文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年2月28日現在)において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、造粒・コーティング技術をキーテクノロジーとして、独創的な機械装置(ハード)と製剤技術(ソフト)を一体化した技術開発力を駆使し、研究開発に注力しております。
その企業理念として『創造力で未来を拓く(登録商標)』のもと、つぎの“5つの創造”を掲げております。
① 独創性豊かな製品の創造
② 先見力で新しい市場ニーズの創造
③ 組織を活性化する経営基盤の創造
④ 困難に立ち向かうチャレンジ精神の創造
⑤ 潤いのある人間関係の創造
また、経営ビジョンとして、『フロイントグループは、世界中の人々の医療と健康の未来に貢献し、豊かな生活と食の安全・安心を支える技術を生み出し、育成していくことを目指します。』を掲げ、研究開発型企業として、製剤技術を基盤に開発した製剤機械、医薬品添加剤を医薬品・食品メーカーに提供することで、人々の健康、食の安全・安心の向上に貢献してまいります。
当社グループは創造力とチャレンジ精神をもって事業展開を図り、健全な成長と一層強固な経営基盤を構築し、社員、お客さまはじめ全てのステークホルダーとの円滑な関係を維持するとともに、社会への貢献を図ってまいります。
(2) 経営環境
わが国経済及び世界経済は、新型コロナウイルス変異株の感染拡大による影響は受けるものの、ワクチンの普及や治療薬の進展を受けて、経済活動の制限は先進国を中心に緩和され、コロナ禍による景気影響は減少していくことが期待されます。一方で、サプライチェーンの混乱や、半導体や各種部材の需給逼迫の影響は当面継続することが予想されていることに加え、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻、及び各国の対ロシア経済制裁措置による世界経済への影響など景気下押し要因も多く、今後の動向は不透明な状況にあります。
当社グループは、医薬品用製剤(錠剤・顆粒剤など)を作る工程で使用される機械装置と、添加剤等の化成品を主力製品としています。この分野で機械装置と化成品の両方を同一企業体で手掛けているのは世界でも当社だけであり、当社の最大の強みであります
当社グループの主要ユーザーであります医薬品業界は、国内市場においては、高齢化の進展に伴う販売数量の増加や、コロナ禍による受診抑制からの回復が見込まれる一方、薬価改定が毎年実施されるなどの薬価抑制政策により、微減傾向が続くと予想されています。また、ジェネリック医薬品市場においても、政府が進めてきた普及促進策の効果が一巡することに加え、一部メーカーの製造体制不備による供給制約の影響もあり、成長が鈍化することが予想されています。こうした供給制約への対応として、大手ジェネリックメーカーを中心に、工場増設等の設備増強が計画されています。
一方、世界市場においては、国内市場と同様に新型コロナウイルス感染拡大による受診抑制の影響を受けていますが、先進国での高齢化進展と新興国での人口増加・医療水準の向上を背景に、今後も成長することが予想されています。
(3) 経営戦略及び対処すべき課題
当連結会計年度である第58期は、第8次中期経営計画の2年目です。第8次中期経営計画は、前項に記載した当社の企業理念である『創造力で未来を拓く(登録商標)』、及び、経営ビジョンである『フロイントグループは、世界中の人々の医療と健康の未来に貢献し、豊かな生活と食の安全・安心を支える技術を生み出し、育成していくことを目指します。』、のもと、『One Freund』すなわちNumber One(それぞれの分野、事業でNo.1を目指す)、 Only One(顧客、社会にとってOnly Oneの存在を目指す)、 Be One(グループがひとつになる)を当社の価値観としています。
第8次中期経営計画では、お客様、新製品、グローバル、成長などをキーワードに新しく7つの経営目標を掲げております。
① グループ連携
② 完全顧客視点
③ イノベーション重視
④ グローバル経営
⑤ 成長戦略の実行
⑥ 業務改革と働き方改革の推進
⑦ コンプライアンス/コーポレート・ガバナンスの重視
新興国における医薬品拡充や各国の高齢化の進展で、医薬業界をはじめとする医療健康産業の果たすべき役割への期待が高まることは確実です。当社は、こうした社会のニーズに応えるため、2019年9月より関係会社社長を含む執行役員制を本格導入するとともに、経営会議を刷新しグループ連携を強化する体制に移行しました。
また、機械部門、化成品部門ともに営業力の一層の強化を図るとともに、お客様の真のニーズに技術力をもって応える体制を整備して、開発・販売のグローバル展開をより積極的に推進しております。この目的を達成するために、日本、アメリカに加え2019年にインド、2020年にイタリア、更に2022年度には中国での拠点活動を開始し、グローバル5極体制を構築中です。
こうした成長戦略の着実な実行により、グローバル展開やグループ連携を加速させ、第8次中期経営計画の7つの経営目標をグループ一丸となって推進してまいります。
(4) 目標とする経営指標
当社グループは、従前には連結営業利益率10%以上、連結自己資本利益率(ROE)の当面8%への回復と中期的に10%以上とすることを経営指標としてまいりました。
しかし、製薬市場の伸びが鈍化するなか、効率性の追求と同時に、より積極的に業容を拡大しながら新たな製品、新たな事業領域を求めて積極的に投資をして、売上と利益の拡大を同時に追求していくことが不可欠です。
このため、これまで取組んできた社員一人ひとりが自ら考え行動する風土改革をさらに促進し、効率性、生産性の向上を図るとともに、当連結会計年度より社員、投資家などのステークホルダーにわかりやすい、連結売上高、連結営業利益を成長戦略の成果としての経営指標としております。
・連結およびグループ各社の売上高:各社の対象市場での市場占有率の上昇と各社の事業規模の拡大を通じて、連結ベースの売上高の増加を目指します。
・連結およびグループ各社の営業利益:各社の本業から得られる利益の増加を通じて連結ベースの営業利益、ひいては経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の増加を図り、すべてのステークホルダーに貢献することを目指します。
具体的には、第8次中期経営計画の7つの経営目標をグループ一丸となって推進することにより個別の市場環境に影響されにくい経営体質を構築し、最終年度の第59期(2023年2月期)で以下の業績の達成を目指します。
第59期 連結売上高 185億円 連結営業利益 7億円
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