業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

(1) 経営成績の状況

当社グループをとりまく経営環境につきましては、観光庁「宿泊旅行統計調査」(確定値)によりますと、2021年度の延べ宿泊者数は、3億1,777万人泊で2019年比46.7%減(前年比4.2%減)、うち日本人延べ宿泊者数が3億1,346万人泊で2019年比34.7%減(前年比0.7%増)、外国人延べ宿泊者数が432万人泊で2019年比96.3%減(前年比78.8%減)となっており、業界全体として新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響が前年同様に続きました。一方で、同調査(速報値)の2022年6月単月によりますと、延べ宿泊者数は前年同月比73.4%増の3,451万人泊となり、前年比では大きく回復の兆しが見られました。

 このような事業環境のもと、当連結会計年度におきましては、収益は11,786,934千円(前年同期比46.7%増)、営業利益は2,043,360千円(前年同期比136.9%増)、税引前当期利益は2,013,155千円(前年同期比144.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,610,385千円(前年同期比89.4%増)となりました。

なお、当社は当連結会計年度において、コスミック流通産業株式会社及びコスミックGCシステム株式会社の株式を譲渡したことにより、これらの事業を非継続事業に分類しております。これにより、連結損益計算書に表示される収益、営業利益及び税引前当期利益は継続事業によるもののみを表示しており、前述の事業(非継続事業)については、「非継続事業からの当期利益」として、継続事業と区分して表示しております。

 

 各セグメントの業績は次のとおりであります。

 

(コンシューマ事業)

コンシューマ事業につきましては、新型コロナウイルス感染症及びそれによる政府の緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の発令等の影響が続いていたものの、第1四半期連結会計期間後半から同感染症の感染者数の減少を受けて当社及び子会社の業績がともに回復に向かい、当セグメントの収益は11,879,411千円(前年同期比46.4%増)、セグメント利益は2,135,837千円(前年同期比126.7%増)となりました。

 

(投資事業)

投資事業につきましては、成長企業等への投資を引き続き実施しておりますが、保有している営業投資有価証券の株価の下落が生じた結果、当セグメントの収益及び利益は△92,477千円(前年同期のセグメント収益及び利益は、△79,360千円)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当連結会計年度末の資産合計は20,835,885千円となり、前連結会計年度末と比べ8,636,547千円の増加となりました。

当連結会計年度末の負債合計は11,216,603千円となり、前連結会計年度末と比べ1,328,518千円の増加となりました。

当連結会計年度末の資本合計は9,619,282千円となり、前連結会計年度末と比べ7,308,029千円の増加となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末より 7,649,333千円増加し、残高は12,754,783千円となりました。

 

(生産、受注及び販売の状況)

当社グループは旅行商品やサービスの提供を行うコンシューマ事業及び投資事業を営んでおり、生産実績及び受注実績がないため、仕入実績及び販売実績についての記載を行っております。

また、投資事業に関しては、事業の性質上、生産、受注及び販売の状況に馴染まないため、記載しておりません。

 

(1) 仕入実績

 

セグメントの名称

内訳

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

前期比 (%)

コンシューマ事業

航空券 (千円)

33,348,552

211.7

その他 (千円)

1,734,923

76.6

合計

35,083,476

194.7

 

 

(2) 販売実績

① 収益実績

 

セグメントの名称

内訳

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

前期比 (%)

コンシューマ事業

航空券 (千円)

8,902,951

178.8

その他 (千円)

2,976,460

94.9

合計

11,879,411

146.4

 

 

② 取扱高実績

 

セグメントの名称

内訳

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

前期比 (%)

コンシューマ事業

航空券 (千円)

42,251,503

203.8

その他 (千円)

4,840,635

88.5

合計

47,092,139

179.8

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの業績は、外部要因として世界情勢の変化、インターネット関連市場の動向、競合との競争、技術革新、法規制の変化、自然災害等の影響を受ける可能性があります。

また、内部要因として、システムや新サービスの開発、人材登用や人材育成、内部管理体制、システム障害等により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がありますが、内部管理や組織体制の強化等によりこれらのリスク要因に対応するように努めております。なお、当社グループでは「価格とサービスで感動を!徹底的に無駄と戦い、顧客に還元する!」という企業理念を実現するため、当社グループのメインサービスである「skyticket」の認知向上と取扱い商品の拡充及び利便性の向上を行うことが重要であると考えております。そのためには事業環境の変化に素早く対応できる組織体制の構築、システムの開発速度の向上及び安定性の確保、情報管理体制の強化等、組織としての健全性を高めていくことが経営上の課題であると認識しております。これらの課題に対応するために、当社グループの経営陣は、積極的な情報入手に努め、入手した情報を分析し、分析した情報に基づき、現在の事業環境を確認し、最善の経営方針を立案・実行するように努めております。

