当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、前年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を強く受け、感染状況に左右される状態が続き、経済社会活動は制限と緩和とを繰り返しました。後半に入り、各種政策の効果や海外経済活動の改善もあり、持ち直す時期もありましたが、新たな変異株による感染拡大、原油や原材料価格の上昇、供給面での制約等による景気の下振れリスクが生じており、先行き不透明な状況が続きました。
また、当社の業績に影響のある国内向け設備投資につきましては、同感染症長期化の影響等により景気の先行き不透明感が続き、設備投資への慎重姿勢が維持される中で、景気に左右されづらい情報化投資や研究開発投資が下支えとなり、業績が持ち直しつつある企業では先送りしていた投資を再開する動きも一部で見られる等、底堅く推移しました。
このような状況のもと、受注高は 22,118百万円と前連結会計年度に比べ 1,624百万円の減少(△6.8%)となりましたが、売上高は 24,589百万円と前連結会計年度に比べ 3,073百万円の増加(+14.3%)となりました。
損益面につきましては、営業利益は 2,675百万円と前連結会計年度に比べ 775百万円の増加(+40.8%)、経常利益は 2,768百万円と前連結会計年度に比べ 802百万円の増加(+40.8%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は 1,968百万円と前連結会計年度に比べ 635百万円の増加(+47.6%)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
化学機械装置の設計・製作・据付工事を行うエンジニアリング事業につきましては、設計・製作・調達・現地工事・工程管理・試運転までを一貫して行うプラントエンジニアリング(EMPC※)方式での受注拡大及び脱炭素・循環型社会の実現に向け地球温暖化対策として有効であるCO2排出量を大幅に削減する省エネ型蒸留・蒸発装置、機器等の受注拡大を図るべく、当社が得意とする固有技術を前面に打ち出した企画提案を積極的に展開いたしました。
その結果、受注高は 7,807百万円と前連結会計年度に比べ 2,441百万円の減少(△23.8%)となりましたが、売上高は 11,507百万円と前連結会計年度に比べ 3,163百万円の増加(+37.9%)となり、セグメント利益(営業利益)は 1,434百万円と前連結会計年度に比べ 1,012百万円の増加(+239.5%)となりました。
※ 「EMPC」とは、プラント建設業界では一般的に知られている「EPC」(設計(Engineering) 、調達(Procurement) 、建設(Construction)の略)に 製造(Manufacturing)の「M」を加えた当社造語(商標登録済み)であります。
化学機械装置の現地工事・メンテナンス業務を行う化工機事業につきましては、高機能・高付加価値製品増産に対応するための設備改修や製造基盤整備等の基盤強化工事を行う企業、海外経済の回復や緊急事態宣言の解除等を受け、先送りしていた投資を再開する企業が一部に見られましたが、新型コロナウイルス感染症拡大や資源価格上昇等の影響を受け、投資を抑制させる状況が続き、既存設備の安定稼働のための定期修理及びメンテナンス工事が主たる業務となりました。
その結果、受注高は 8,183百万円と前連結会計年度に比べ 152百万円の減少(△1.8%)となりましたが、売上高は 8,322百万円と前連結会計年度に比べ 658百万円の増加(+8.6%)となり、セグメント利益(営業利益)は 888百万円と前連結会計年度に比べ 109百万円の増加(+14.1%)となりました。
原子力を含むエネルギー・環境関連機器の設計・製作・据付工事を行うエネルギー・環境事業につきましては、安全審査が終結した原子力発電所の再稼働に向けた業務、福島第一原子力発電所関連の廃炉・廃止措置に向けた各種施設・装置・除染対応業務、及び核燃料サイクル施設では青森県六ヶ所村でのMOX燃料(ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料)加工工場の竣工に向けた新規制基準対応業務を受注すべく営業活動を展開いたしました。
その結果、受注高は 6,128百万円と前連結会計年度に比べ 969百万円の増加(+18.8%)となりましたが、売上高は 4,759百万円と前連結会計年度に比べ 749百万円の減少(△13.6%)となり、セグメント利益(営業利益)は 351百万円と前連結会計年度に比べ 346百万円の減少(△49.6%)となりました。
流動資産は 21,097百万円と前連結会計年度末に比べ 288百万円の微減(△1.3%)となりました。
固定資産は 8,420百万円と前連結会計年度末に比べ 79百万円の微増(+1.0%)となりました。
この結果、総資産は 29,517百万円と前連結会計年度末に比べ 208百万円の微減(△0.7%)となりました。
流動負債は 11,070百万円と前連結会計年度末に比べ 1,959百万円の減少(△15.0%)となりました。これは主として、仕入債務(支払手形及び買掛金)が 1,631百万円減少したことによります。
固定負債は 3,755百万円と前連結会計年度末に比べ 325百万円の増加(+9.5%)となりました。これは主として、長期借入金が 145百万円増加したことによります。
