課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

① お客様一人一人のニーズに応える

② お客様からの注文には迅速かつ正確に応える

③ 適正価格を維持するため原価を引き下げる努力をする

④ 当社の取引先には適正な利益を上げる機会を提供する

⑤ 社員が安心して仕事に従事できる環境の維持・向上に努める

⑥ 社員の提案が自由にできる環境を提供し続ける

⑦ 地域No.1店を目指す

⑧ 有益な社会事業及び福祉に貢献する

⑨ 適切な租税を負担する

⑩ 健全な利益を追求する

この経営方針のもと、経営基盤の拡充及び経営の効率化を図り、企業価値の最大化に努めてまいります。

 

(2) 経営環境

長引く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、人々のライフスタイルが変化しており、当社グループを取り巻く環境は、引続き先行き不透明な状況が続くものと思われます。

 

(3) 目標とする経営指標

当社は、売上総利益率、営業利益率の維持・向上を図ると共に、店舗ごとのコストパフォーマンスを重視した経営により、収益体質の強化に努めてまいります。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

① 和装事業について
イ.ブランディング力向上

ショッピングモール、ショッピングセンターなど集客性の高い場所への出店。

ロ.リピーターの獲得

悉皆(注1)やリサイクル等、リペア事業に注力。

ハ.写真館、美容室等との提携強化

当社の事業と親和性の高い写真館、美容室との提携強化・相乗効果により新規顧客発掘を推進。

ニ.O2O(注2)戦略推進

店舗への集客力アップにつながる仕組みの構築・強化。

ホ.着方教室の展開

きものを着る機会を提供し、きものを着ることの楽しさを感じていただき、きものファン拡大に注力。

へ.SPA(注3)強化

消費者の嗜好の移り変わりを迅速に商品に反映させ、かつ、より価格競争力のある商品提供による競合他社との差別化。

ト.ワンストップサービス(注4)戦略推進

顧客にとっての利便性を追求したワンストップサービスによる競合他社との差別化。

 

(注1)「悉皆」とは、きもの等の丸洗い、シミ抜き、刺繍直し、仕立直し等、きもの等にまつわるお手入れ全般を指します。

(注2)「O2O」とは「Online to Offline」の略で、インターネット上のウェブコンテンツやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)におけるサービス(Online)を実在する店舗(Offline)での集客力アップや購買促進につなげる仕組みのことを指します。

(注3)「SPA」とは、Speciality store retailer of Private label Apparelの略で、「製造小売」の意味であります。企画から製造、小売までを一貫して行うビジネスモデルを指します。

 

(注4)「ワンストップサービス」とは、当社グループ店舗において成人式用の振袖等をお求めいただいた顧客に対して自社所有フォトスタジオでの前撮り写真撮影、成人式当日のメイク・着付け等を提供するサービスを指します。

 

② ウエディング事業について
イ.プロデュース体制維持・強化

コンシェルジュ、コンダクターから料理、写真、装花、美容など各セクション内製化(社員)。各セクションの専門スタッフがチームとなりカップル一組一組をプロデュース。

ロ.リゾートウエディング展開

沖縄への進出。

ハ.海外展開

アジアマーケットへの進出。

ニ.トレンドに合わせたプランの提供

夏プラン・冬プラン・直近プラン・挙式のみ・パーティーのみ等カップル一組一組のニーズに合わせたプランの開発、提供。

ホ.広告強化

認知度向上、新規集客数増を目指し結婚情報誌等への積極的な広告掲載。

 

(5) 会社の対処すべき課題

  当社グループは、「日本文化をもっと身近にする」「私たちのおもてなしを世界に広げる」「世の中を楽しく

変えていく」を経営理念に掲げ、和装事業として呉服等の販売、振袖等の販売・レンタル、成人式の前撮り写真

撮影サービス、成人式当日の着付け及びメイクサービス、きものの着方教室の運営等、並びにウエディング事業

として結婚式場の運営等を行っております。

 各事業の対処すべき課題は以下のとおりです。

 

① 和装事業

イ.出店コスト・店舗運営費用の削減による収益性の向上

創業当時、呉服業界では、売れ残った在庫商品は小売店が製造元に返品するという商習慣が一般的でした。この商習慣により、呉服商品は、製造元にとっては返品リスクがあることから自ずと高値となり、消費者にとって敷居の高いものとなっておりました。そこで、当社グループではリーズナブルな価格で顧客に商品を提供するため、製造元から呉服商品を現金で買い取る仕入制度を導入し、「小売主体の流通の構築」「適正価格の実現」を図ってまいりました。

また、顧客の多様なニーズに応えるためには、販売チャネルを増やすことが必要であると考え、創業当時から行っている催事販売に加え店舗販売にも力を入れてまいりました。具体的には、顧客が来店しやすい全国主要都市のオフィスビルやショッピングセンターへの出店、きものを着て楽しむイベントの開催、着方教室の運営等により業容拡大に努めてまいりました。

