(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、グループ理念を「私たちは、人々の『こころ』に満足と安らぎをもたらすサービスを提供する。」と定め、全役職員の活動の基礎としております。
また、経営方針を「(1)グループの全員が心を一つにし、高い企業価値を実現する。(2)社員の自主性とパワーを最大限に生かした、社員主役の経営をすすめる。(3)どのお客様に対しても高品質のサービスを提供する。」と定め、
全役職員に示しております。
更に、行動基準を「(1)お客様のこころに響く、いい仕事をする。(2)ネットワーク、チームワークを大切にする。(3)気概を持って進歩し続ける。」と定め、その実践に努めております。
(2)経営環境と中長期的な会社の経営戦略
経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期し、経済社会活動が正常化に向かう中、各種政策の効果等もあって、国内景気の持ち直しが期待されます。一方、国際情勢等による不透明感が見られる中、原材料価格の上昇、金融資本市場の変動、供給面での制約等が懸念されるとともに、感染拡大による影響にも注視する必要があります。
また、冠婚葬祭業と石材事業を核とする当社グループを取巻く事業環境におきましても、少子高齢化による需要への影響、時流の変化による儀式・埋葬の形態の多様化、価値観や生活様式の変化に伴うお客様ニーズの変化、異業種からの業界参入等、今後も変化の激しい状況が継続するものと予想されます。
なお、新型コロナウイルス感染症の当社グループへの影響に関しましては、葬儀の小規模化、石材商品の海外からの入荷遅延や仕入原価の上昇、婚礼の需要減少並びに小規模化、生花の需要低迷等が生じております。
こうした経営環境の中、当社グループでは「第4次中期経営計画」(2023年3月期~2025年3月期)を策定し、
「成長をスパイラルアップするフレームづくり」を基本方針として掲げました。この基本方針に基づき、次のとおり重点施策に取り組んでまいります。まず、マーケティングの高度化を図るとともに、生産性向上を加速させ、価値創造のフレームづくりを推し進める所存です。また、戦略的アセットマネジメントや事業開発による業容拡大等、経営資源の集中と深化を進めてまいります。更に、人事戦略のブラッシュアップやコーポレートガバナンスの充実等、経営基盤の強化に努めます。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、第4次中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)において、持続的な成長と企業価値の向上を図るため、収益性を示す「連結売上高経常利益率」、資本効率性を示す「連結自己資本当期純利益率(RОE)」を重要な経営指標として設定しております。重点施策の着実な実行により、2025年3月期には、連結売上高経常利益
率10.0%以上、連結自己資本当期純利益率(RОE)6.5%以上を達成することを目標としております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが対処すべき主な課題及び対応策は、次のとおりであります。
① サービス及び業務品質の向上
当社グループのすべての事業において、サービスの原点は「人」であるという観点から、人事戦略を重要な課題と位置付けております。専門知識を習得したプロとしてのスペシャリストを養成するため、教育研修を充実するとともに、各種資格取得を積極的に奨励し、すべてのお客様に高品質のサービスを提供してまいります。また、継続的にリーダー人財を輩出する枠組み構築と風土醸成に注力し、サービスのみならず、あらゆる業務の品質と生産性の向上に努めてまいります。
② 変化するニーズへの対応
葬祭事業につきましては、葬祭会館の需要が定着している一方、葬儀規模は縮小傾向にあり、従来の葬送儀式よりも「家族葬」や「自分らしい葬儀」を希望する等、利用者のニーズは多様化しております。このような環境の
下、多様な葬儀形態を実現するため、小規模葬祭会館から大規模葬祭会館まであらゆるタイプの会館を用意するとともに、自宅感覚のくつろぎや葬送時の特別な空間を演出する等、施設面での充実を図っております。更に、利用者のニーズを的確に捉えた独自性の高い商品・サービスの開発、オンラインを活用した営業スタイルの拡充等を展開してまいります。
