課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、独自の技術による舶用ディーゼルエンジン並びに周辺機器の開発・製造からメンテナンスまで一貫した事業活動を通して、顧客満足を得ることを基本使命とします。

この基本使命を達成するため①良品主義②親切第一③人格の修養と技術の練磨をモットーに事業活動を行い、企業価値を高めていくことを目標とする経営を行います。

 

(2)経営戦略等

昨年4月より2ヵ年の新中期経営計画「G-3~2022~(ジースリー2022)」をスタートしております。コロナ禍後のニューノーマルな世界を見極めて着実に準備を行い、速やかに離陸ができるように短期集中型の計画としております。今回より、特に、SDGsへの貢献を重視し、長期経営ビジョンも刷新いたしました。中期目標は「ピンチをチャンスに変えるための手を打つ」をスローガンに、「指名買いされる<ORIGINAL HANSHIN>ブランドのブラッシュアップと定着」「高い生産技術力による<NEW HANSHIN>ブランドの開拓」「カーボンフリー技術等への取組を目指した<FUTURE HANSHIN>ブランドへの布石」を3本の柱として設定しております。外的環境はますます厳しくなると予想されますが全社員がベクトルを合わせて新中期経営計画の達成に尽力してまいります。

なお、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、業績予想として公表しております、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益があります。公表数値の達成に向けた経営計画に基づき、各種重点課題の着実な推進を図っております。

 

(3)経営環境

当期におけるわが国経済は、昨秋から年末にかけてコロナ禍が小康状態となり個人消費と輸出が伸びましたが、年明けからのオミクロン株のまん延により個人消費や生産が下押しされました。

世界経済については、オミクロン株の収束が見込まれインフレ懸念を抱えながらも回復基調でありましたが、突発的なウクライナ危機に伴う資源高によるインフレの加速が個人消費を減退させ、コロナ禍後の経済回復シナリオに影を落としております。

外航海運業界は、コンテナ船社を中心に多くの会社が過去最高の業績を上げるなど活況を極めている状態ですが、新造船建造に関しては、環境規制を考慮した新燃料船の開発・発注は進められているものの、鋼材価格の急騰やマーケット先行きの不透明さから、大量発注という動きには繋がっておりません。明るい兆しとしましては、当社2サイクルエンジンの対象である近海船市場の市況が大きく回復しており、久々に新造船建造の機運が高まってきていることがあげられます。一方、当社の主要マーケットである内航海運業界におきましては、「内航海運暫定措置事業」の終結により建造納付金が不要になったことから新造船建造の伸びが期待されましたが、鋼材価格急騰による船価上昇や製鉄所の集約、タンカーにおいてはエネルギー転換の見極め等の要因により建造隻数は伸び悩んでいる状態であります。そのような中でも、一部、貨物船を中心に代替建造の計画が散見されるようになってきており、今後の商談進展に期待したいところであります。海外案件につきましては、コロナ禍により東南アジア地区でのほとんどの案件が停滞しております。東アジア地区ではタンカーや漁船などの代替建造計画が浮上しつつありますが、多くの船主様が鋼材価格の推移を見極めるべく様子見されており、しばらくは大きな伸びは期待できない状況であります。
 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①営業活動

国内、海外ともに鋼材価格上昇による船価高により建造隻数の大幅な伸びは期待できない状況でありますが、引合案件をひとつひとつ確実に受注に結び付けていく丁寧な営業活動を展開してまいります。国内においては、主機関のさらなる低燃費化や機関監視システムのブラッシュアップなどで付加価値を高めながら、老齢化が進んでいる内航船の代替建造案件に加えて新規引合案件を受注に結び付けることにより、内航船における主機関のトップシェアを堅持し、部分品販売についても全ての顧客と全ての船を網羅した、アクティブな部分品営業を充実いたします。

海外においては、コロナ禍による各国の入国規制が徐々に緩和されつつありますので、それらの状況を見極めながら、現地での活動を再開し、人と人との繋がりを深める対面での営業やPR活動に努めてまいります。

②生産活動

生産面におきましては、主機関生産量の減少と短納期化に対応すべく、生産効率の向上とリードタイムの短縮、内製化の推進を図ってまいります。特にコロナ禍で発生した海外調達品の遅延等を鑑み、サプライチェーンの機能不全にも対応が可能なように購入部材の内製化への注力を強めております。加えて昨年7月より生産統括本部に、CMR(Casting-Machinery-Repair)推進室を設け、大物部品加工技術を活用した加工サービス(特販)展開や鋳物部品の外販、機械修理等をひとつの事業の柱として育てていくための活動を行っております。また、資材価格の上昇に対応するため、内製化が困難な部材につきましてはこれまでも進めてきました海外調達を含めた購買努力やVA、VEによる原価低減を徹底し、加えて、聖域のない経費節減や作業の標準化によるムダの排除と品質の向上に引き続き鋭意努めてまいります。

③新製品の開発・販売

商品開発面では、信頼性の高い低速4サイクルのLAシリーズエンジンの販売拡大や省燃費を追求した4サイクル及び2サイクルの電子制御機関の販売を充実するとともに、世界初となる低速4サイクルガスエンジンの開発・市場投入に注力し、エンジンの高機能化による高付加価値化を進めてまいります。加えて、お客様に安全・安心を提供する高度船舶安全管理システムの採用拡大、機関モニタリングシステム「HANASYS 5」の市場投入を拡大し、ハードとソフトの両面から最高の顧客満足を獲得するよう努力してまいります。さらに、GHG排出削減対応として、重油以外の各種燃料の活用技術の開発も鋭意進めてまいります。

 

 

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