しかし、出店費用、店舗運営費用、外展費用、広告宣伝費等が増加傾向にあり、当事業の課題となっております。加盟店の出店など、より効率的な出店計画を策定し、店舗を使用したイベント開催を行うことで会場費、設営費、委託人件費を抑え、収益性の更なる向上に努めてまいります。

 

ロ.少子化に伴う若年層の減少と受注金額の増加対策

成人式用の振袖及び卒業式用の袴等の販売並びにレンタルを行っている当社グループの主要顧客は、成人式や卒業式を迎える女性でありますが、少子化に伴う若年層の減少と多様化する顧客のニーズへの対応が課題であります。

少子化に伴う若年層の減少に対しては、人口が集中する首都圏の中でも特に大学・高校の集中するターミナルへの出店を進めることで受注を拡大させてまいりました。更に、中堅都市に出店をしている着方教室の分校を活用した振袖催事を行うことで販促エリアを拡大し、ソーシャルメディアを有効に活用することで当社の認知度を向上させてまいります。

 

多様化する顧客のニーズに対しては、商品面では多種多様な振袖在庫に加え時代のニーズに合わせた商品を仕入れ顧客に提供することで受注の増加に努めてまいりました。更に、当社グループでは仕入後3年間一度も回転しなかった在庫品については当社グループ「棚卸資産管理規程」に規定する評価基準に従い商品評価損を計上しておりますが、回転が鈍い在庫品の見える化を行い積極的に販売していくことで、商品回転数の増加を図り、商品評価損の計上額の最小化に努めております。

サービス面では当社グループで振袖等をお求めいただいた顧客に対して提供するワンストップサービス、成人式写真撮影スタジオの運営、着方教室の運営、悉皆サービス、また、長い和装の歴史の中で、多くの企業がチャレンジしては軌道に乗せられなかったデザインから生地の選定、製造、販売まで一貫して行う、振袖のSPA化に成功いたしました。究極の和装企画販売を展開することで、顧客の好みに応じた商品の価格を抑えて販売することにより、競合他社との差別化を図り、受注金額を増加させてまいります。

 

ハ.新型コロナウイルス感染拡大による影響

和装事業におきましては、新型コロナウイルスによる感染症拡大防止のための自粛に伴う一部店舗の営業時間短縮などはありましたが、自治体による成人式及び大学の卒業式については大きな影響を受けることなく開催され、業績回復に大きく寄与することができました。

今後も新型コロナウイルス感染予防対策を実施しての店舗運営や催事開催、また、自宅にいながら気軽にきものの着方が学べるオンライン講座の充実等、対策を行ってまいります。

② ウエディング事業
イ.新型コロナウイルス感染拡大による挙式・披露宴の中止及び延期の影響

ウエディング事業におきましては、新型コロナウイルス感染拡大による挙式や披露宴等の中止及び延期による売上の減少の長期化が最大のリスクと捉えております。ブライダルフェアや各式場のホームページにおいて、徹底した感染予防対策を告知するなど、挙式の中止及び延期の防止と集客に力を入れております。

 

ロ.式場のリニューアル及び改装での稼働率維持・向上

既存式場につきましては、持続的な成長、企業価値を向上させるために、結婚式場のリニューアル及び改装が課題となっております。

お客様のニーズに対応した現代における挙式スタイルの変化に伴うバンケットの変更を行ってまいります。

また、団結・結束を意味する「ユニティ」をキーワードに、心が通い合う少人数の結婚式として、30名様までのウエディングプラン「ユニティウエディング」の販売を継続して、コロナ禍での顧客獲得に努め、式場の稼働率を向上させてまいります。

 

ハ.リゾートホテル&結婚式場の建設

沖縄におけるリゾートホテルと結婚式場の建設にあたり、現地自治体の各許認可の取得を進めて3年以上が経過して長期化しております。コロナ禍における更なる遅れの懸念もありますが、役所と歩調を合わせて対応をしております。現状は、最終的なすべての許認可取得に向けて対応を進めております。

 

ニ.アジアマーケットにおけるウエディング事業の拡大

アジアマーケットにおけるウエディング事業の拡大が課題であります。2019年3月に中国の上海に1施設目の結婚式場をオープンし、2施設目につきましても今年度中のオープンを目指しております。中国は年間の婚姻件数が約1,200万件と言われる大変魅力的なマーケットであり、また、富裕層を中心にウエディングドレスやガーデンセレモニーといった婚礼の西洋化も進んでおります。現在、中国では希少な日本企業による結婚式場として、当社の強みである本物志向にこだわった内装と最先端の演出、そして「おもてなし」を重視したサービスでアジアマーケットにおけるウエディング事業の拡大を図ってまいります。

 

 

③ 全社
事業効率の最適化並びに各種コストの見直し

当社では、2021年4月に子会社である株式会社ChouChouを吸収合併、2022年3月に東京本社を移転するなど、コロナ禍において、事業効率の最適化を図ってまいりました。今後も、子会社を含めたグループ全体の費用対効果を検証し、事業効率の最適化並びに各種コストの見直しを図ってまいります。

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