(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染者数の増加や減少が繰り返される中で弱いながらも持ち直しの傾向が見られるものの、世界的に続く半導体不足や原材料価格の高騰、ロシアによるウクライナ侵攻、4月からの中国上海におけるロックダウンの開始など、依然として先行き不透明な状況で推移しました。
当社グループの主要マーケットである焼肉業界におきましても、2021年8月をピークとする新型コロナウイルス第5波や2022年2月をピークとする第6波に対するまん延防止等重点措置の適用により時短営業や臨時休業を余儀なくされ大きな影響を受けました。一方でワクチン接種の進展など感染対策の強化により一部で持ち直しの兆しがみられるようになりました。
このような状況下で当社グループは、焼肉店以外の飲食店様に対して焼肉店への業態変更を促進してまいりました。また、既存焼肉店には店舗の改装や改築、ダクト清掃等のメンテナンス受注に努めてまいりました。さらに新規受注におきましては、無煙ロースターの受注に留まらず、内装工事や空調工事などトータルの受注に努めてまいりました。
また、名古屋工場の老朽化が進み、生産能力も限界に達しつつあったことから新工場の建設を進め、2022年5月に新名古屋工場が竣工し稼働を開始しました。これにより作業環境と生産能力が大幅に改善し、生産活動の効率化による収益力改善を見込んでおります。
一方で、連結子会社であるSHINPO AMERICA,INC.は、2018年1月の会社設立以降、アメリカなど北米を中心に無煙ロースターの販売およびアフターサービスの提供を中心に事業を展開してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による事業環境の変化に伴い、悪化した収益の回復が見込めない状況が続いていることから、当社グループの経営資源の選択と集中を目的として解散および清算することを決議いたしました。
その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産の部)
当社グループの当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ352百万円増加し7,118百万円となりました。
流動資産は620百万円減少し3,683百万円となりました。主な要因は、原材料及び貯蔵品の増加168百万円があったものの、現金及び預金が770百万円減少、受取手形及び売掛金が92百万円減少したことによるものであります。
固定資産は973百万円増加し3,435百万円となりました。主な増加要因は、5月に新名古屋工場が竣工したことに伴う建物及び構築物の増加1,026百万円などによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ39百万円減少し1,451百万円となりました。
流動負債は81百万円増加し1,127百万円となりました。主な要因は、未払金の増加113百万円などによるものであります。
固定負債は121百万円減少し323百万円となりました。主な要因は、退職給付に係る負債の増加16百万円があったものの、役員退職慰労引当金が80百万円減少、長期借入金が63百万円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ391百万円増加し5,666百万円となりました。主な要因は、剰余金の配当141百万円などがあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益532百万円の計上によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度における売上高は6,207百万円(前年同期比12.9%増)、営業利益は886百万円(前年同期比32.5%増)、経常利益は905百万円(前年同期比30.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は532百万円(前年同期比3.8%増)となりました。
(売上高)
売上高は、新型コロナウイルス感染拡大による影響が大きかった前連結会計年度から回復傾向にあることから、709百万円増加の6,207百万円(前年同期比12.9%増)となりました。
(売上原価及び売上総利益)
売上原価は、売上高の増加に伴い439百万円増加の3,862百万円(前年同期比12.8%増)となりました。売上総利益は270百万円増加の2,344百万円(前年同期比13.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度において展示会の中止や出張の取り止めなど、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い広告宣伝費や旅費交通費が減少していた反動や、人員の増加に伴う人件費の増加等により52百万円増加の1,458百万円(前年同期比3.8%増)となりました。その結果、営業利益は217百万円増加の886百万円となり、売上高営業利益率は14.3%(前年同期売上高営業利益率は12.2%)となりました。
(経常損益)
経常利益は、営業外収益が雇用調整助成金等15百万円の計上があった前連結会計年度より7百万円減少したものの、営業利益の増加により210百万円増加の905百万円(前年同期比30.3%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
親会社株主に帰属する当期純利益は19百万円増加の532百万円(前年同期比3.8%増)となりました。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は1,633百万円となり、前連結会計年度末と比較して770百万円減少しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は378百万円の増加(前年同期は532百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益742百万円であります。また、主な減少要因は、役員退職慰労金の支払額204百万円、法人税等の支払額255百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は937百万円の減少(前年同期は5百万円の減少)となりました。主な減少要因は、5月に操業を開始した新名古屋工場の建設などに伴う有形固定資産の取得による支出952百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は226百万円の減少(前年同期は227百万円の減少)となりました。主な減少要因は、配当金の支払額141百万円及び長期借入金の返済による支出61百万円などによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、無煙ロースターの製造販売及びその附帯工事を主要な事業としており、他のセグメントの重要性が乏しいため、生産、受注及び販売の実績につきましては、品目別に記載しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
製品 |
2,103,232 |
118.1 |
据付工事 |
1,679,910 |
107.0 |
その他内装工事 |
1,104,833 |
116.9 |
合計 |
4,887,976 |
113.8 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
製品 |
2,129,449 |
113.5 |
279,671 |
126.8 |
部材品 |
1,007,070 |
113.2 |
88,968 |
135.4 |
据付工事 |
1,713,851 |
105.4 |
189,333 |
121.8 |
その他内装工事 |
1,052,425 |
102.8 |
69,226 |
56.9 |
商品 |
268,202 |
111.7 |
28,160 |
120.5 |
アミ洗浄 |
105,055 |
113.1 |
- |
- |
合計 |
6,276,054 |
109.2 |
655,360 |
111.7 |
(注)金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
製品 |
2,070,338 |
115.0 |
部材品 |
983,809 |
114.9 |
据付工事 |
1,679,910 |
107.0 |
その他内装工事 |
1,104,833 |
116.9 |
商品 |
263,413 |
112.5 |
アミ洗浄 |
105,055 |
113.1 |
合計 |
6,207,361 |
112.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載しております。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金の流動性につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金、設備投資及び長期運転資金は、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は248百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,633百万円となっております。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、利益重視の観点から売上高営業利益率15%を目標としております。
当連結会計年度におきましては、人件費の増加などにより販売費及び一般管理費が高止まりした結果、売上高営業利益率は14.3%(前年同期は12.2%)となり目標を達成することはできませんでした。
今後につきましても原価低減、コスト低減に努め、売上高営業利益率の目標達成に努めてまいります。
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