業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況のもと、経済活動が徐々に緩和されるなかで企業収益は総じて改善したものの、個人消費などでは持ち直しに足踏みがみられるなど、一部は弱含みで推移いたしました。

パチンコホール業界におきましては、のめり込み防止を目的とした施策や依存症対策の一環として過度の射幸性を抑えた遊技機の導入に加えて、店内の換気や消毒・清掃の徹底など新型コロナウイルス感染防止対策を講じており、さまざまな取り組みを通じてファンの皆様がパチンコ・パチスロをより安心・安全に楽しめる環境づくりを推進しております。

また、遊技機業界におきましては、旧規則機の撤去期限に向けた新規則機への入替が最終段階を迎え、パチンコ遊技機では新台入替が活発化したものの、パチスロ遊技機におきましてはパチンコホール様での稼働が依然として低迷していることなどから、パチンコ遊技機と比較して新台入替は低調に推移いたしました。

このような状況のもと、当社グループにおきましては、安定した業績の確保と中長期的な成長の実現に向けて、徹底した市場ニーズの調査とお客様目線の追求による稼働力向上を最重点課題として、新機種の開発に取り組んでまいりました。

遊技機事業におきましては、パチンコ遊技機ではシリーズ第2弾として市場投入しました「Pとある科学の超電磁砲(レールガン)」が前作に続き2万台を超えるヒットタイトルとなり、導入後の稼働状況も好調に推移したことから、当社のグループの新たな主力シリーズとしての基盤を築きました。

 

一方でパチスロ遊技機では、旧規則機の撤去期限にあわせて定番ホラータイトルを市場投入いたしました。

売上高につきましては販売台数の増加にともない前連結会計年度を上回りましたが、利益面につきましては、部材供給不足の対応などによる一時的な部材高騰の影響を受け大幅に原価が上昇いたしました。

また、今後の業績動向を勘案し、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、当連結会計年度末において繰延税金資産を12億39百万円取り崩し、法人税等調整額に計上いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高296億6百万円(対前年同期比9.9%増)、営業損失6億98百万円(前年同期は営業利益3億83百万円)、経常損失5億99百万円(前年同期は経常利益4億86百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失17億83百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益1億22百万円)となりました。

 

製品別の状況は次のとおりであります。

 

(パチンコ遊技機)

上半期では、新規タイトルとして「P地獄少女 きくりのお祭りLIVE」(2021年4月発売)、「P真・暴れん坊将軍 双撃」(2021年7月発売)を市場投入したほか、前連結会計年度に発売したシリーズ機種などを継続販売いたしました。

また、下半期は新規タイトルとして「P地獄少女 華」(2021年10月発売)、「Pとある科学の超電磁砲(レールガン)」(2021年12月発売)、「Pどないやねん」(2022年3月発売)、「Pアレジン プレミアム」(2022年3月発売)を市場投入したほか、その他シリーズ機種などを継続販売いたしました。

以上の結果、販売台数は79千台(対前年同期比12.8%増)、売上高は285億97百万円(同6.2%増)となりました。

 

(パチスロ遊技機)

パチスロ遊技機につきましては、「Sリング 運命の秒刻」(2021年11月発売)を市場投入し、販売台数は3千台、売上高は10億9百万円となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は311億44百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億16百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が5億91百万円、電子記録債権が5億1百万円増加したことに対し、受取手形、売掛金及び契約資産が34億8百万円減少したことによるものであります。固定資産は142億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億74百万円減少いたしました。これは主に、投資有価証券が24億69百万円、長期前払費用が3億15百万円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は454億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ53億91百万円減少いたしました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は67億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億2百万円減少いたしました。これは主に、未払金が4億85百万円、未払法人税等が4億71百万円減少したことによるものであります。固定負債は20億45百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億18百万円増加いたしました。

この結果、負債合計は87億77百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億84百万円減少いたしました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は366億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ42億6百万円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失17億83百万円および剰余金の配当11億19百万円によるものであります。

この結果、自己資本比率は80.7%となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、188億77百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は30億68百万円となりました。

これは主に、売上債権の減少額29億7百万円、減価償却費23億14百万円などが増加の要因であり、税金等調整前当期純損失4億55百万円、法人税等の支払額8億91百万円、棚卸資産の増加額5億64百万円などが減少の要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は13億58百万円となりました。

これは主に、有価証券の償還による収入6億32百万円などが増加の要因であり、有形固定資産の取得による支出18億63百万円などが減少の要因であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は11億19百万円となりました。

これは、配当金の支払によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは、遊技機事業の単一セグメントにより構成されておりますが、当連結会計年度の製品別に生産実績を示すと、次のとおりであります。

