業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する記載事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)の世界経済情勢は、多くの国で新型コロナウイルス感染症の変異株が流行するも経済活動との両立を図る動きが見られました。しかしながら、中国のゼロコロナ政策による生産・物流の停滞や、ロシア連邦によるウクライナへの軍事侵攻に伴い、グローバルサプライチェーンの混乱、物価上昇圧力など、いまだ先行きは不透明であります。

当社グループの経営環境におきましては、コロナ禍からの正常化がグローバルに進み、製造業全般において生産設備の自動化・高度化ニーズにより設備投資が積極的に行われました。依然として新型コロナウイルス感染症や需要の波の影響によるサプライチェーンの停滞により部品調達が不安定ではありますが、地産地消の考えのもと生産効率を高め顧客のニーズを的確に捉え、前年同期に対し増収増益となりました。

これらの結果、経営成績では、売上高は281億21百万円(前期比27.6%増)、営業利益は28億85百万円(前期比112.8%増)、経常利益は30億30百万円(前期比124.6%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は23億8百万円(前期比85.0%増)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は9億94百万円増加し、営業利益、経常利益、税金等調整前当期純利益はそれぞれ2億71百万円増加しております。

財政状態では、流動資産は、前連結会計年度末対比46億9百万円増加し、322億76百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末対比4億70百万円増加し、150億63百万円となりました。資産合計は、前連結会計年度末対比50億79百万円増加し、473億40百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末対比32億27百万円増加し、127億52百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末対比3億40百万円減少し、6億68百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末対比28億86百万円増加し、134億20百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末対比21億92百万円増加し、339億19百万円となりました。なお、受取手形及び売掛金、仕掛品、前受金の増減額には、収益認識会計基準等の適用による影響が含まれております。また、同適用により利益剰余金の期首残高も6億4百万円減少しております。

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

 

(ワインディングシステム&メカトロニクス事業)

当社は、オープンイノベーションや当社独自のプラットフォームを駆使した「ブルーレイク戦略」によって新たに創出されるニーズにも、スピーディーに対応できるトータル精密FAラインを用いたシステム構築を強化し、既存領域の深化と周辺事業領域の探索を進めました。また、商談・仕様打合せ・完成確認・設置サポートなどのリモート化を進めることにより、生産の効率化や製造コストの削減などによる生産性及び競争力の向上を図りました。

これらの結果、全売上高の94%を占めるワインディングシステム&メカトロニクス事業においては、連結売上高は、264億70百万円(前期比31.9%増)、セグメント利益(営業利益)は、31億54百万円(前期比87.7%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は9億94百万円増加し、営業利益は2億71百万円増加しております。また、当社個別ベースでの受注高は、196億75百万円(前期比21.1%増)、売上高は、203億33百万円(前期比31.6%増)、当期末の受注残高は、159億42百万円(前期比45.1%増)となりました。

 

(非接触ICタグ・カード事業)

前期堅調な推移だった非接触ICカードに一服感があり、売上は減少しましたが、FAタグは引き続き顧客からの引き合いも盛況で受注額は増加し、前期比2倍強となりました。

これらの結果、連結売上高は、16億51百万円(前期比16.4%減)、セグメント利益(営業利益)は、5億52百万円(前期比14.9%増)となりました。なお、当社個別ベースでの受注高は、26億31百万円(前期比134.5%増)、売上高は、16億51百万円(前期比16.4%減)、当期末の受注残高は、12億48百万円(前期比365.6%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末対比16億57百万円増加し、117億68百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は26億89百万円(前連結会計年度は26億87百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益が30億30百万円、棚卸資産の減少が13億90百万円があったものの、売上債権の増加が6億51百万円、前受金の減少が14億56百万円あったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は7億14百万円(前連結会計年度は6億88百万円の支出)となりました。これは主として、定期預金の払戻による収入が27億35百万円あったものの、定期預金の預入による支出が27億67百万円、保険積立金の積立による支出が4億62百万円あったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は8億48百万円(前連結会計年度は6億81百万円の支出)となりました。これは主として、配当金の支払が5億41百万円あったことによるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

当社グループ(当社及び当社の関係会社)の生産・販売品目は多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことが適当ではないと判断し、当社個別ベースの数字を示しております。

このため、生産及び受注の状況については、「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連づけて、当社個別ベースの数字で示しております。

また、販売の状況については「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に同じく関連づけて、従来どおり連結ベースの数字で示しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。

イ 経営成績の分析

(売上高・営業利益)

当連結会計年度のセグメントごとの売上高、営業利益の概況につきましては「① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

(売上原価・売上総利益)

当連結会計年度は、生産の効率化や製造コストの削減などにより、売上原価率は前連結会計年度の75.9%から74.8%(1.1ポイント減少)と改善し、当連結会計年度の売上総利益は70億86百万円前期比33.6%増)となりました。

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、主に給与手当・賞与及び減価償却費の増加により、42億円前期比6.4%増)となりました。

(営業外収益及び営業外費用)

営業外収益は、受取利息52百万円、固定資産売却益50百万円などがあり2億86百万円、営業外費用は、為替差損80百万円、固定資産除却損26百万円などがあり1億42百万円となりました。この結果、営業外損益は1億44百万円の収益となり、経常利益は30億30百万円前期比124.6%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

以上の要因により、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は23億8百万円前期比85.0%増)となりました。

ロ 財政状態の分析

(資産)

流動資産は前連結会計年度末対比 46億9百万円増加 し、 322億76百万円 となりました。これは主として、現金及び預金が18億30百万円、仕掛品が30億31百万円増加したことによります。
 固定資産は前連結会計年度末対比 4億70百万円増加 し、 150億63百万円 となりました。これは主として、建物及び構築物が2億16百万円減少したものの、投資有価証券が2億97百万円、退職給付に係る資産が1億6百万円増加したことによります。
 この結果、資産合計は前連結会計年度末対比 50億79百万円増加 し、 473億40百万円 となりました。

(負債)

流動負債は前連結会計年度末対比 32億27百万円増加 し、 127億52百万円 となりました。これは主として、前受金が30億73百万円増加したことによります。
 固定負債は前連結会計年度末対比 3億40百万円減少 し、 6億68百万円 となりました。これは主として、繰延税金負債が1億17百万円減少したことによります。
 この結果、負債合計は前連結会計年度末対比 28億86百万円増加 し、 134億20百万円 となりました。

(純資産)

純資産合計は前連結会計年度末対比 21億92百万円増加 し、 339億19百万円 となりました。また、自己資本比率は71.1%(前連結会計年度末は74.5%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況の分析)

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金を基本としております。

資金の流動性は、営業活動により得られた資金は26億89百万円となり、配当金の支払に5億41百万円を使用するなどした結果、現金及び現金同等物の増減額は16億57百万円の増加となり、117億68百万円の期末残高となりました。当社グループは、今後も営業活動によるキャッシュ・フローの確保に向けて努力してまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りや前提が必要となりますが、当社グループは、過去の実績や現状等を勘案し、最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる可能性があります。

前述の将来の業績に関する予想、計画、見通しなどは、現在入手可能な情報に基づき当社の経営者が合理的と判断したものであります。実際の業績はさまざまな要因の変化により、本資料の予想、計画、見通しとは大きく異なることがありうることをあらかじめご理解ください。そのような要因としては、主要市場の経済状況及び製品需要の変動、為替相場の変動及び国内外の各種規制並びに会計基準・慣行等の変更などが考えられます。

なお、ウクライナ情勢及び新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

重要な会計方針については、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等  注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

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