業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態および経営成績の状況

1)財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3,027百万円増加して54,694百万円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ3,210百万円増加して30,117百万円、固定資産は前連結会計年度末に比べ182百万円減少して24,576百万円となりました。

流動資産増加の主因は、製品が502百万円減少した一方で、現金及び預金が2,229百万円増加したことによるものであります。

固定資産減少の主因は、投資その他の資産が267百万円増加した一方で、機械装置及び運搬具等の有形固定資産が407百万円減少したことによるものであります。

当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ1,315百万円増加して13,438百万円となりました。流動負債は前連結会計年度末に比べ1,575百万円増加して12,103百万円、固定負債は前連結会計年度末に比べ260百万円減少して1,334百万円となりました。

流動負債増加の主因は、契約負債(前連結会計年度は前受金及び未成工事受入金)が664百万円、支払手形及び買掛金が343百万円増加したことによるものであります。

固定負債減少の主因は、長期借入金が145百万円減少したことによるものであります。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ1,711百万円増加して41,256百万円となりました。この主因は、株主資本が1,443百万円増加したことによるものであります。自己資本比率は、総資産の増加に伴い前連結会計年度末の75.7%から74.5%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の1,426円10銭から1,481円41銭となりました。

2)経営成績

当社グループは、事業の飛躍的発展を目指し、中期経営計画(2022年8月期-2024年8月期)の長期事業展望として「2031年8月期の売上高1,000億円」を掲げました。中計の初年度に当たる当期は、達成に向けた戦略や数値目標を盛り込んだ「長期ロードマップ・GIKEN GOALS 2031」の作成を進め、各部門において具体的な取り組みがスタートしました。

当期における当社グループを取り巻く事業環境は、国内における公共投資は底堅さを維持したうえ、民間建設投資は持ち直しの動きが継続し、顧客の設備投資意欲は堅調に推移しました。しかしながら、ウクライナ情勢等を背景とした原材料やエネルギーコスト高騰等による経済の先行きは不透明な状況が続いています。こうした中、当社は6月受注分より原材料等の価格上昇を吸収するため、製品価格を5~10%上げて価格転嫁しました。

国内における工法提案活動では、技術提案のさらなる推進を図るため組織体制を強化し、引き続き災害復旧・復興事業や防災・減災対策、インフラ長寿命化対策等の国土強靭化関係を中心にインプラント工法※1の普及拡大に取り組みました。その成果として、熊本県を中心に大きな被害をもたらした令和2年7月豪雨の被災地では、被災道路や橋梁の復旧および再度災害防止工事において工法採用が進みました。また、河川の氾濫により崩落した国道219号(熊本県球磨村)および210号(大分県日田市)では、グループ会社の株式会社技研施工が再度災害を防ぐ粘り強いインプラント構造の道路擁壁を構築しました。このほか、地震・津波・高潮対策としての防潮堤や水害対策としての河川護岸改修、高速道路整備、港湾施設の改良等のインフラ整備に加え、民間で事前防災対策として工場を水害から守る遮水壁が採用される等、工法の適用範囲が広がり、採用は順調に増加しました。

※1 一本一本が高い剛性と品質を有した杭材(許容構造部材)を地中深く圧入し、地震や津波、洪水などの外力に粘り強く耐える「インプラント構造物」を構築する工法。

 

海外売上比率7割を目指す海外展開では、オランダ・アムステルダム市の「世界遺産の運河護岸改修にかかる新技術開発プロジェクト」において、2021年4月に設立した合弁会社「G-Kracht B.V.」が2022年6月、発注者である同市と実証施工(パイロット施工)契約を結びました。カーボンニュートラルに貢献する電動ジャイロパイラー、およびGRBシステム※2を駆使した圧入施工は11月にスタートする予定です。

タイでは、主要河川・パサック川の護岸整備事業にインプラント工法が採用され、サイレントパイラーF301-900を納入した現地企業が、6月からハット形鋼矢板による二重連続壁の河川護岸の構築をスタートさせました。本事業で予定されている整備区間は約52㎞におよぶことから今後も継続的な工法採用が望め、機械販売等の売上促進につながることを期待しています。さらに本件の実績である無振動・無騒音、インプラント構造物の粘り強さなどの優位性をアピールすることで、豪雨災害が頻発する東南アジア各国をはじめとする世界中の治水対策に波及効果が生まれることを期待しています。アジア地域ではこのほか、インドで巨大市場参入の起点となるユーザーを獲得し、サイレントパイラーF301-700を1月に納入する等、工法普及の活動を本格化させました。

ブラジルの鉱滓ダム防災対策工事では、当社グループの技術指導を受けた現地企業が、ジャイロパイラーを用いて昨年9月から今年3月にかけて実証施工(パイロット施工)区間の工事を行い、完了しました。オーストラリアでは、グループ会社の J Steel Group Pty Limited が昨年10月、シドニーのフィッシュマーケット再開発プロジェクトで受注した仮締切工に着手し、今秋の完工に向けて工事を進めました。

※2 完全電動化により施工時のCO2排出ゼロを可能とする次世代の圧入システム。

 

地下開発製品の展開では、東京都葛飾区で初となる機械式駐輪場「エコサイクル」2基(地下型・計408台収容)の施工を進め、9月にオープンしました。また、来春オープンを目指す東急新横浜線・新綱島駅前(横浜市港北区)においてもエコサイクルの整備が決まり、技研施工が6月に工事を受注しました。横浜市での設置は初めてで、観光地としても居住地としても注目度の高い同市での整備は提案力の強化につながります。これでエコサイクルの採用実績は全国26箇所、63基となり、継続的に増加しています。

