業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、年度の序盤から新型コロナウイルス感染症の影響により、都市圏を中心に緊急事態宣言の再発出やまん延防止等重点措置が繰り返し適用され社会経済活動が大きく制限されたことで、依然として厳しい状況が続きました。9月末をもって緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が全面解除されたことから、経済活動の制限が解け景気回復の兆しを見せましたが、新型コロナウイルス変異株の発生もあり再び感染者数が増加するなど、感染症収束と景気回復が遅れ、極めて先行き不透明な状況が続きました。

当社グループを取り巻く事業環境におきましても、長引く新型コロナウイルス感染症の影響を受け、大型店及び物販・飲食専門店を中心とした多くの従来顧客の投資抑制や計画延期・中止など開発計画に慎重な動きが続き、非常に厳しい不透明な状況で推移しました。

このような状況の下、当社グループは、グループ社員及び関係者の安全確保を第一に、勤務体系や施工推進において感染症拡大予防への徹底した対策を講じ、事業の継続に努めてまいりました。また、当連結会計年度で最終年度となる中期経営計画“Brand-New SEMBA”の重点施策の推進を加速するため企業改革の重要テーマとして掲げた「エシカルとデジタル」の推進により当社グループにしかできない新たな価値の創出による顧客への対応力・提案力強化と事業の収益力向上に取り組んでまいりました。

その結果、当連結会計年度の営業概況につきましては、国内では時勢に即した飲食関連の業態転換等の改装需要や経済活動が回復傾向にある地方都市部の物販・サービス関連の新設案件や駅関連施設やイベント、また注力分野として継続して挑戦してまいりましたオフィス及び公共施設等の非商業の案件に携わりましたが、停滞した経済活動の影響による従来顧客の投資抑制や競合環境激化による獲得案件の減少等により、売上高は16,307百万円前期比83.3%)となりました。また、海外では東南アジアでの感染症対策として散発的に実施されたロックダウン等の経済活動抑制の影響もありましたが、経済活動が回復傾向にある中国では大型案件等に携わったこともあり、売上高は2,962百万円前期比139.1%)となりました。また、グループ全体としましては、売上高は19,270百万円前期比88.8%)となりました。

利益面におきましては、コロナ禍においても安全かつ安定的なサービス提供ができる体制を構築した中で、継続的な工事原価の低減や、デジタル・トランスフォーメーション推進による業務の効率化及び改善、更には経費の削減等も含めた生産性向上に取り組んだ結果、営業利益は463百万円前期比121.7%)、経常利益は471百万円前期比115.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は296百万円前期比83.1%)となりました。

以上の結果となりましたが、企業改革の重要テーマである「エシカル」に共鳴いただいたクライアントから新たな業務の受注につながるなど、当社ならではの価値提案ができるようになったこと、また「デジタル」においても「DX戦略2021」の推進により業務の効率化及び改善等が促進し、生産性向上につながり期中公表の業績予想を上回る利益を残せたことは、今後も続くことが予想されるコロナ禍での事業推進に向けて大きな弾みになったと考えております。

なお、当社グループは商環境創造事業のみの単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

 

  生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。

当社グループは、商環境創造事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載に代えて、市場分野別の受注実績及び販売実績を記載しております。

 

① 生産実績

当社グループにおいては、生産実績を定義することが困難であるため、記載を省略しております。

 

② 受注実績

当連結会計年度における市場分野別受注実績を示すと、次のとおりであります。

 

区分

受注高(千円)

対前期増減率(%)

受注残高(千円)

対前期増減率(%)

専門店

7,231,835

△17.7

1,362,776

18.8

大型店・複合商業施設

8,226,658

11.1

1,699,594

16.4

その他(オフィス・余暇施設等)

6,036,464

70.2

2,257,665

361.4

合計

21,494,957

8.9

5,320,035

71.9

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における市場分野別販売実績を示すと、次のとおりであります。

 

区分

販売高(千円)

対前期増減率(%)

専門店

7,015,808

△22.5

大型店・複合商業施設

7,986,648

△7.5

その他(オフィス・余暇施設等)

4,268,121

6.0

合計

19,270,578

△11.2

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

当連結会計年度における地域ごとの販売実績を示すと、次のとおりであります。

 

区分

販売高(千円)

対前期増減率(%)

国内

16,307,675

△16.7

海外

2,962,902

39.1

合計

19,270,578

△11.2

 

(注) 1.販売高は顧客の所在地を基礎とし、国内又は海外に分類しております。

2. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

イオングループ

2,690,454

12.3

2,520,924

13.1

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

 (2)財政状態

当社グループは、厳しい事業環境の中、健全経営の維持を目指し、総資産が16,805百万円、総負債が5,944百万円、純資産が10,860百万円、自己資本比率が64.6%、1株当たり純資産が1,059.80円となり、前連結会計年度末に比べ自己資本比率は4%の減少、1株当たり純資産は27.12円の増加となりました。

 

(総資産)

総資産は、前連結会計年度末と比較し1,462百万円増加し、16,805百万円となりました。これは現金及び預金の増加が457百万円あったこと、売上債権の増加が992百万円あったこと、たな卸資産の増加が131百万円あったこと、投資有価証券の減少が76百万円あったこと等によります。

 (負債)

負債は、前連結会計年度末と比較し1,131百万円増加し、5,944百万円となりました。これは仕入債務の増加が1,083百万円あったこと、前受金の増加が348百万円あったこと、退職給付債務に係る負債の減少が268百万円あったこと等によります。

 (純資産)

純資産は、前連結会計年度末と比較し330百万円増加し、10,860百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益を296百万円計上し、新株の発行による資本金及び資本剰余金の増加が19百万円あったこと、剰余金の配当を203百万円行ったこと、その他の包括利益累計額の増加218百万円あったこと等によるものであります。

詳細は連結株主資本等変動計算書をご参照下さい。

 

(3) キャッシュ・フロー

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得られたキャッシュ・フローは536百万円(前連結会計年度は446百万円の獲得)となりました。

主な要因は、税金等調整前当期純利益が466百万円あったことと、減価償却費が140百万円あったこと、売上債権の増加による資金の減少が924百万円あったこと、たな卸資産の増加による資金の減少が124百万円あったこと、仕入債務の増加による資金の増加が1,033百万円あったこと、法人税等の支払による支出が91百万円あったこと等によります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によって得られたキャッシュ・フローは16百万円(前連結会計年度は250百万円の獲得)となりました。

主な要因は、有形固定資産の取得による支出が42百万円あったこと、有形固定資産の売却による収入が104百万円あったこと、無形固定資産の取得による支出が92百万円あったこと、敷金及び保証金の差入による支出が87百万円あったこと、敷金及び保証金の回収による収入が131百万円あったこと等によります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって使用したキャッシュ・フローは192百万円(前連結会計年度は438百万円の使用)となりました。

主な要因は、配当金の支払による支出が203百万円あったこと、株式の発行による収入が12百万円あったこと等によります。

以上の結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は8,656百万円437百万円の増加となりました。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの資金需要の主なものとして、工事設計施工に係る工事原価、販売費及び一般管理費等の営業費用があります。これらの資金需要は売上代金の回収にて獲得した自己資金にて充当しております。

当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は8,656百万円と当社グループの事業活動を推進する上で十分な流動性を確保しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

当社グループの連結財務諸表の作成において、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

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