業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度における世界経済及び日本経済は、各国での新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種等の各種政策が推進されましたが、脅威は依然として継続し、先行きが不透明な状況が続いておりました。

 コンサルティング業界においては、各企業が企業価値の向上を目指すために必要な事業拡大、新規ビジネスやサービスの創出、働き方改革、そして、それらの実行・実現に不可欠なデジタル技術の活用(DX:デジタルトランスフォーメーション)等、企業活動の様々な側面からの支援に対するニーズが強く、この傾向は今後も継続すると予想されます。

 当社においては、DXを推進する代表的なコンサルティングファームの一つとして、従来からの当社の強みである企画力・実行力をベースとしたコンサルティングとデジタルの融合による高付加価値サービスを幅広い業種に対して提供するとともに、積極的な人材の採用・育成を行い、より一層の成長に向けて取り組んでまいりました。

 このような状況のもと、当社は2021年4月26日に公表いたしました「中期経営計画(2022.2月期~2026.2月期)」において、2022年2月期~2026年2月期の期間を「国内最大級の総合コンサルティングファームとして実績を積み上げる」ための5年間と位置づけ、売上、利益ともに継続的な成長(年率20%目安)を実現し、2026年2月期において売上:1,000億円、EBITDA:300億円超を目標として掲げ、中長期にわたる持続的な成長に向けた取り組みを進めてまいりました。

 当事業年度における人材採用面については、新たに約620名のコンサルタント(新卒含む)を採用することができました。また、収益面については、前事業年度に約18%増員したコンサルタントの戦力化が進んだことに加え、引き続きDXや事業戦略に関するプロジェクトを順調に受注することができ、前事業年度から好調に推移しております。さらに、当事業年度における稼働率(注)の平均は、約90%の水準となり、収益性がより一層向上いたしました。

 これらの結果、当事業年度における収益については、前年同期に比べ(日本基準:34.2%増、IFRS:34.4%増)増収となり、営業利益については、前年同期に比べ(日本基準:63.3%増、IFRS:58.8%増)増益となりました。

 なお、当社は、コンサルティング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

 

(注)稼働率

全所属コンサルタントに対する、ある時点においてプロジェクトに参画しているコンサルタントの割合

 

 当事業年度における財政状態及び経営成績の状況は以下のとおりであります。

(財政状態の状況)

 日本基準に準拠した当事業年度末における財政状態の状況は以下のとおりであります。

 当事業年度末における資産は、50,260百万円となり、前事業年度末に比べ12,087百万円増加しました。負債は、14,727百万円となり、前事業年度末に比べ1,056百万円増加しました。純資産は、35,533百万円となり、前事業年度末に比べ11,031百万円増加しました。

 参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度末における資産は、58,136百万円となり、前事業年度末に比べ12,133百万円増加しました。負債は、16,435百万円となり、前事業年度末に比べ450百万円増加しました。資本は、41,701百万円となり、前事業年度末に比べ11,683百万円増加しました。

 

(経営成績の状況)

 日本基準に準拠した当事業年度の経営成績は、売上高57,465百万円(前年同期比34.2%増)、営業利益20,649百万円(同63.3%増)、経常利益20,619百万円(同63.7%増)、当期純利益14,670百万円(同61.0%増)となりました。

 参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度の経営成績は、売上収益57,642百万円(前年同期比34.4%増)、営業利益21,518百万円(同58.8%増)、税引前利益21,469百万円(同59.3%増)、当期利益15,544百万円(同55.2%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 日本基準に準拠した当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ9,761百万円増加し、当事業年度末には26,056百万円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、15,298百万円(前年同期は11,441百万円の収入)となりました。主な増加は、税引前当期純利益20,619百万円、のれん償却額943百万円、賞与引当金の増加額572百万円、主な減少は、売上債権の増加額2,619百万円、法人税等の支払額4,717百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、147百万円(前年同期は364百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出75百万円、敷金の差入による支出82百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、5,390百万円(前年同期は2,810百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,050百万円、自己株式の取得による支出1,206百万円、配当金の支払額3,141百万円によるものであります。

 