この結果、負債合計は 14,826百万円と前連結会計年度末に比べ 1,634百万円の減少(△9.9%)となりました。
純資産合計は 14,691百万円と前連結会計年度末に比べ 1,425百万円の増加(+10.7%)となりました。これは主として、利益剰余金が 1,678百万円増加したことによります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は 49.8%となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により 214百万円減少、投資活動により 150百万円減少、財務活動により 518百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ 868百万円減少し、当連結会計年度末には 5,569百万円となりました。
当連結会計年度において営業活動により資金は 214百万円減少し、前連結会計年度の 2,120百万円の流入から 2,334百万円変動し、流出に転じました。主な要因は、前受金の減少であります。
当連結会計年度において投資活動により資金は 150百万円減少し、前連結会計年度に比べ 35百万円流出が減少しました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出の減少であります。
当連結会計年度において財務活動により資金は 518百万円減少し、前連結会計年度に比べ 258百万円流出が増加しました。主な要因は、自己株式の取得による支出の増加であります。
今後の見通しにつきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症に左右される状況が続くことが予想され、同感染症の動向が国内外の経済に与える影響に十分注意する必要があります。
当社グループの業績に影響のある国内向け設備投資につきましては、同感染症の感染拡大の防止策が講じられ、社会活動が継続されていく中で、設備投資を再開する動きも見込まれるものの、原材料価格の高騰などを背景とし、依然として不透明な状況が続くと想定しております。
このような状況のもと、当社グループの業績は、売上高 21,700百万円、営業利益 1,240百万円、経常利益 1,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益 920百万円を予定しております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって留意すべき事項の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりでありますが、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、これらの見積りには不確実性を伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。経営者が当社グループの業績に重要な影響を及ぼすと認識している事項は以下のとおりであります。
工事契約については、当事者間で合意された実質的な取引の単位に基づいて、工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度を合理的に見積り、これに応じて当連結会計年度の工事収益を認識しております。なお、工事進捗度の見積方法は、発生原価に基づくインプット法によっております。製品の販売については製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、製品の引渡時点で収益を認識しております。収益総額、見積総原価及び決算日における進捗率について、プロジェクト案件の進捗状況等によって当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。
受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における受注残案件のうち、損失の発生が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能な案件について、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額を工事損失引当金に計上しております。なお、工事施工の途中において、予見不能な事象の発生やプロジェクト案件の進捗状況等によって損失額が大きく変動する可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っています。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況」の 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 当社グループの経営戦略と対処すべき課題」 及び 「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」 をご参照下さい。
当社グループは、十分な手元流動性を有しており、運転資金及び設備投資資金は主として自己資金より充当し、必要に応じて金融機関からの借入れを実施することを基本方針としております。なお、今後、当社の成長のために発生する資金需要につきましても、当該基本方針に基づき、主に自己資金より充当し、必要に応じて金融機関からの借入を実施する予定です。
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