なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
2021年度は、世界的な脱炭素に向けた動きにより、製鉄においてCO2排出量が少ないとされる鋼屑需要の高まりやエネルギー価格の上昇による原材料価格等の高騰が、収益面に大きな影響を与えました。ロシアのウクライナ侵攻やCOVID-19変異株など不安定・不確実な状況が続く中、当社に与える影響を最小化すべく取り組んでおります。一方、COVID-19の社会影響が長期化するなかで政府要請がなされている「安定的な水の供給」や「うがい・手洗いの励行」、また自然災害の増大や国土インフラの老朽化による大規模断水により水道の重要性が再認識されているものの、当業界に大きな影響が及ぶには至らず、需要は全体としては概ね横這いとなりました。そうした中、当社はシナジーを期待する新規・周辺事業の拡販等を図りつつあるものの、諸物価高騰分の主要商品への販売価格への転嫁にタイムラグが生じていることから、対前年度増収減益となりました。
2021年度は、「水が途切れない世界を実現する」という当社のパーパスを新たに制定し、「管路分野のInnovative All in ワンストップ企業」への歩みを進めて参りました。公共インフラに関するシビックテックとしてWhole Earth Foundationとともに手掛けている「鉄とコンクリートの守り人(マンホール聖戦)」に関しては、8月の渋谷区を皮切りとして全国へ展開を進めているところであります。公共インフラである水道マンホールの維持保全のための画像・位置情報をスマートフォン上でのゲームアプリにより収集する先進性や、コンペ型撮影イベントを通じて地域住民である家族や友人同士で参加できる娯楽性が話題を呼び、当社久喜工場においてテレビ番組の報道取材を受けた他、多数のメディアにて紹介されました。加賀市・三島市といった地方開催の実施により、郷土への関与すなわちシビックプライドの意識向上に寄与する旨の参加者の声も頂いており、第一ステップとして順調に推移していると評価しております。
また、「管路分野のInnovative All in ワンストップ企業」に向け、設計から工事施工に至る通常のDB(デザイン アンド ビルド)方式については、ますます好評を得ているFracta社とのパートナーシップによるAI管路診断技術のソフト販売活動を組み入れた当社独自のDB(デザイン アンド ビルド)方式の活用、事業体ニーズをくみ取ったメンテナンス込みのDBM(デザイン アンド ビルド アンド メンテナンス)の売り込みを進めてきております。
開発新商品「楽ちゃく」は、これまで接合作業において作業負荷のかかっていた芯だし・接合が、サポートアームをワンタッチで取り付けるだけで誰でも楽に簡単に出来、工事の安全性確保、作業環境改善や老若男女を問わない作業者の確保、作業人員の削減ならびに作業時間の半減を可能にした画期的な工具です。いくつかの現場での試行も経ましたので、営業販売に入って参ります。推進工法対応の「オセール」も、引き続き好評を得ており、さらなる拡販を試みております。
「管路分野のInnovative All in ワンストップ企業」を目指す取り組みは、このように順調に推移しており、2021年度はそうした活動を一層深化させ、昨年芽吹いた成果を着実に前進させる年となりました。
当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなっております。
売上高につきましては、原材料・燃料価格等の高騰により販売価格改定を進めてきたこと、グループ会社の売上が好調であったこと、シナジーを期待する新規・周辺事業の拡大等の成果などにより販売が順調に推移してきており、 5億22百万円(前年同期比3.6%)増加し、151億85百万円となりました。
収益につきましては、原材料価格等の大幅な高騰に対する販売価格転嫁へのタイムラグを主要因として、減益となりました。原材料価格等の高騰対策については、自助努力だけでは吸収しきれず、やむを得ず、関係各位のご理解を得ながら、販売価格の改定を進めて参りました。これによる売上高の増加に加えてコスト削減による収益改善を実施したものの、販売価格改定にタイムラグが生じていることが影響したうえ、2022年1月に発生した塗料メーカーにおける品質上の不適切行為によって水道事業体が工事の停止や延期・キャンセルを行ったことで一時的に需要が落ち込み、営業利益は3億12百万円減少し3億83百万円、経常利益は3億13百万円減少し4億17百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は4億25百万円減少し2億36百万円の利益となりました。
引き続き、皆様のご期待に添えるような企業運営に努め、さらなる安定利益を確保するよう一層努力してまい
りますので、ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
