業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が、ワクチン接種率の向上による感染者数の減少や、政府や自治体による各種施策の効果等により徐々に緩和される中、経済活動の持ち直しの動きがみられましたが、世界的な半導体不足及び原材料価格の高騰の影響や、ロシアのウクライナへの軍事侵攻により、依然として先行き不透明な状況が続いています。

①財政状態及び経営成績の状況

当社グループの主要販売先となる遊技場は、集客並びに稼働の低迷は回復に至らず、経営環境は厳しい状況が続いており、加えて、2022年1月末を期限としたパチンコ遊技機及びパチスロ遊技機の旧規則機の撤去に伴う入替が行われたこともあり、周辺設備機器への設備投資意欲は依然として低調に推移いたしました。

このような状況のなか、機器事業は、周辺設備機器部門において引き続き『樹脂研磨式メダル自動補給システム』、『多機能IC玉、メダル貸機』の拡販に注力してまいりましたが、先行き不透明感や厳しい経営環境のもと、遊技場の設備投資スタンスは抑制的であり、販売状況は大変厳しいものとなりました。

遊技機部門においては、「パチスロひぐらしのなく頃に祭2」の再々販、「パチスロ東京レイブンズ」及び「パチスロかまいたちの夜」等を市場投入いたしましたが、旧規則機の撤去に伴う入替需要に合わせた型式試験の適合が取得できず、新機種の販売ができなかったこと、また、遊技場のパチスロ遊技機入替への姿勢は、現行規則の解釈基準の変更を見据えた慎重な状況が継続していることにより、販売状況は厳しいものとなりました。

不動産事業は、当連結会計年度において新たに、東京都千代田区内に賃貸用不動産(1,523百万円)及び神奈川県横浜市旭区内に賃貸用不動産(613百万円)を取得し、安定的な収益を確保いたしました。

電気事業は、連結子会社 神奈川電力株式会社が神奈川、栃木両県において太陽光発電所(発電能力合計24メガワット)を順調に稼働させ、計画比3%増と安定的な収益を確保いたしました。

コンテンツ事業は、連結子会社2社 株式会社オーイズミ・アミュージオ及び株式会社レッド・エンタテインメントが、主に“つながる”、“遊び”をテーマに、コンシューマゲーム及びソーシャルゲーム等の企画制作及び販売、有料職業紹介等の運営に取り組んでまいりました。

食品事業は、連結子会社 株式会社下仁田物産が主力商品である蒟蒻類、蒟蒻ゼリーの製造、販売において自社ブランドである「蒟蒻工房」の認識度向上を図るべく、様々なメディアへのアプローチにより販路拡大を進めてまいりました。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、人々の健康意識の高まる状況の中、付加価値商品の開発に注力し、食物繊維を多く含む「国産野菜の蒟蒻ゼリー」の受注活動を開始いたしました。また、海外輸出再開の動きが見られる状況下において、多様な商品開発に取り組み、海外展開の拡大を図っております。

その他事業は、連結子会社 妙高酒造株式会社が酒類の製造販売を行っておりますが、主な取引先である飲食店等において、長引く新型コロナウイルス感染症拡大防止による休業、時短営業の影響を大きく受け、出荷量並びに販売高は大変厳しいものとなりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は、10,793百万円(前期比15.7%減)、販売費及び一般管理費は2,257百万円(前期比3.8%減)、営業利益は606百万円(前期比60.5%減)、経常利益は563百万円(前期比67.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は389百万円(前期比67.1%減)となりました。

なお、セグメントの業績は次のとおりであります。

(機器事業)

機器事業は、当連結会計年度は売上高6,135百万円(前期比20.7%減)、セグメント利益60百万円(前期比94.7%減)となりました。

(不動産事業)

不動産事業につきましては、当連結会計年度は売上高857百万円(前期比10.3%増)、セグメント利益448百万円(前期比8.9%増)となりました。

(電気事業)

電気事業につきましては、当連結会計年度は売上高982百万円(前期比0.1%増)、セグメント利益454百万円(前期比13.5%増)となりました。

(コンテンツ事業)

コンテンツ事業につきましては、当連結会計年度は売上高573百万円(前期比36.9%減)、セグメント利益36百万円(前期は6百万円の損失)となりました。

(食品事業)

食品事業につきましては、当連結会計年度は売上高2,137百万円(前期比6.8%減)、セグメント利益106百万円(前期比2.8%増)となりました。

 

(その他事業)

その他事業につきましては、売上高107百万円(前期比3.8%減)、セグメント損失29百万円(前期は32百万円の損失)となりました。

 

当連結会計年度末の総資産は34,798百万円(前期比1,351百万円減)となりました。

流動資産は13,923百万円(前期比2,694百万円減)となりました。これは主に現金及び預金の減少(2,493百万円減)、受取手形及び売掛金の減少(610百万円減)、仕掛品の減少(542百万円減)がある一方で、商品及び製品の増加(149百万円増)、原材料の増加(112百万円増)、その他に含まれる前渡金の増加(441百万円増)によるものです。

固定資産は20,874百万円(前期比1,343百万円増)となりました。これは主に賃貸用不動産の取得による建物及び構築物の増加(448百万円増)並びに、土地の増加(1,222百万円増)がある一方で、機械装置及び運搬具の減少(359百万円減)によるものです。

負債は18,128百万円(前期比1,522百万円減)となりました。これは主に支払手形及び買掛金の減少(1,069百万円減)、未払法人税等の減少(240百万円減)、流動負債その他に含まれる未払消費税等の減少(153百万円減)によるものです。

