課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社は、「豊かになるための集団」、「負けてたまるかの拡大発展」、「顧客に密着する経営」、「新製品新事業の開拓」、「会社は永続するもの」という経営理念を掲げ事業展開を行っております。

具体的には、今や建物に不可欠になった自動ドアの販売を事業の核に、安全で快適なエントランス環境を創造する企業を標榜しております。また、販売、設計、施工、アフターサービスまで社内一貫体制で行える経営資源を活かし、新規事業にも積極的に取り組んでおります。

 

(2)経営環境及び経営戦略

当社グループの業績に影響を及ぼす国内建築市場につきましては、堅調な増加傾向が続くものと考えられますが、国内においては地域によってかなり仕事量に差が出ると考えております。

このような環境の中、景気に左右されにくいストック市場(注)の潜在需要は、地域に関係なく大きいものと考えております。そのため、建築需要の旺盛な首都圏では、新規のシェアを拡大を図るとともに、リニューアルにも注力し、収益の拡大を目指してまいります。一方で、新規の建築需要が減少していくと考えられる地方では、リニューアル需要の掘り起こしに一層注力してまいります。

また、収益力の向上のため、既存の保守契約と共にIoT技術を活用した新保守契約プランの拡大に努め、一層の契約率向上に取り組んでまいります。

また、デジタルマーケティングの体制構築を図るとともに、新基幹システムの稼働を含めた社内システムの導入活用によるDX推進を行い、全社的な業務効率化にも取り組んでまいります。

 

(注)ストック市場とは、リニューアル需要や保守契約の締結が見込める、当社グループの製品を利用して頂い

   ている施主や建物管理会社等のエンドユーザーを顧客とする市場を指します。

 

(3)目標とする経営指標

当社グループは、継続的な成長及び安定的な収益確保の実現を経営目標としており、その客観的な指標として、売上高成長率及び売上高経常利益率の向上を掲げております。顧客に様々な商品やサービスを提供し、顧客一人当たりのライフサイクルバリュー(生涯価値)の拡大を通じて、目標達成に努めてまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 ① 人材の確保と育成

当社グループでは、営業・設計・製造・施工・保守サービスを正社員による社内一貫体制で行うことを強みにしております。更なる事業拡大には人材の確保と育成が重要課題です。

旺盛な受注環境が見込まれる首都圏における人員の強化を図るとともに、研修制度の拡充による各部署各個人の専門的なスキルアップを図り、一人当たりの生産性向上に努めてまいります。

 

 ② 採算管理の徹底

価格競争の激化や材料費の高騰など、厳しい事業環境下においても安定した収益を確保するため、新規物件の選別受注をより強化し、収益性の向上を図ってまいります。

 

 ③ ストック市場への取り組み

ストック市場(リニューアル及びメンテナンス)は当社グループの利益の源泉であります。当社グループが管理している約29万台の自動ドアを主なターゲットとして、古い自動ドア開閉装置の交換や周辺のサッシ・ガラスの更新、衛生対策提案も含めたトータルリニューアルを推進してまいります。

また、2021年1月より開始したサービス「Fi-R(リモート)」(IoTを活用した新保守契約プラン)の拡大を推進し、既存の保守契約と共に契約率の向上に努めてまいります。

 

 ④ DX推進

デジタルマーケティングにおける訴求施策やデータ活用の体制構築を図るとともに、新基幹システムの稼働を含めた社内システムの導入活用による全社的な業務効率化を推進してまいります。

 

 

 ⑤ 成長戦略の再構築

当社グループでは、上場以来の成長戦略として、「ストック市場の開拓・商品開発力の強化」、「東京を中心とした関東におけるシェアアップ・未進出エリアへの事業拡大」、「新たな価値を付加した自動ドアの提案・自動ドア以外の新商品の販売」の3つの成長軸を掲げてまいりました。

今一度、全体的な成果検証を行い、積極的なM&Aや異業種との提携も模索しながら、成長戦略の再構築を進めてまいります。

 

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