業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

イ.経営成績

当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動制限の段階的緩和により、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。しかし、記録的な円安や、物価・エネルギー価格の上昇が経済全体に影響を及ぼしています。世界経済においては、半導体関連製品を発端とした様々な製品の不足や長納期化、原材料費の上昇が続いており、また、インフレリスクに対応した欧米諸国での政策金利の引き上げなど、先行きが不透明な状況となっています。

当社の装置関連事業が主な対象とする、米国太陽電池関連市場については、州や企業が積極的に再生可能エネルギーを導入してきたことに加え、太陽光発電の更なる普及と関連サプライチェーンの自立化を目的とする国内製造支援施策を盛り込んだインフレ抑制法が成立したことにより、これまでの予想を大きく上回る長期的な市場の成長が予測されています。太陽電池製造装置以外のFA装置に関しては、日本国内では電子部品業界など、好調な業界を中心に設備投資の継続が見込まれています。

当社の環境関連事業が属する太陽光発電業界におきましては、当社検査サービスの対象となる固定価格買取制度(FIT)の認定済み太陽光発電所が順次設置されているほか、企業や自治体でも電力購入契約(PPA)等のスキームを利用した自家消費用の太陽光発電の導入が進んでいます。また、東京都などの自治体が太陽光パネルの設置を新築建物に義務付ける方針を打ち出し、設置量の増加に伴って排出される太陽光パネルの増加も予想されることから、リユースやリサイクルのしくみの整備が各地で検討されています。欧米、豪州等でも太陽光パネルのリサイクル事業に参入する事業者が増加しています。

このような状況下、当連結会計年度の売上高は4,379百万円(前期比3,444百万円の減収)となり、やや予定を下回りました。利益面においては、部品の長納期化や値上がりの影響前の案件を主に売上計上したことに加え、製品保証引当金を取り崩したことで、結果的に利益率が高くなりました。また、販売管理費が減少したことにより、営業利益は620百万円(前期比551百万円の減益)、経常利益は617百万円(前期比533百万円の減益)となりました。植物工場ビジネスの生産設備を減損し、特別損失として82百万円を計上したことで、親会社株主に帰属する当期純利益は379百万円(前期比399百万円の減益)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりです。

(装置関連事業)

装置関連事業におきましては、米国の太陽電池メーカーである主要顧客に対し装置の増設や改造を行ったほか、国内太陽電池メーカーに太陽電池製造装置を売上計上しました。また、安定的取引のある電子部品業界の国内主要顧客や、自動車業界等の顧客へFA装置を売上計上し、売上高は4,090百万円(前期比3,421百万円の減収)、製品保証引当金の取り崩しや販売管理費の減少等により営業利益は1,218百万円(前期比512百万円の減益)となり、予定を上回りました。

(環境関連事業)

環境関連事業におきましては、太陽光発電所の検査サービスを予定通り実施したほか、リユース・リサイクルやパネル解体装置による売上を計上しましたが、パネル解体装置の海外案件で船便の遅れに伴い現地検収時期が先になり、売上計上が来期(2023年8月期)となったことにより、売上高は288百万円(前期比23百万円の減収)、営業損失25百万円(前期は営業利益29百万円)となり、予定を下回りました。

ロ.財政状態

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は8,702百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,747百万円の増加となりました。これは主として、仕掛品の増加2,862百万円、流動資産のその他の増加276百万円があった一方で、現金及び預金の減少241百万円、電子記録債権の減少100百万円があったことによるものであります。固定資産は3,594百万円となり、前連結会計年度末に比べ455百万円の減少となりました。これは主として、建物及び構築物の減少181百万円、繰延税金資産の減少152百万円があったことによるものであります。

この結果、総資産は、12,296百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,292百万円の増加となりました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は5,127百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,153百万円の増加となりました。これは主として、買掛金の増加212百万円、電子記録債務の増加1,473百万円、前受金の増加761百万円があった一方で、製品保証引当金の減少207百万円があったことによるものであります。固定負債は58百万円となり、前連結会計年度末に比べ14百万円の増加となりました。これは、退職給付に係る負債の増加14百万円があったことによるものであります。

