課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「未来の子供たちのために、最先端のメタボローム解析技術とバイオ技術を活用した研究開発により、人々の健康で豊かな暮らしに貢献する」ことを企業理念とし、その達成のために、ヘルスケア分野の研究開発に携わる人々のベストパートナーとして、画期的なヘルスケア製品・サービスの創造に貢献する[ヘルスケア・ソリューション・プロバイダー]を目指して活動をしてまいります。

これらの活動を通じて、産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力の向上(SDG’s目標9)に貢献していきます。その結果クライアント企業及び自社の製品化・サービス化により、健康危険因子の早期警告・緩和・管理、感染症などへの予防・対処、精神保健などの改善(SDG’s目標3)に貢献していきたいと考えております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、前連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純利益を計上し、当連結会計年度におきましても大幅な増収増益となりました。引き続き収益を伴う持続的な成長を遂げていくことがステークホルダーから期待されているものと認識しております。

2021年9月に開示いたしました2026年6月期までの5年間の中期経営計画におきましては、当社の企業理念の実現に向けた道のりの通過点として、最終年度には以下の経営指標を目標としております。

 

1)連結売上高    16億円(5年間平均年率成長率7%以上)

2)親会社株主に帰属する当期純利益   2億円

3)財務体質    配当可能な財務体質への転換

 

(3) 経営環境

当社が属するライフサイエンス業界は、少子高齢化といった国内環境にあっても、成長が見込まれる数少ない分野の一つであります。また現在の新型コロナウイルス感染症対策のみならず将来の感染症予防・対策への関心も高く、研究開発投資が高水準で継続しており、今後も同様に推移することが想定されます。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載したとおり、当連結会計年度での直接的な影響は軽微であったと考えております。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

当社グループの中期経営戦略は、基盤となる先端研究開発支援事業の持続的収益拡大とヘルスケア・ソリューション事業の早期確立です。

先端研究開発支援事業では、新サービスメニューの拡充や生産性の向上を通じて、さらなるオペレーショナル・エクセレンスを高めてまいります。この結果、当面は当該セグメントからの利益が当社グループ全体の利益成長を牽引することを計画しております。

ヘルスケア・ソリューション事業では、開発中のバイオマーカーの社会実装に向けて取り組むとともに、ヘルスケア分野における新規事業の創出を目標としてまいります。当該セグメントは当面セグメント損失が続きますが、費用対効果の高い開発投資を継続することで2026年6月期には1億円程度の売上を計上し、全社共通配賦経費を除けばセグメント利益を計上できることを目指します。

上述の中長期的な会社の経営戦略に基づいて、当社グループが対処すべき課題は以下のとおりです。

① 先端研究開発支援事業の持続的成長と収益力の向上

 新解析サービス拡充に向けてさらなる技術開発を進め、最先端の研究開発を支援してまいります。そのために、当社が競争優位性を持つ高感度網羅解析技術を進化させ、付加価値の高いサービスを提供してまいります。特に、ニーズが増大しているヒト臨床試験等での利用拡大に注力し、拡販に努めてまいります。さらに、測定時間短縮メソッドの運用や生産工程の一部ロボット化等による生産性向上を図ってまいります。

 また、業務提携等を通じて、他のオミクス解析メニュー等の拡充・強化を図り、お客様の先端研究を支援するサービス・プロバイダーを目指してまいります。2020年6月期において業務提携を行ったリピドーム解析は、サービスメニューの拡充と拡販に注力した結果、特に製薬企業からのニーズを捉え、好調に推移しております。今後ともお客様のニーズを満たす高付加価値サービスの開発・導入などにより、持続的な成長を目指してまいります。

 

② ヘルスケア・ソリューション事業の推進

 メンタルヘルスや軽度認知障害に関連するバイオマーカー等につきましては、引き続きアカデミアとの研究開発を推進していくとともに、早期社会実装に向けて取り組んでまいります。

 ヘルスケア分野における研究開発を支援することを目的として、2021年12月にバイオマーカー探索サービス「メタボロインデックス」を上市し、2022年5月には業務提携により非侵襲的に生体情報の測定を可能とする皮膚ガス測定サービスの提供を開始いたしました。このような新たなサービス開発・導入・連携等を通じて、新規事業を早期に立ち上げ、ヘルスケア分野におけるソリューションプロバイダーを目指してまいります。

 また、バイオマーカーとしての利用や再生医療など治療への応用が期待されているエクソソームにつきましては、アカデミア等との共同研究を継続し、エクソソーム精製をはじめとする関連技術開発に取り組んでまいります。

 以上のように、新規ソリューション開発及び新規事業開発に継続して取り組み、ヘルスケア・ソリューション・プロバイダーとして研究開発に携わる人々のベストパートナーとなることを目指してまいります。

③ リスク管理体制の強化

 基本経営戦略では、新規サービス、新規ソリューションの開発・導入が持続的成長のカギとなるため、多くのチャレンジをバランスよく行うことが求められており、全社としてのリスク管理体制を整備していくことが重要となっています。また事業環境の変化に伴うリスクも増加しており、これらに対する不断の対策検討も必要となっています。

 当社ではリスク管理委員会による全社横断的なリスク評価と対策検討を行うことに加えて、月次開発会議での開発に係る討議を行うことで、機動的なリスク管理を実施しております。またサイバーセキュリティリスクに関しても、一定の対策を講じ、継続的に対応強化を推進しております。

④ 従業員の成長

 当社の付加価値を創造しているのは従業員です。当社がヘルスケア・ソリューション・プロバイダーへ成長するためには、従業員が新たな価値を創造し、社会実装につなげるという一連のサイクルを高速に回すことが重要となります。そのためには、従業員のさらなる成長が不可欠であり、新たな取り組みにも積極的にチャレンジし、成長できる環境(体制・ツール)の整備などに取り組んでまいります。

 

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