事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業上のリスクと考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しないものについても、投資判断の上で、あるいは当社グループの事業を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、当社株式への投資に関する全ての事業リスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業内容に関するリスクについて

① 特定事業への依存リスクについて

 当社グループは2018年11月期における多角経営方針の見直しに伴い、不動産開発事業、不動産フランチャイズ事業、飲食事業、AI事業、音楽事業等より撤退いたしました。これにより当社グループの主たる事業は、主に不動産賃貸業界を介して提供する緊急駆けつけサービスを提供する「住生活関連総合アウトソーシング事業」と家賃等決済代行サービスを提供する「決済ソリューション事業」となり、今後については、引き続き不動産賃貸業界以外向けサービスの開発・提供を進めるものの、この傾向は継続していくものと想定しております。

 このため、後述する競合状況の激化などにより、緊急駆けつけサービス、家賃決済代行サービスの業績が悪化した場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

② サービスレベルの確保に関するリスクについて

 コールセンター品質及びACT-NET加盟企業の作業品質が当社グループのお客様満足度に直接的に結びついております。

 ACT-NET加盟企業においては、当社グループの基準による調査、与信管理等を行った上で契約先を厳選しており、定期的に教育指導を行っておりますが、当社グループが求めるACT-NET加盟企業への作業レベルが高いものであるため、必然的に加盟企業の絶対数が不足する可能性があること、またACT-NET加盟企業自体が独立した経営主体であることから、個々に潜在的なリスクを内包しております。

 また、コールセンターにおいても、100時間に及ぶ研修をクリアしたコミュニケーターのみがお客様の対応を行う体制をとっており、対応品質を一定に保つべく定期的なモニタリングと適正な評価を行っておりますが、当社グループが適切な人材マネジメントを行うことができなかった場合、業務品質や業務効率が低下する可能性があります。

 コミュニケーターの一次対応及びACT-NET加盟企業の出動作業において重大なクレームを発生させた場合には、当社グル―プの信用を失墜し、更には業務提携先との業務委託契約が解消される可能性があり、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

③ 気候変動や天災等に関するリスクについて

 住生活関連総合アウトソーシング事業においては、天候不順や異常気象、地震等の発生により想定数を超えるお問合せが入った場合においては、人員増員、出動数増加等により原価率が上昇し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、天災等の発生状況によっては、コールセンター回線の混雑やACT-NET加盟企業の出動が確保できない状態が発生し、通常とおりのサービス提供ができかねる場合があります。

 

④ 競合に関するリスクについて

 当社グループの事業は、全国的な住居等物件提供者のネットワークが必要であり、新規参入が困難なことから、現状では過当競争等による重要な影響は受けておりません。

 しかし、事業範囲を一部のサービスに特化した場合、当社サービスを取り扱っている住居等物件提供者が自ら同等のサービス提供を開始したり、競合他社が当社グループと同等のサービスレベルとなり、価格改定を行った場合などにおいては、当該サービスにおいて、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 知的財産権に関するリスクについて

 当社グループは、商標権をはじめとして当社グループの事業に必要な知的財産権等確保に努めるとともに、具体的な業務の遂行にあたり、第三者の知的財産権その他の権利又は利益を侵害しないよう努めており、これまで他者の知的財産権を侵害したとして、損害賠償や使用差止の請求を受けたことはありません。しかしながら、今後当社グループが予期せず第三者との間で、知的財産権等の帰属・侵害に関する主張及び請求を受ける可能性は完全には否定できず、当該第三者より損害賠償請求や使用差止請求等を受ける可能性があり、かかる場合には当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 個人情報の管理について

 当社グループは多数の会員の個人情報を取得しており、今後のサービス拡大に伴い当社が取り扱う個人情報は増加することが予想されます。当社グループでは、個人情報の取扱と管理に細心の注意を払い、社内でのルール化やその手続きの明確化・徹底化を図っております。また当社は一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)よりプライバシーマーク付与の認定を受け、子会社においては情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を取得し、これに準じて社内体制を整備し、情報管理への意識を高めております。