 参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 当事業年度末における資金は、前事業年度末に比べ9,761百万円増加し、当事業年度末には26,056百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、16,018百万円(前年同期は12,135百万円の収入)となりました。主な増加は、税引前利益21,469百万円、減価償却費及び償却費841百万円、株式報酬費用465百万円、その他の流動負債の増加額516百万円、主な減少は、売上債権及びその他の債権の増加額2,757百万円、法人所得税の支払額4,717百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、147百万円(前年同期は364百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出75百万円、敷金の差入による支出82百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、6,110百万円(前年同期は3,504百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,050百万円、リース負債の返済による支出732百万円、自己株式の取得による支出1,206百万円、配当金の支払額3,141百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 当社は、コンサルティング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

a.生産実績

 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注状況の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 日本基準に準拠した当事業年度の販売実績をセグメント別に示すと、以下のとおりであります。

サービスの名称

当事業年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

前年同期比(%)

コンサルティング事業(百万円)

57,465

134.2

 (注)1.当社の事業区分は「コンサルティング事業」の単一セグメントであります。

2.金額は外部顧客に対する売上高を示しております。

3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれも当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 当事業年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の状況

 日本基準に準拠した当事業年度における財政状態の分析は以下のとおりであります。

 当事業年度末における資産は、50,260百万円となり、前事業年度末に比べ12,087百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が9,763百万円、売掛金が2,619百万円、繰延税金資産が338百万円増加し、のれん償却額等により無形固定資産が964百万円減少したことによります。負債は、14,727百万円となり、前事業年度末に比べ1,056百万円増加しました。これは主に、未払法人税等が1,657百万円、賞与引当金が572百万円増加し、長期借入金が1,050百万円減少したことによります。純資産は、35,533百万円となり、前事業年度末に比べ11,031百万円増加しました。これは主に、資本剰余金が280百万円、利益剰余金が11,528百万円、自己株式が777百万円増加したことによります。

 

 参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度における財政状態の分析は以下のとおりであります。

 当事業年度末における資産は、58,136百万円となり、前事業年度末に比べ12,133百万円増加しました。これは主に、現金及び現金同等物が9,761百万円、売上債権及びその他の債権が2,757百万円、繰延税金資産が362百万円増加し、たな卸資産が107百万円、有形固定資産が704百万円減少したことによります。負債は、16,435百万円となり、前事業年度末に比べ450百万円増加しました。これは主に、その他の金融負債が145百万円、未払法人所得税が1,657百万円、その他の流動負債が427百万円増加し、借入金が1,038百万円、リース負債が732百万円減少したことによります。資本は、41,701百万円となり、前事業年度末に比べ11,683百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が12,402百万円、自己株式が777百万円増加したことによります。

 

b.経営成績の状況

 日本基準に準拠した当事業年度における経営成績の分析は以下のとおりであります。

 日本基準に準拠した業績

(単位:百万円)

回次

2021年2月期

2022年2月期

増減率

(%)

会計期間

自 2020年3月1日

至 2021年2月28日

自 2021年3月1日

至 2022年2月28日

売上高

42,828

57,465

34.2

売上原価

22,557

26,813

18.9

売上総利益

20,271

30,652

51.2

 売上総利益率(%)

47.3%

53.3%

販売費及び一般管理費

7,625

10,003

31.2

営業利益

12,646

20,649

63.3

 営業利益率(%)

29.5%

35.9%

経常利益

12,596

20,619

63.7

当期純利益

9,113

14,670

61.0

 (注)百万円未満は四捨五入して記載しております。

 

 当事業年度の売上高は、57,465百万円となり、前事業年度に比べ14,637百万円増加しました。これは主に、DXに関連する案件の増加によるものです。当事業年度の販売費及び一般管理費は、10,003百万円となり、前事業年度に比べ2,378百万円増加しました。これは主に、人件費によるものです。この結果、当事業年度の営業利益は、20,649百万円となり、前事業年度に比べ8,003百万円増加しました。

 当事業年度の営業外費用は、32百万円となり、前事業年度に比べ20百万円減少しました。この結果、当事業年度の経常利益は、20,619百万円となり、前事業年度に比べ8,023百万円増加しました。法人税等合計は5,949百万円となり、前事業年度に比べ2,466百万円増加しました。この結果、当事業年度の当期純利益は、14,670百万円となり、前事業年度に比べ5,557百万円増加しました。

 

 参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度における経営成績の分析は以下のとおりであります。

 IFRSに準拠した業績

(単位:百万円)

回次

2021年2月期

2022年2月期

増減率

(%)

会計期間

自 2020年3月1日

至 2021年2月28日

自 2021年3月1日

至 2022年2月28日

売上収益

42,873

57,642

34.4

売上原価

22,648

27,069

19.5

売上総利益

20,225

30,573

51.2

 売上総利益率(%)