石材事業につきましては、デザイン性や希望する石種のほか、墓石の耐震化、納期の短縮化等が求められております。これらのニーズに応えるため、オリジナルデザイン墓石の開発や耐震構造墓石の提案を進めるとともに、豊富な石種の安定確保、オンラインを活用した営業スタイルの拡充等を展開してまいります。また、消費者の潜在的
なニーズの掘り起こしやお墓に関する疑問、不安を解消するため、供養周辺サービスや墓石の診断及びリフォー
ム・メンテナンス等を推進いたします。更に、埋葬方法の多様化への対応として、永代供養塔の提案や屋内納骨堂の販売代行等に努めてまいります。
婚礼事業につきましては、多様な挙式形態を実現するため、総合婚礼会場、ゲストハウス、小規模婚礼会場の3タイプの会場を用意し施設面での充実を図っております。更に、利用者のニーズを的確に捉えた独自性の高い商
品・サービスの開発、オンラインを活用した営業スタイルの拡充等を展開してまいります。
生花事業につきましては、葬祭事業における利用者のニーズを的確に捉えた生花商品の開発と、グループ内外の葬祭事業会社に対する提案を行ってまいります。また、今後も生花需要を的確に捉え、一般の生花小売店に対する生花の安定供給及びWeb販売の高付加価値化に努めてまいります。
互助会事業につきましては、会員の増加は、当社グループにおける将来の顧客基盤の確保に繋がることから、グループ全社で会員募集を推進しております。また、利用者のニーズを的確に捉えた冠婚葬祭役務サービスの開発、会報誌の発行、各種相談への窓口及びオンラインでの対応、生活情報の発信等、会員サービスの充実を図り、会員数の増加に努めてまいります。
③ 営業エリアの拡大
葬祭事業につきましては、既存の営業エリア内において、同業他社との競争は激しい状況が続いております。今後、既存葬祭会館のシェア向上に注力するとともに、葬祭会館の戦略的新規出店やM&A・アライアンス等によるエリア拡大を推進いたします。
東北地方を主たる営業エリアとする石材事業につきましては、石材卸売数量の増加を図るため、関東地区を中心とした販路拡大に注力してまいります。また、国内における墓石の需要低迷に鑑み、ベトナムにおける事業展開を拡大いたします。
生花事業につきましては、東北、北関東地区の既存営業所における販路拡大に加え、新規営業所の設置等を検討いたします。
これらの事業展開の中で、当社グループの相乗効果を最大限に引き出してまいります。
④ コンプライアンス体制の整備
当社グループは、事業活動において貨物自動車運送事業法、食品衛生法、割賦販売法、特定商取引に関する法律等の規制を受けております。法令遵守体制につきましては、コンプライアンス規程、コンプライアンス・マニュアル等に則り、原則毎月1回開催するコンプライアンス・リスク管理委員会や、適宜実施する勉強会等を通して全役職員への徹底を図っております。更に、組織的または個人的な、違法または不適切な行為に関する情報や疑念を伝えることができるよう、内部通報制度・相談窓口を整備し、全役職員及び当社の取引先に対して周知しておりま
す。
⑤ レジリエンシーの高いリスクマネジメント
自然災害、感染症拡大等は企業活動にとって予測困難なものであります。
当社グループは、2011年3月11日に発生した東日本大震災及び福島第一原子力発電所の事故等を教訓とし、事業継続計画を策定いたしました。また、昨今の気候変動がもたらす自然災害や新型コロナウイルス感染症の拡大等による影響を最小限に留めるための対策に努めております。引き続き、事業継続計画を随時見直すとともに、定期
的・体系的な環境変化の認識とリスクの感知、迅速なリスク対応の検討等を強化してまいります。
⑥ サステナビリティを巡る課題への対応
当社グループは、ライフサポート事業を通じた社会貢献はもとより、真に豊かな社会の実現に向け、企業市民としての責任を果たすべく、「福祉分野」「文化・スポーツ分野」「環境分野」を中心に様々な活動に取り組んでおります。今後、中長期的な企業価値向上の観点から、環境問題への配慮、働く環境の整備、ガバナンスの実効性強化等のサステナビリティを巡る課題に対して、より能動的・積極的に取り組むため、基本方針の策定、推進するための枠組みの整備、目標管理及び効果測定等を進めてまいります。
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