 これらの対策により、個人情報等が漏洩する可能性は極めて低いと考えておりますが、今後、何らかの原因により顧客情報の流出等の問題が発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や信用低下により、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(2)システム障害におけるリスクについて

 当社グループの事業は、顧客へのサービス提供においてコンピューターシステムを利用しているため、自然災害や事故等によって通信ネットワークが切断された場合、また、設備の不備、開発運用ミス、電力供給の停止等の予測不可能な様々な要因によってコンピューターシステムがダウンした場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 また、当社グループのコンピューターシステムは、適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避するよう取り組んでおりますが、コンピューターウイルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)自然災害、事故等のリスクについて

 当社グループの主要な事業拠点は、本社所在地である東京都であります。当該地区において大地震、大型台風等の自然災害及び事故、火災等により、業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障をきたす可能性があり、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(4)会社組織に関するリスクについて

① 優秀な人材の確保及び育成について

 当社グループが事業拡大を進める上では、優秀な人材の確保、十分な育成体制、また定着率向上を目的とした環境整備が重要な課題であると認識しております。当社グループでは、これら課題への対応として継続的な採用活動を行うとともに、研修制度の拡充、評価制度の整備をはじめ従業員のモチベーションを維持向上させる仕組みづくりに取り組んでまいります。

 しかしながら、当社グループの求める人材が十分に確保できない場合、現在在職している人材が流出し必要な人材が確保できなくなった場合、又は当社グループの事業の拡大に伴い適切かつ十分な人的又は組織的対応ができなくなった場合、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 小規模組織に伴うリスクについて

 当社グループの従業員は、現在160名(2020年9月30日現在)と組織規模も小さく、内部管理体制は相互牽制を中心としたものとなっております。当社グループの今後の事業拡大に応じて従業員の採用・育成を行うとともに業務執行体制の充実を図る必要があります。これらの施策が適時適切に遂行できなかった場合においては、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 内部管理体制の強化について

 当社グループは、企業価値の継続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。

 業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底してまいりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)ストック・オプション行使における株式価値の希薄化について

 当社は、取締役及び従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。

 今後につきましてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加えて、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合には、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。なお、当連結会計年度末現在における新株予約権による潜在株式数は329,800株であり、発行済株式11,249,500株の2.9%に相当します。

 

(6)新型コロナウィルスの蔓延による事業継続への懸念事項について

 新型コロナウィルスの世界的蔓延による影響を受け、事業活動への影響が懸念されております。当社グループにおいては、従業員による「密閉、密集、密接」環境下に対する回避の徹底、時差通勤、在宅勤務の推進、リモート会議の活用、出張の自粛等による感染防止及び感染拡大リスク低減のための措置を講じております。それにもかかわらず、コールセンターなどの当社グループの従業員等に罹患者が発生した場合には、代替要員や外注先の確保等による臨時費用等が発生する可能性があり、また、何らかの理由で当社グループにおいて一時的に事業を継続することができなくなった場合には、サービスの停止等による事業機会の損失が発生する可能性があります。

 また、住生活関連総合アウトソーシング事業、決済ソリューション事業及び不動産総合ソリューション事業において、取引先や会員様における新型コロナウイルスの蔓延による影響により、売掛金の回収が困難になる可能性があります。

 

(7)親会社との関係に関するリスクについて

  当社は2020年6月15日付けで、株式会社光通信を割当先とし、新株式2,782,900株を発行する第三者割当増資を実施しております。2020年9月末日において、株式会社光通信は、議決権割合52.0%を所有する当社の親会社となっています。 当社は株式会社光通信を中核とする企業グループ(以下「光通信グループ」といいます。)に属しております。

 当社グループは、住生活関連総合アウトソーシング事業及び決済ソリューション事業といった独自の事業を行っており、独立した経営体制をとっておりますが、光通信グループの経営方針に変更が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響が発生する可能性があります。

 

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