47.2%

53.0%

販売費及び一般管理費

6,676

9,057

35.7

営業利益

13,551

21,518

58.8

 営業利益率(%)

31.6%

37.3%

税引前利益

13,477

21,469

59.3

当期利益

10,014

15,544

55.2

 (注)百万円未満は四捨五入して記載しております。

 

 当事業年度の売上収益は、57,642百万円となり、前事業年度に比べ14,769百万円増加しました。これは主に、DXに関連する案件の増加によるものです。当事業年度の販売費及び一般管理費は、9,057百万円となり、前事業年度に比べ2,381百万円増加しました。これは主に、人件費によるものです。この結果、当事業年度の営業利益は、21,518百万円となり、前事業年度に比べ7,967百万円増加しました。

 当事業年度の金融費用は、49百万円となり、前事業年度に比べ25百万円減少しました。この結果、当事業年度の税引前利益は、21,469百万円となり、前事業年度に比べ7,992百万円増加しました。当事業年度の法人所得税費用は5,925百万円となり、前事業年度に比べ2,462百万円増加しました。この結果、当事業年度の当期利益は、15,544百万円となり、前事業年度に比べ5,530百万円増加しました。

 

(参考情報)

 当社は、投資家が会計基準の差異にとらわれることなく、当社の業績評価を行い、当社の企業価値についての純粋な成長を把握するうえで有用な情報を提供することを目的として、EBITDAを経営成績に関する参考指標としております。なお、当該EBITDA及び算出方法は以下のとおりであります。

 

 日本基準に基づくEBITDA =営業利益 +減価償却費及びその他の償却費 +のれん償却額

(単位:百万円)

回次

2021年2月期

2022年2月期

会計期間

自 2020年3月1日

至 2021年2月28日

自 2021年3月1日

至 2022年2月28日

日本基準による財務諸表における営業利益

12,646

20,649

調整額:

 

 

+減価償却費及びその他の償却費

284

141

+のれん償却額

943

943

調整額小計

1,227

1,084

日本基準に基づくEBITDA

13,873

21,733

 (注)百万円未満は四捨五入して記載しております。

 

 IFRSに基づくEBITDA =営業利益 +減価償却費及び償却費 ±その他調整

(単位:百万円)

回次

2021年2月期

2022年2月期

会計期間

自 2020年3月1日

至 2021年2月28日

自 2021年3月1日

至 2022年2月28日

IFRSによる財務諸表における営業利益

13,551

21,518

調整額:

 

 

+減価償却費及び償却費(注)2

284

141

±その他調整(注)2、3

38

74

調整額小計

322

215

IFRSに基づくEBITDA

13,873

21,733

 (注)1.百万円未満は四捨五入して記載しております。

2.使用権資産に係る償却費については「+減価償却費及び償却費」から除いて「±その他調整」に含めております。

3.「±その他調整」は、IFRS固有の会計処理等によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの分析)

 当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

(財務政策)

 当社は、コンサルティング業界における企業間競争に対応できる企業体質の強化を図っており、今後の事業発展を目指すため内部留保の充実に努めております。これにより、成長に向けた人材投資、設備投資並びに株主還元等は自己資金で賄う予定であります。

 株主還元については、株主の皆様に対する安定的な利益還元を経営の重要課題と考え、配当と自己株式の取得を含めた総還元性向の目安をIFRSベースで40%とし、その内の配当性向についてはIFRSベースで20%~30%を目安といたします。配当及び自己株式の取得は、日本基準における分配可能額の範囲を目途にして、通期業績、財務体質の強化、内部留保の充実等を総合的に勘案したうえで継続的に実施することを基本方針としております。

 

(資金調達の方法及び状況)

 当社の持続的な成長と負債と資本の最適化を通じて、企業活動を最大化するための取組方針、資金調達の方法及び状況につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(金融商品関係)」、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(貸借対照表関係)4」、及び「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (2)国際会計基準による財務諸表 注記事項 27.金融商品」に記載しております。

 

(資金の主要な使途を含む資金需要の動向)

 当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、当社コンサルタントの人件費であります。また、主な設備投資需要としては、本社設備に係る固定資産投資等であります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しているほかに国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づく財務諸表も作成しております。財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債及び事業年度の収益・費用の数値に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する情報は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

 参考情報として、IFRSに準拠した財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (2)国際会計基準による財務諸表 注記事項 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。

 

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