この結果、負債合計は、5,186百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,168百万円の増加となりました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は7,110百万円となり、前連結会計年度末に比べ123百万円の増加となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益379百万円の計上、為替換算調整勘定の増加80百万円があった一方で、利益剰余金の配当43百万円、自己株式の取得310百万円があったことによるものであります。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益の計上535百万円、減価償却費の計上、売上債権の減少、仕入債務の増加、前受金の増加があった一方で、製品保証引当金の減少、棚卸資産の増加、有形及び無形固定資産の取得による支出、自己株式の取得による支出、配当金の支払額があったことにより、前連結会計年度末に比べ241百万円減少し、3,084百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果取得した資金は83百万円(前連結会計年度は1,629百万円の取得)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益の計上535百万円、減価償却費の計上225百万円、売上債権の減少205百万円、仕入債務の増加1,682百万円、前受金の増加749百万円があった一方で、製品保証引当金の減少207百万円、棚卸資産の増加2,874百万円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は4百万円(前連結会計年度は232百万円の支出)となりました。これは主として、有形及び無形固定資産の取得による支出67百万円があった一方で、有形固定資産の売却による収入31百万円、投資活動その他の増加31百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は353百万円(前連結会計年度は126百万円の支出)となりました。これは、自己株式の取得による支出310百万円、配当金の支払額43百万円があったことによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

装置関連事業

8,339,745

246.7

環境関連事業

400,303

135.7

合計

8,740,049

237.8

(注)金額は販売価格によっております。

ロ.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

装置関連事業

6,241,300

116.4

7,943,708

137.1

環境関連事業

673,135

312.1

485,406

480.3

合計

6,914,435

123.9

8,429,115

143.0

ハ.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

装置関連事業

4,090,439

54.5

環境関連事業

288,795

92.6

合計

4,379,235

56.0

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年9月1日

至 2021年8月31日)

当連結会計年度

(自 2021年9月1日

至 2022年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

First Solar Vietnam Mfg Co., Ltd.

1,766,676

40.3

Tesla,Inc.

459,282

10.5

FIRST SOLAR,INC.

442,717

10.1

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における当社グループの経営成績については、売上高は4,379百万円(前期比3,444百万円の減収)となり、やや予定を下回りました。米国の太陽電池メーカーである主要顧客に対し装置の増設や改造を行ったほか、国内太陽電池メーカーに太陽電池製造装置を売上計上しました。FA装置については、国内電子部品業界の国内主要顧客や、自動車業界等の顧客へ売上計上しました。また、太陽光発電所の検査サービスを予定通り実施したほか、リユース・リサイクルやパネル解体装置を売上計上しましたが、パネル解体装置の海外案件で船便の遅れに伴い、現地検収時期が翌期になりました。

営業利益は620百万円(前期比551百万円の減益)となり、業績予想を上回りました。これは主に、製品保証引当金の取り崩しや販売費及び一般管理費等の減少になったことが要因であります。

なお、研究開発費の総額は52百万円となり、前連結会計年度よりも12百万円の減少となりました。当社顧客の需要動向や、太陽電池業界を中心とした様々な市場動向に合致したFA装置、太陽光発電所の検査サービス、太陽光パネルリサイクル等の研究開発活動、パネル解体装置、また、ペットボトルの自動選別装置や鶏糞による肥料製造等、新規事業の開発に取り組み、将来の成長に向けた投資を引き続き強化しております。

 

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

イ.装置関連事業

当連結会計年度における当セグメントの事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

売上高は、前期比45.5%減の4,090百万円となりました。太陽電池製造装置の主要顧客の新規ライン向け装置の売上が減少したため、前連結会計年度を下回りました。セグメント利益については、前期比29.6%減の1,218百万円となりましたが、製品保証引当金の取崩しにより売上総利益率では36.3%となり、前期比9.0ポイントの増加となりました。

ロ.環境関連事業

当連結会計年度における当セグメントの事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

売上高は、前期比7.4%減の288百万円となりました。検査サービスは予定通りとなりましたが、海外案件の太陽光パネル解体装置の船便の遅れに伴い、現地検収時期が翌期になり、前連結会計年度を下回りました。セグメント利益については、売上案件の利益率の低下及び販管費等の増加により、セグメント損失25百万円となり、売上総利益率では13.7%となり、前期比15.1ポイントの減少となりました。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

イ.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

ロ.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要の主なものは、原材料の仕入、外注費及び労務費などの製造費用のほか、人件費、研究開発費等を中心とする販売費及び一般管理費の支出によるものであります。これらの資金需要につきましては、自己資金にて対応することを基本としており、必要に応じて銀行借入を行うこととしております。そのために銀行2行と総額10億円の当座貸越契約を締結しており、柔軟に資金調達できる体制を構築しております。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

④経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

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