 

① 財政状態の分析

  (資産)

当連結会計年度末の総資産は20,835,885千円となり、前連結会計年度末と比べ8,636,547千円の増加となりました。増加の主な要因は、当連結会計年度中に行われた公募増資による現金及び現金同等物の増加、並びに取引量の増加による営業債権及びその他の債権の増加によるものであります。

 

 (負債)

当連結会計年度末の総負債は11,216,603千円となり、前連結会計年度末と比べ1,328,518千円の増加となりました。増加の主な要因は、借入金の返済が進んだことによる社債及び借入金の減少があった一方で、取引量の増加による営業債務及びその他の債務並びに社債及び借入金が減少したことによるものであります。

 

 (資本)

当連結会計年度末の資本は9,619,282千円となり、前連結会計年度末と比べ7,308,029千円の増加となりました。主な要因は、前述の公募増資及び当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益によるものであります。

 

② 経営成績の分析

(収益)

当連結会計年度の収益は11,786,934千円(前年同期比46.7%増)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症のウイルスの弱毒化やワクチンの普及、行動制限の緩和などにより、主力である旅行関連事業の業績が回復したことによるものであります。

 

(営業総利益)

当連結会計年度の売上原価は1,734,923千円(前年同期比23.4%減)となりました。これは主に、前連結会計年度においてはGotoトラベルキャンペーンによりツアー関連商品の取り扱いが増加しましたが、同キャンペーンが無かった当連結会計年度においては前連結会計年度ほどの取り扱いがなかったことによるものであります。

この結果、当連結会計年度の営業総利益は10,052,010千円(前年同期比74.2%増)となりました。

 

(営業利益・税引前当期利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は8,096,579千円(前年同期比58.4%増)となりました。これは主に、前述の収益の増加につれて広告宣伝費が増加したことによるものであります。

この結果、当連結会計年度の営業利益は2,043,360千円(前年同期比136.9%増)、税引前当期利益は2,013,155千円(前年同期比144.8%増)となりました。

 

(親会社の所有者に帰属する当期利益)

当連結会計年度の法人所得税費用は679,251千円(前年同期比314.2%増)となりました。これは主に、前述の業績の回復により税引前当期利益が増加したことによるものであります。

この結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,610,385千円(前年同期比90.7%増)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末より7,649,333千円増加し、12,754,783千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローと要因は次のとおりであります。 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金は、2,999,071千円(前連結会計年度は△251,816千円)となりました。収入の主な内訳は、税引前当期利益2,013,155千円、営業債務及びその他の債務の増減額2,269,946千円、減価償却費及び償却費414,470千円であり、支出の主な内容は、営業債権及びその他の債権の増減額△883,641千円、棚卸資産の増減額△435,826千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金は、351,198千円(前連結会計年度は△628,268千円)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収支791,952千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金は、4,294,518千円(前連結会計年度は△893,417千円)となりました。収入の主な内訳は、株式の発行による収入5,350,486千円、自己株式の売却による収入364,987千円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出△1,120,121千円、リース負債の返済による支出△282,519千円によるものであります。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び投資資金です。必要資金は自己資金の活用に加えて借入金により調達しております。資金調達に際しては、多様な調達手段から時機に応じて最適な手段を検討し、財源の確保及び資本コストの最適化を図り、財務水準の健全性に努めております。

 

(4) 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、収益の継続的な成長を考えております。今後の経済見通しにつきましては、引き続き新型コロナウイルスの感染の動向が経済に与えるリスクが懸念されている事に加え、ロシアによるウクライナ侵攻もあり、未だ不透明である状況と考えられています。一方で、わが国においては2021年2月よりワクチン接種が開始されており、また、経口抗ウイルス薬(飲み薬)の開発が今後順調に進めば、感染拡大が沈静化し、旅行需要が急速に回復することも期待されています。

また、連結会計年度を通してコロナ禍であった当連結会計年度におきましても、当社グループは、主力である旅行関連事業の収益改善、広告宣伝費のコストコントロール等に取り組むことにより、予想を上回る業績となりました。2023年6月期につきましても、引き続きこれらに取り組んで参ります。

以上に基づき、2023年6月期における業績に関しましては、新型コロナウイルス感染症による影響が続くと仮定し、収益は140億円、営業利益は28億円、税引前当期利益は27.5億円、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益は17億円といたしました。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得