当社ではESGやSDGsに関わる取り組みを積極的に行っております。2021年度は、国際NGO「ウォーター
エイド」に対して、ダクタイル鉄管の販売本数に応じた寄付を開始しはじめました。当社の鋳鉄管をご購入いた
だいた顧客の皆様に間接的に参画いただけるよう貢献の輪を広げてきております。また、久喜工場近隣の久喜菖
蒲公園にて、地域の皆様に自然と親しめるイベントを昨年11月より開始し、好評を得ながら毎月開催してきてお
ります。今後も、ESGやSDGsに関わる取り組みを積極的に進めて参ります。
また、当社はIR活動の一環として、株主の皆様をはじめとした投資家の皆様との対話を深めるために、昨年
3月より開始した個人投資家様向け説明会を昨年9月、本年3月とこれまで計3回開催して参りました。参加者
の皆様からいただいたいくつものご質問にお答えすることにより、双方向のコミュニケーションを図らせていた
だいております。今後も引き続き、さまざまなコミュニケーションツールを活用しながら、投資家の皆様との対
話を通じたIR活動の推進を進めてまいります。
引き続き、株主の皆様をはじめステークホルダーの皆様のご期待に添えるよう、種々の経営施策を着実に実行
し、さらなる安定利益を確保するように努力して参りますので、ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げ
ます。
当連結会計年度の売上高につきましては、原材料価格等の高騰により販売価格改定を進めてきたこと、シナジーを期待する新規・周辺事業拡大等の成果により販売が順調に推移していることにより、前年同期と比べ4億54百万円(前年同期比3.5%)増加し、133億42百万円となりました。
セグメント利益につきましては、原材料価格等の大幅な高騰の中、販売価格への転嫁にタイムラグが生じていることもあり、前年同期と比べ3億56百万円減少し、1億6百万円となりました。
当連結会計年度の売上高につきましては、子会社のリサイクル事業の売上が増加したことにより、前年同期と比べ67百万円(前年同期比3.8%)増加の18億43百万円となりました。
一方、セグメント利益につきましても、子会社のリサイクル事業の売上が増加したことにより、前年同期と比べ46百万円(前年同期比20.1%)増加し、2億78百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引はありません。
2. 金額は販売価格を以って計上しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
当連結会計年度末の総資産は、177億80百万円と前連結会計年度末と比べ6億52百万円増加しました。
これは主に「現金及び預金」が5億66百万円減少したものの、営業債権が1億96百万円、有形固定資産の「機械装置及び運搬具(純額)」が1億1百万円、流動資産の「商品及び製品」が3億円、投資その他の資産の「投資有価証券」が2億84百万円増加したことによるものであります。
負債合計は、93億88百万円と前連結会計年度末と比べ5億52百万円増加しました。
これは主に営業債務が3億60百万円増加したことによるものであります。
純資産合計は、83億92百万円と前連結会計年度末と比べ1億円増加しました。
これは主に配当金の支払いによる減少(1億28百万円)があった一方で、「親会社株主に帰属する当期純利益」2億36百万円の計上等により「利益剰余金」が増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、31億11百万円と前連結会計年度末に比べて5億66百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、4億19百万円(前連結会計年度は10億40百万円の増加)となりました。
これは主に棚卸資産の増加額4億17百万円や法人税等の支払額1億58百万円があったものの、税金等調整前当期純利益4億30百万円、減価償却費3億26百万円、仕入債務の増加額3億91百万円等が、資金の支出を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、8億2百万円(前連結会計年度は5億79百万円の減少)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出4億69百万円、投資有価証券の取得による支出2億98百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、1億83百万円(前連結会計年度は2億34百万円の減少)となりました。
これは主に配当金の支払による支出1億28百万円によるものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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