当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における我が国経済は、依然として世界的な拡大を見せる新型コロナウイルス感染症の影響により、それまでの雇用情勢や所得環境の改善による景気の緩やかな回復基調は一変し、米国、中国の対立の影響も懸念されるなど海外経済の不確実性が高まり、先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。
このような環境の中、当社グループは、中期スローガンとして「安心をお届けする不二精機グループ」を掲げ、品質管理体制の徹底強化によるグループ一体となった顧客満足の更なる追求を図り、精密金型のコア技術をもとに自動車及び二輪車などの成形事業分野への積極的な展開を行い、顧客への高付加価値製品の提供による安定受注の拡大に努めてまいりました。
また、「『考動』で価値を創る」をグループ全社員の行動理念とし、「お客様の利益の最大化」を目標に、新たな価値創造、また「5S活動」を基本とする着実な品質改善活動に取り組んでおります。
(1) 財政状態の状況
総資産は、前連結会計年度末に比べ7億29百万円(9.8%)増加し、81億78百万円となりました。
流動資産は、主に現金及び預金が1億34百万円、受取手形及び売掛金が1億75百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ5億37百万円(15.4%)増加し、40億37百万円となりました。
固定資産は、主に有形固定資産が1億33百万円、投資その他の資産が52百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1億91百万円(4.9%)増加し、41億40百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ2億12百万円(3.7%)増加し、59億82百万円となりました。
流動負債は、主に支払手形及び買掛金が3億78百万円、短期借入金が8億77百万円増加し、一方、前受金が2億41百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ11億74百万円(32.1%)増加し、48億33百万円となりました。
固定負債は、主に長期借入金が9億円、リース債務が97百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ9億61百万円(45.6%)減少し、11億49百万円となりました。
純資産は、主に利益剰余金が4億65百万円、為替換算調整勘定が1億60百万円増加し、一方、資本剰余金が1億19百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ5億16百万円(30.8%)増加し、21億95百万円となりました。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ4.5ポイント増加して、26.8%となりました。
(2) 経営成績の状況
当連結会計年度の売上高は、射出成形用精密金型及び成形システム事業、精密成形品その他事業の売上高が増加し、前連結会計年度比15億54百万円(26.3%)増加の74億67百万円となりました。
損益につきましては、射出成形用精密金型及び成形システム事業、精密成形品その他事業の売上高が増加したことなどにより、売上総利益は、前連結会計年度比4億87百万円(38.9%)増の17億42百万円となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比1億65百万円(17.0%)増の11億36百万円となり、その結果、営業利益は、前連結会計年度比3億22百万円(113.9%)増加の6億5百万円となりました。当連結会計年度における営業利益率は8.1%(前連結会計年度比3.3ポイント改善)で、引き続き、この指標の改善に取り組んでまいります。
主としてインドネシアの子会社での親会社(当社)からの円建て債務の評価替えで、前連結会計年度には急激な円高・インドネシアルピア安によって為替差損90百万円を計上しましたが、当連結会計年度には為替差益61百万円を計上するなどで、営業外損益が1億51百万円改善したことなどにより、経常利益は前連結会計年度比4億73百万円(333.1%)増加の6億15百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比4億6百万円(409.6%)増加の5億5百万円となりました。
当連結会計年度のセグメント別の経営成績については、以下のとおりであります。
<射出成形用精密金型及び成形システム事業>
当事業の売上高の約7割を占める医療機器用精密金型において、新型コロナウイルス感染症の影響で前連結会計年度において生じた顧客との間の検収手続きの遅れは当連結会計年度に検収手続きが進み、当セグメントの売上高は前連結会計年度比4億49百万円(18.0%)増加の29億43百万円となりましたが、受注した案件の利益率の低下によりセグメント利益は前連結会計年度比7百万円(2.7%)減少の2億59百万円となりました。
なお、個別受注生産である当事業の未検収の受注残高は高水準で推移しており、各工場の稼働率は高い状態であります。
<精密成形品その他事業>
主力製品である自動車部品用成形品は東南アジア市場を中心に中期的な受注をいただき、タイ及びインドネシアの子会社で、新型コロナウイルス感染症の影響による減産から回復し、当セグメントの売上高は前連結会計年度比10億43百万円(29.1%)増加の46億29百万円となりました。その結果、セグメント利益は前連結会計年度比3億5百万円増加の3億28百万円(前連結会計年度は22百万円の利益)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度に比べ1億40百万円増加し、8億99百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は、8億86百万円(前連結会計年度は6億88百万円の獲得)となりましたが、これは主として、税金等調整前当期純利益6億92百万円、減価償却費5億39百万円、仕入債務の増加2億96百万円があった一方、たな卸資産の増加1億円、前受金の減少2億86百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は、4億22百万円(前連結会計年度は7億84百万円の使用)となりましたが、これは主として、有形固定資産の取得による支出4億98百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は、3億75百万円(前連結会計年度は2億55百万円の収入)となりましたが、これは主として、長期借入れによる収入4億5百万円があった一方、長期借入金の返済による支出4億37百万円、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出1億76百万円、リース債務の返済による支出1億41百万円があったことによるものであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費用、人件費のほか、その他の製造費用、販売費及び一般管理費などの営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度において、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載した提出会社における設備投資などを予定しておりますが、自己資金及び金融機関からの借入金により賄ってまいります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は37億10百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は8億99百万円となっております。
(5) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
前年同期比(%) |
射出成形用精密金型及び成形システム事業 |
2,844,885千円 |
113.2 |
精密成形品その他事業 |
4,690,972千円 |
128.9 |
合計 |
7,535,857千円 |
122.5 |
(注)1. セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2. 金額は、販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
射出成形用精密金型及び 成形システム事業 |
2,572,029 |
92.3 |
1,576,415 |
88.0 |
精密成形品その他事業 |
4,724,119 |
127.8 |
386,382 |
138.1 |
合計 |
7,296,148 |
112.5 |
1,962,797 |
94.7 |
(注)1. セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2. 金額は、販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
前年同期比(%) |
射出成形用精密金型及び成形システム事業 |
2,838,163千円 |
122.0 |
精密成形品その他事業 |
4,629,514千円 |
129.1 |
合計 |
7,467,677千円 |
126.3 |
(注)1. セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2. 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
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