当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、経済活動の正常化が進み、先進国経済の持ち直しが続くなか、半導体不足による自動車の減産などもありましたが、総じて緩やかな回復基調にありました。一方で、新型コロナウイルス感染症の再拡大や中国経済の減速懸念に加え、ウクライナ情勢の悪化に伴う原材料、エネルギー価格の高騰など、先行き不透明な状況が継続しております。
このような状況下、当社グループにおきましては、主要納入先のうち、鋳物業界は、自動車、建設機械関連を中心に堅調に推移いたしました。土木建築業界においては、新設住宅着工戸数は改善の傾向が続いておりますが、大型公共工事の遅延や、復興関連事業で一部工期の延長により、需要の先送りが生じております。
こうした背景のもと、当社グループは、新型コロナウイルス感染症との共生を図りつつ、復調しつつある既存事業に加え復興関連需要を取り込む一方で、販売管理費等の見直しにより、売上高および利益の確保に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は167億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億27百万円増加いたしました。これは主に現金および預金が13億16百万円減少したものの、有価証券が12億90百万円、原材料及び貯蔵品が1億88百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は80億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億5百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が1億64百万円減少したものの、投資その他の資産が投資有価証券の取得等により3億79百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、248億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億33百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は20億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億76百万円減少いたしました。これは主に買掛金が1億96百万円、未払金が2億22百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は18億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ64百万円減少いたしました。これは主に長期借入金のうち、1億円を1年内返済予定の長期借入金へ振り替えたことによるものであります。
この結果、負債合計は、38億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億41百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は209億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億74百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が9億14百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は82.5%(前連結会計年度末は79.9%)となりました。
当連結会計年度の業績は、売上高は152億57百万円(前年同期比4.5%増)、営業利益は16億66百万円(同25.8%減)、経常利益は19億13百万円(同20.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は13億1百万円(同22.6%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(ベントナイト事業部門)
鋳物関係は、国内自動車生産台数の一定の回復もあり、増収となりましたが、主に海上運賃の高騰による輸入原鉱価格の上昇等の影響により、減益となりました。土木建築関係は、新設住宅着工戸数が改善傾向にあるものの、大型公共工事の遅れや、採算性の高い復興関連事業で一部工期の延長により、需要の先送りが生じたため、減収減益となりました。ペット関係は、売上、利益ともにほぼ横這いとなりました。
この結果、当セグメントの売上高は107億66百万円(前年同期比5.9%増)、セグメント利益は12億43百万円(同31.8%減)となりました。なお、収益認識基準の適用により、売上高が22百万円、売上原価が22百万円減少しております。
(アグリ事業部門)
農薬受託加工において、主要納入先における在庫調整があり、特に水稲用除草剤について売上が減少したこと等から減収減益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は27億20百万円(同9.7%減)、セグメント利益は6億55百万円(同16.9%減)となりました。
(化成品事業部門)
ファインケミカル分野において、クニピアの一般工業用途としての輸出向けを中心に各分野で需要が増加し、大幅な増収増益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は17億70百万円(同25.4%増)、セグメント利益は2億69百万円(同130.6%増)となりました。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前連結会計年度末に比べ1億2百万円減少し、95億1百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、11億77百万円(前年同期比63.5%減)となりました。これは主に、法人税等の支払額6億91百万円があったものの、増加要因として税金等調整前当期純利益18億91百万円、減価償却費8億35百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、10億8百万円(同106.5%増)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出が3億52百万円、有形固定資産の取得による支出が6億78百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、4億94百万円(前年同期は5億83百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が75百万円、配当金の支払額3億87百万円があったことによるものであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は仕入価格によっております。
当連結会計年度におけるベントナイト事業の一部およびアグリ事業の受注実績を示すと、次のとおりであります。
(注) 1.ベントナイト事業の一部およびアグリ事業以外は、見込み生産を行っております。
2.金額は販売価格によっております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が 100分の10を超える相手先がないため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について (1)」、重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.(1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.(1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(売上高)
当連結会計年度における売上高の概況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
(営業利益の状況)
売上原価につきましては、105億22百万円と前連結会計年度に比べ11億16百万円の増加(前年同期比 11.9%増)となり、売上原価率は前連結会計年度の64.4%から当連結会計年度は69.0%と4.5ポイント増加いたしました。これは主にベントナイト事業部門で海上運賃の高騰による輸入原鉱価格の上昇、売上原価率の低い復興・環境整備関連事業で需要の先送りが生じたことによるものであります。
販売費及び一般管理費につきましては、主に人員構成の変化による人件費の増加により、前連結会計年度に比べ1億27百万円増加(同 4.3%増)の30億69百万円となりました。
以上の結果、営業利益は16億66百万円となり、前連結会計年度に比べ5億80百万円の減少(同 25.8%減)となりました。
(経常利益の状況)
営業外収益につきましては、主に前連結会計年度に9百万円であった為替差益が円安の影響により、当連結会計年度は65百万円となったことにより、前連結会計年度に比べ1億11百万円増加の2億82百万円となりました。営業外費用につきましては、主に仕損費が26百万円発生したことにより、25百万円増加の34百万円となりました。
以上の結果、経常利益は19億13百万円となり、前連結会計年度に比べ4億95百万円の減少(同 20.6%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益の状況)
特別利益につきましては、前連結会計年度にグループ連結子会社であるクニマイン株式会社において、土砂崩れによる一部建屋の損壊等の復旧に関して、発生した補助金35百万円および被害に係る保険金40百万円が当連結会計年度は無い事等により76百万円の減少(同 99.9%減)となりました。
特別損失につきましては、主に前連結会計年度に発生した上記土砂崩れによる一部建屋損壊等の被害復旧にかかった費用等の災害損失32百万円が当連結会計年度は9百万円となり、32百万円の減少(同 59.3%減)となりました。
また、法人税等合計につきましては、法人税、住民税及び事業税が1億57百万円減少、法人税等調整額が15百万円減少したこと等により前連結会計年度に比べ1億73百万円減少の5億35百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は13億1百万円となり、前連結会計年度に比べ3億79百万円の減少(同 22.6%減)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または必要に応じ借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、2020年4月30日付で金融機関3社から合計で10億円の長期借入を行いました。これとは別に金融機関とコミットメントライン契約10億円を設定し、資金調達の機動性および安定性を確保しております。
当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備資金を調達していく考えであります。
当社グループの経営陣は、現在の経営環境および入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社グループをとりまく経営環境は今後も厳しい状況が続くものと考えられます。このような状況下で、当社グループといたしましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略」にも記載しましたとおり、戦略的課題に重点的に取り組むことで、他社との差別化を図って、高収益化構造を実現することを最優先課題として考えております。
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