純資産は16,669百万円(前期比170百万円増)となりました。これは主に利益剰余金の増加(186百万円増)によるものです。

この結果、自己資本比率は47.9%と前連結会計年度末に比べ2.3ポイント増加しました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による収入が5百万円、投資活動による支出が2,129百万円、財務活動による支出が368百万円あったことにより、当連結会計年度末には7,904百万円(前連結会計年度末に比べて2,493百万円減)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、5百万円(前連結会計年度は得られた資金3,253百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益597百万円、減価償却費825百万円、売上債権の減少額609百万円、棚卸資産の減少額242百万円がある一方で、仕入債務の減少額1,069百万円、前渡金の増加額441百万円、その他に含まれる未払消費税等の減少額153百万円、法人税等の支払額643百万円があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、2,219百万円(前連結会計年度は使用した資金202百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,393百万円がある一方で、有形固定資産の売却による収入295百万円があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、368百万円(前連結会計年度は使用した資金1,565百万円)となりました。これは主に、長期借入金の返済2,827百万円、配当金の支払額202百万円がある一方で、長期借入れによる収入2,730百万円があったことによるものです。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

 

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

自己資本比率(%)

45.6

46.2

43.0

45.6

47.9

時価ベースの自己資本比率(%)

37.1

25.7

22.2

26.1

27.2

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

929.4

610.4

572.6

434.1

266,603.7

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

16.9

27.5

35.4

41.0

7.3

 

 自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 ※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

 ※キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されて

  いる負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

③生産・受注及び販売の状況

(1) 生産実績(機器事業)

 

区分

生産高(千円)

前年同期比(%)

自動サービス機器

313,560

△62.6

システム機器

902,414

△14.7

遊技機(パチスロ機)等

3,617,674

△8.6

その他

156,514

48.4

合計

4,990,165

△16.3

 

(注) 金額は、販売価格で表示しております。

 

(2) 受注実績(機器事業)

機器事業のうちシステム機器製品については受注生産を行っており、その受注実績は次のとおりであります。

 

区分

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

システム機器

921,229

△15.5

71,619

△41.5

 

(注) 金額は、販売価格で表示しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメント

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

機器事業

製品

 

 

 自動サービス機器

840,763

△33.7

 システム機器

997,940

△11.6

  遊技機(パチスロ機)等

2,977,843

△27.6

 その他

1,318,742

7.7

機器事業計

6,135,289

△20.7

不動産事業

857,246

10.3

電気事業

982,611

0.1

コンテンツ事業

573,934

△36.9

食品事業

2,137,141

△6.8

その他事業

107,287

△3.8

合計

10,793,510

△15.7

 

(注) セグメント間の取引については消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容は次のとおりであります。なお文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、その作成において必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5経理の状況 1連結財諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4 会計方針に関する事項」、及び「同 連結財務諸表注記 (重要な会計上の見積り)」をご覧ください。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.売上高

全売上高の57%を占める機器事業における主要販売先である遊技場では、集客並びに稼働の低迷は回復に至らず、経営環境は厳しい状況が続いており、加えて、2022年1月末を期限としたパチンコ遊技機及びパチスロ遊技機の旧規則機の撤去に伴う入替が行われたこともあり、周辺設備機器への設備投資意欲は依然として低調に推移いたしました。このような状況のなか、機器事業は、周辺設備機器部門において引き続き『樹脂研磨式メダル自動補給システム』、『多機能IC玉、メダル貸機』の拡販に注力してまいりましたが、先行き不透明感や厳しい経営環境のもと、遊技場の設備投資スタンスは抑制的であり、販売状況は大変厳しいものとなりました。

遊技機部門においては、「パチスロひぐらしのなく頃に祭2」の再々販、「パチスロ東京レイブンズ」及び「パチスロかまいたちの夜」等を市場投入いたしましたが、旧規則機の撤去に伴う入替需要に合わせた型式試験の適合が取得できず、新機種の販売ができなかったこと、また、遊技場のパチスロ遊技機入替への姿勢は、現行規則の解釈基準の変更を見据えた慎重な状況が継続していることにより、販売状況は厳しいものとなりました。

この結果、全売上高は10,793百万円(前期比15.7%減)となりました。

 

b.営業利益

売上原価は、機器事業において、売上原価率80.6%(前期70.5%)とし、全売上原価率を押し上げる結果となりました。

また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より減少したものの、売上高の減少に伴い売上高に占める比率は20.9%(前期比2.6ポイント増)となりました。

以上の結果、営業利益は606百万円(前期比60.5%減)となりました。

 

c.親会社株主に帰属する当期純利益

主な営業外収益として、受取利息13百万円、助成金収入10百万円、企業立地奨励金3百万円の計上、主な営業外費用として、支払利息72百万円を計上したことにより経常利益563百万円(前期比67.8%減)、また、賃貸用不動産の売却等により特別利益34百万円を計上いたしました。これらの結果、税金費用等208百万円計上後の親会社株主に帰属する当期純利益は389百万円(前期比67.1%減)となりました。

 

d.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
 当社グループは、キャッシュ・フロー重視の経営を行っており、収益力の増加により営業活動によるキャッシュ・フローを高め、投資効率を重視した設備投資を行うとともに、有利子負債の削減を進めることを目指しております。

 

・資金需要

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、持続的な成長のための投資や各事業の係る運転資金の他、機器事業における新製品の開発費、不動産事業における賃貸用不動産の取得に要する資金であります。

 

・財務政策

当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入等により資金を調達しており、資金については当社で一元管理をしております。なお、借入に際しては、金利スワップ等を活用し、調達コストの低減を図ると共に将来の金利変動リスクの回避に努めております。また、金融機関に借入枠を設定しており、当社グループの運営に必要な運転資金及び設備資金の安定的な調達は今後も可能であります。

 

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