当社は当期から受注生産体制を本格化させました。現段階では順調に効率的な受注生産、販売が進んでいます。さらにこの受注生産を確実にするために、建設機械レンタル大手・株式会社アクティオとレンタル業務提携契約を結びました。アクティオが国内外に有する広域営業網を活かして新規ユーザーの開拓を加速させる狙いで、協業拡大に向けて同社スタッフへの保守・現場技術、提案営業のノウハウ提供を進めました。また建設機械レンタル大手・西尾レントオール株式会社で、当社とグループ会社のシーアイテック株式会社が共同開発した杭精度管理システム「インプラント NAVI」をレンタル提供できる体制を整えました。本製品により工事の省人化、生産性、信頼性の向上を実現し、圧入技術、インプラント工法の採用拡大につなげていきます。さらにこのインプラントNAVIの技術は国土交通省による「ICT施工の基準類作成」の取り組みで基準化が実現し、インプラント工法の普及拡大に弾みがつきました。

未来に向けた技術開発では、月面での建設活動、地上における建設技術の革新を見据え、国が進める「月面等での建設活動に資する無人建設革新技術開発推進プロジェクト」に参加し、F/S(実行可能性調査)ステージから技術研究開発(R&D)ステージに進むことが決まり、国土交通省と新たに契約を結びました。今後4年間での具体的な技術開発に目途をつけたものであり、圧入技術の宇宙空間への広がりで、「月への夢」は新たなフェーズに進むことになりました。

このような状況のもと、当連結会計年度における売上高は、30,378百万円(前期比10.0%増)、営業利益は4,613百万円(同15.4%増)、経常利益は4,832百万円(同16.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,234百万円(同5.2%増)となりました。

セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

a. 建設機械事業

国内において国土強靭化対策工事等の防災関連事業等が進捗するとともに、民間建設投資の回復基調が続く中、土木構造物の本体施工で使われ始めた900㎜幅ハット形鋼矢板用のサイレントパイラーF301-900の販売が堅調に推移しました。また、汎用機の入れ替え需要も堅調に推移しました。

その結果、売上高は20,851百万円(前期比9.0%増)、セグメント利益は6,068百万円(同27.1%増)となりました。

 

b. 圧入工事事業

災害復旧・復興工事や防災・減災関連工事等において工法採用が堅調に推移する中、首都直下地震、津波・高潮対策としての護岸、防潮堤工事、水門の耐震補強(東京都)や地すべり対策(長野県)、ジャンクションの道路擁壁(北海道)、民間の石油貯蔵基地における側方流動対策(香川県)等において工事が順調に進捗しました。

このような状況のもと、圧入工事事業の売上高は9,526百万円(前期比12.3%増)となりました。一方、天候不順等を受けた大型案件の工期延長によるコスト増が利益を減少させ、セグメント利益は948百万円(同23.7%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ68百万円減少し、5,598百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況につきましては次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、前期と比べ1,845百万円減少して5,923百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,832百万円、棚卸資産の減少額1,128百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前期と比べ1,120百万円減少して4,216百万円となりました。これは主に、定期預金の預入による支出14,020百万円、定期預金の払戻による収入11,722百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前期と比べ256百万円減少して1,940百万円となりました。これは主に、配当金の支払額1,918百万円等によるものであります。

 

③生産、受注および販売の実績

  1)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

建設機械事業

20,221

143.2

圧入工事事業

9,526

112.3

合計

29,748

131.6

 (注)1.金額は、実際販売価格で表示しております。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

  2)受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

建設機械事業

14,856

94.4

5,146

115.8

圧入工事事業

7,230

64.6

3,172

58.0

 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

  3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

建設機械事業

20,851

109.0

圧入工事事業

9,526

112.3

合計

30,378

110.0

 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

①重要な会計方針および見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

 1)経営成績等

a. 財政状態

当該事項につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況 1)財政状態」に記載のとおりであります。

b. 経営成績

当該事項につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況 2)経営成績」に記載のとおりであります。

c. キャッシュ・フロー

当該事項につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、指標のトレンドを示しますと以下のとおりであります。

 

2020年8月期

2021年8月期

2022年8月期

自己資本比率(%)

75.5

75.7

74.5

時価ベースの自己資本比率(%)

209.2

251.3

163.7

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

54.5

18.5

24.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

230.3

720.8

407.2

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 2)資本の財源および資金の流動性

 当社グループにおける主な資金需要は、圧入の原理に基づいた新工法および圧入機製品の開発投資に必要な研究開発投資(材料費・労務費等)、ならびに圧入機製品の製造に係る費用(材料費・外注費・労務費等)であります。

 これらの資金需要に対する資金調達については、中長期的な事業戦略、当社グループの事業に対するリスクを勘案し、最適な方法での実施を検討いたします。

 

 3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは「中期経営計画(2022年8月期-2024年8月期)」において、当該期間を10年後1,000億円を目標として飛躍的な発展を目指すための基盤づくりの期間と位置付けたうえで、売上高と営業利益についてそれぞれ数値目標を定め、その達成に向けて取り組んでおり、同計画において掲げている課題を達成していくことが、経営上の目標達成状況を判断するための指標と考えております。なお、「中期経営計画(2022年8月期-2024年8月期)」に関しては、「第2 事業の状況1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得