインフレが生じました。

他方で、各国で脱炭素に向けた投資や取組みが加速し、脱炭素に適合した市場が成長しました。

 

当社グループが参画している市場においては、車載市場では脱炭素に適合したEVへ投資がシフトし、市場の変革が加速しました。情報通信市場では、5Gのインフラ需要の増加により、5G関連市場が大きく拡大しました。半導体市場では、世界的な半導体不足を背景としてグローバルで半導体製造装置への大幅な投資が行われました。

 

このような状況の中、当社グループにおきましては、創業から培ってきた材料技術により優れた特性の材料を開発・製造し、それに加え要素技術を融合することによる技術革新を推進するとともに、時代に先行した技術開発・設備投資を進めております。さらに歩留まりの向上、リードタイムの短縮、働き方改革に継続的に取り組むと同時に、ESG・SDGsに全力で取り組んでおります。

 

 当連結会計年度における事業活動の結果として、売上高営業利益率は33.5%となりました。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 セラミック部品事業においては、車載事業におけるEV向け製品や、情報通信事業での5Gに関連した差別化製品が好調に推移しました。また、歩留まりの向上や工程改善といった収益性の向上にも継続的に取り組んでまいりました。

 当連結会計年度におけるセグメント利益率は39.1%となり、前連結会計年度と比較して大幅な改善となりました。

 照明機器事業においては、材料不足による納期遅延からの回復が依然として不透明の中、照明技術を駆使し品質重視に特化して、脱炭素社会の実現に向け国レベルの省エネルギー政策に合わせたLED照明の導入促進に取り組んでまいりました。

 当連結会計年度におけるセグメント利益率は13.6%となり、前連結会計年度と比較して横ばいの結果となりました。

 

②財政状態

 当連結会計年度末の総資産については、棚卸資産の減少に努める一方で、事業が堅調に推移したことによる現預金の増加や中長期的な成長に向けた設備投資により、前連結会計年度末に比べて増加しました。

 当連結会計年度末における純資産合計については、事業が堅調に推移したことなどにより、前連結会計年度末に比べて増加しました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ4,044百万円増加し、14,757百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したことによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,853百万円減少し、3,522百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が減少したことによるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ330百万円増加し、1,132百万円の支出となりました。これは主に、短期借入れによる収入及び長期借入れによる収入が減少したこと、長期借入金の返済による支出が増加したことによるものであります。

その結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ10,497百万円増加し、44,385百万円となりました。

 

 当社グループの主な資金需要は、成長分野への設備投資や研究開発投資、配当支払、事業運営の運転資金となっております。脱炭素社会が進展する中、EV・5G・半導体などの市場で、市場が拡大され、技術革新による市場の変化が加速しております。当社グループは、数年先を見据えた設備投資や研究開発投資を引き続き行ってまいります。

 資金の調達は、主に自己資金から、一部を金融機関からの借入れにより行っております。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。

重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、以下の事項は、当社グループの連結財務諸表の作成において会計上の見積りに影響を及ぼすと考えております。

 

(セラミック部品事業における棚卸資産の評価)

当社グループは、棚卸資産について収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価しており、取得原価と連結会計年度末における正味売却価額のいずれか低い方の金額で評価しております。また、営業循環過程から外れた滞留在庫については、収益性の低下の事実を反映するため帳簿価額を処分見込価額まで切下げております。

営業循環過程から外れた滞留在庫の識別は、棚卸資産の滞留又は処分の実績、製品のライフサイクル等を総合的に勘案して判断しております。

そのため、市場の動向、電子部品メーカーの需要予測の変化などを要因として保有する棚卸資産が過剰となった場合には、滞留在庫の対象とすべき棚卸資産が増加する可能性があり、棚卸資産の評価に影響する可能性があります。

 

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