文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、2019年11月13日に、2021年3月期を初年度とする5ヵ年の中期経営計画「Growth 2025」を公表いたしました。
『食の「おいしい」や「温かい」を世界の人々へ』を新ビジョンとして掲げ、食の分野で、「おいしい」や「温かい」という価値を追求する製品・商品・サービス・情報を国内外の事業者に提供し、食文化の向上を通じて社会に貢献できる企業へと成長することを目標に、グループ一丸となって取り組んでまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略と事業上および財務上の対処すべき課題
当社は、1961年に製菓機械メーカーとして創業、そして、1981年に世界初の量産型小型寿司ロボットを開発し、世界の約80ヵ国に寿司ロボットを販売するグローバル企業へと成長してまいりました。
事業成長と社会的価値向上による企業価値の最大化を図るために、「既存マーケットの拡大と深耕を推進する」「新たな成長分野・事業を構築する」「事業の成長に資する投資を積極的に実行する」の3点に加え、「新型コロナウイルス感染症拡大への対応」を対処すべき重要課題と定めております。
新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大は、世界的な景気の後退を引き起こす可能性があるだけではなく、世の中全体の価値観やライフスタイルにも大きな変化をもたらすものであると考えております。
短期的には、外食需要の低迷による顧客店舗数の減少や顧客の設備投資計画の見直し等による事業への影響が見込まれます。しかしながら、中長期的には、人々の価値観やライフスタイルの変化が、食に対する新たなニーズやビジネスを生み出すことにつながり、新しい生活様式へ移行する中で、当社の製品やサービスへのニーズが高まっていくものと考えております。
新型コロナウイルス感染症の影響も踏まえ、当社の中長期的な経営戦略を以下のように策定しております。
① 成長戦略
・国内戦略
寿司ロボットのマーケットは、成熟期を迎えており、このマーケットに続く、未導入の業態や店舗が多く存在する盛付けマーケットの創造を推進します。新型コロナウイルス感染症の影響が拡大する中で、消費者・事業者の衛生に対する意識が高まり、盛付けロボットを活用してご飯を提供するスタイルがさらに加速するものと考えております。
また、マーケティング・開発体制の強化と社外ネットワークを活用したオープンイノベーションを推進し、「世の中にない」「社会を豊かにする」製品開発を強化します。店内飲食が中心の外食店舗にも、テイクアウトやデリバリーサービスを行う店舗が増えてきており、外食産業の業態の多様化に対応した製品開発も強化していきます。
・海外戦略
寿司、おむすびなどの米飯食は世界的レベルで認知度が高まっており、市場の拡大が見込まれます。海外マーケットのさらなる成長を実現していくために、北米・アジア・欧州の主要3市場の深耕と中東などの第4の市場創造を推進します。
・新規事業の創出
「社会変化:食のライフスタイル・未来像」「技術基盤:米飯工加工関連技術×新技術」「事業ネットワーク:グローバルフードバリューチェーン」の3つのテーマを柱に、自前主義から脱却し、M&A・提携を活用し、外部との共創により、これまでの枠を越えた新製品・新規事業の創出を図ります。
② 資本・財務戦略
事業を成長させるための新製品・新事業投資、設備投資、無形資産投資を積極的に推進し、企業価値の最大化を図ります。新型コロナウイルス感染症の影響により事業環境が大きく変化している中で、新規事業やM&A等の事業成長に資する投資機会が拡大すると見込まれ、こうした成長機会を積極的に取り込んでいきたいと考えております。
総還元性向(配当金・自己株式取得)30%以上を基本方針とし、中間配当と期末配当の年2回の株主還元を行い、機関投資家および個人投資家向けIRの積極的な推進と国内外への情報開示を強化してまいります。
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