文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの感染拡大と収束を繰り返しつつも、ワクチン接種の進展や新薬の開発を背景に、一部業種で持ち直しの動きが見られました。他方海外では、経済活動の急速な回復による原油価格の高騰や半導体等の部品供給の不足により生産活動に制限が加わりました。その他インフレへの懸念や、米・中・露等の大国に関わる地政学リスクの高まりが、コロナ禍と相まって一層先行きが不透明な状況になっております。
このような経済情勢の下、当社グループは、従前の水準まで営業活動を再開させるため、解体事業を核とした工事現場から発生するスクラップの買取り、産業廃棄物収集運搬及び中間処理までを一貫して完結する「ワンストップ・サービス」を強みとした営業展開を強化させるとともに、業務の効率化を中心とした費用削減の取り組みを進めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は8,433,172千円(前期比54.7%増)、営業利益は786,862千円(同140.3%増)、経常利益は809,998千円(同98.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は509,529千円(同77.9%増)となりました。
各セグメント別の状況は以下のとおりです。
<解体事業>
解体工事の需要は堅調に推移し、大型案件14件を含め完工件数は217件となりました。前連結会計年度は新型コロナウイルス蔓延の影響を受け新規受注が一時減少しましたが、当連結会計年度はやや持ち直しの傾向となりつつあります。
これらの結果、売上高は1,891,091千円(前期比36.7%増)、営業利益は325,921千円(同29.0%増)となりました。受注残高につきましても771,247千円と順調に推移しております。
<環境事業>
産業廃棄物処理受託の取扱量は24,308トンと前連結会計年度から微増し、再生資源販売の取扱量は14,561トンと堅調に推移しました。前連結会計年度においては、資源価格が低水準で推移していたため、再生資源販売が伸び悩みましたが、当連結会計年度においては資源価格が高水準で推移したことで再生資源販売が伸長し、利益率の向上に寄与しました。
これらの結果、売上高は1,794,939千円(前期比25.9%増)、営業利益は217,858千円(同360.3%増)となりました。
<金属事業>
スクラップの取扱量は60,765トンと堅調に推移しました。前連結会計年度においては、鉄スクラップ等の資源価格が一時急落したことで売買差益が減少しましたが、当連結会計年度においては、資源価格が高水準で推移し、また一時急騰したことで売買差益が増加しました。
これらの結果、売上高は4,747,141千円(前期比79.6%増)、営業利益は243,082千円(同786.4%増)となりました。
当連結会計年度末における財政状態は、以下のとおりです。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は5,761,740千円となり、前連結会計年度末に比べて589,463千円増加しました。流動資産は、未成工事支出金等が減少した一方で、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べて444,591千円増加の3,169,468千円となりました。固定資産は、投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べて144,871千円増加の2,592,272千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債は2,143,248千円となり、前連結会計年度末に比べて30,612千円減少しました。流動負債は、短期借入金、未成工事受入金等が減少した一方で、未払法人税等の増加により、前連結会計年度末に比べて79,632千円増加の1,605,058千円となりました。固定負債は、長期借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べて110,245千円減少の538,190千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金、その他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べて620,076千円増加し、3,618,492千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び預金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ453,578千円増加し1,930,651千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は795,971千円(前期は402,110千円の収入)となりました。これは主に、資金の増加として、税金等調整前当期純利益799,710千円、減価償却費187,891千円、たな卸資産の減少額182,301千円等があった一方、資金の減少として、未成工事受入金の減少額233,189千円、売上債権の増加額195,261千円、法人税等の支払額113,331千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は100,477千円(前期は192,399千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出85,235千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は241,915千円(前期は90,153千円の収入)となりました。これは、短期借入金の純減少額100,000千円、長期借入れによる収入100,000千円、長期借入金の返済による支出153,159千円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
|
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
前年同期比(%) |
環境事業(千円) |
1,337,893 |
120.0 |
金属事業(千円) |
2,980,293 |
197.6 |
合計 |
4,318,187 |
164.6 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.解体事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載しておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
|
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
前年同期比(%) |
解体事業 |
|
|
受注高(千円) |
1,779,551 |
123.43 |
受注残高(千円) |
771,247 |
87.4 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.環境事業及び金属事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
|
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
前年同期比(%) |
解体事業(千円) |
1,891,091 |
136.7 |
環境事業(千円) |
1,794,939 |
125.9 |
金属事業(千円) |
4,747,141 |
179.6 |
合計 |
8,433,172 |
154.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社ナベショー |
974,561 |
17.9 |
2,047,016 |
24.3 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、以下のとおりであ
ります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産・負債および収益・費用の計上金額に影響を与えております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき継続的に見積りを行っております。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に関しては、繰延税金資産について、将来の回収可能性を慎重に検討して計上しており、また、固定資産について、資産グループの営業活動から生ずる損益等を勘案して減損の兆候を慎重に検討しています。
③経営成績の分析
イ.当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
ロ.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容 ①重要な会計方針および見積り」をご参照ください。
ハ.資本の財源および資金の流動性についての分析
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(資金需要)
運転資金、設備投資、借入金の返済及び利息の支払い、並びに配当金の支払い等に資金を充当しており、必要とする資金は、営業活動によるキャッシュ・フロー、自己株式の処分により調達しております。
当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れにより、成長を維持するために将来必要な資金を調達することが可能と考えております。
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