製品別

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

パチンコ遊技機

28,267

105.9

パチスロ遊技機

1,004

合計

29,271

109.7

(注)金額は販売価格によっております。

 

b.受注状況

当社グループは、基本的に製品の受注動向を見ながら生産を行っておりますが、生産から納品までが非常に短期間であることなどから、初期受注分については、見込み生産を行っております。また、総受注に占める初期受注分の割合が大半であることから、受注状況の記載は営業実態を表さないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

当社グループは、遊技機事業の単一セグメントにより構成されておりますが、当連結会計年度の製品別に販売実績を示すと、次のとおりであります。

製品別

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

パチンコ遊技機

28,597

106.2

パチスロ遊技機

1,009

13,404.4

合計

29,606

109.9

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成にあたって用いた、会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりでございます。

 

②経営成績の分析

a.売上高

売上高については、前連結会計年度の269億27百万円から26億78百万円増加し、296億6百万円(対前期比9.9%増)となりました。

当連結会計年度の製品別売上高は、パチンコ遊技機において285億97百万円(同6.2%増)、パチスロ遊技機において10億9百万円(前年同期は7百万円)であります。

なお、各製品別の販売台数は次のとおりであります。

 

(パチンコ遊技機)

《機種別販売台数》

前連結会計年度

 

 

当連結会計年度

 

Pとある魔術の禁書目録(インデックス)

26千台

 

Pとある科学の超電磁砲(レールガン)

24千台

Pリング  呪いの7日間2

11千台

 

P地獄少女 華

17千台

他5機種

28千台

 

他4機種

11千台

その他

3千台

 

その他

26千台

    計

70千台

 

    計

79千台

 

パチンコ遊技機については、多様化するファンのニーズにマッチした「ヒト味違う」多種多様なジャンルの遊技機を新たに6機種市場投入し、販売台数は79千台(対前期比12.8%増)となりました。

 

(パチスロ遊技機)

《機種別販売台数》

前連結会計年度

 

 

 

当連結会計年度

 

S地獄少女 あとはあなたが決めることよ

 

0千台

 

Sリング 運命の秒刻

3千台

    計

 

0千台

 

    計

3千台

 

パチスロ遊技機については、新規タイトルとして1機種を市場投入し、販売台数は3千台となりました。

 

b.売上原価

売上原価については、前連結会計年度の139億49百万円から25億47百万円増加し、164億96百万円(対前期比18.3%増)となりました。

また、売上原価率は、前連結会計年度の51.8%から3.9ポイント上昇し、55.7%となりました。

これは、主として材料費率の上昇などによるものであります。

 

 

c.販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費については、前連結会計年度の125億95百万円から12億12百万円増加し、138億8百万円(対前期比9.6%増)となりました。

これは、主として研究開発費の増加8億40百万円(同12.6%増)などによるものであります。

また、売上高に占める販売費及び一般管理費の割合は、前連結会計年度の46.8%から0.2ポイント低下し、46.6%となりました。

 

d.営業利益

営業利益については、売上高の増加などにより、当連結会計年度においては営業損失6億98百万円(前期は営業利益3億83百万円)となりました。

 

e.営業外収益、費用

営業外収益については、受取配当金や受取賃貸料などにより1億15百万円となりました。

営業外費用については、賃貸収入原価やシンジケートローン手数料などにより16百万円となりました。

 

f.経常利益

経常利益については、当連結会計年度において経常損失5億99百万円(前期は経常利益4億86百万円)となりました。

 

g.特別利益、損失

特別利益については、固定資産売却益や投資有価証券売却益の計上により1億45百万円となりました。

特別損失については、投資有価証券評価損や固定資産除却損の計上により1百万円となりました。

 

h.税金費用

法人税、住民税及び事業税46百万円、法人税等調整額12億81百万円の計上により、13億28百万円となりました。

 

i.親会社株主に帰属する当期純利益

上記aからhの要因により、当連結会計年度においては、17億83百万円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。

 

③資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要について、運転資金、設備投資資金ともに、原則として自己資金で賄うことを基本としております。

運転資金需要の主なものは、原材料の仕入、研究開発費、納税による支払などであります。設備投資資金需要の主なものは、機械及び装置、新規金型の取得などであります。これらは、生産性の向上などを目的としており、今後も発生する可能性があります。

これらの資金管理については、販売計画、生産計画、設備投資計画をもとに資金需要に対応すべく資金計画を作成し、管理しております。

また、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行3行と総額100億円の貸出コミットメント契約を締結しております。なお、当該契約に基づく当連結会計年度における借入実績はありません。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得