業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 当期の経営成績の概況

当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大による社会活動における制限は緩和され、緩やかながらも景気回復の動きが見られました。一方で、世界情勢の見通しは不確実であり、日米金利差拡大等による急激な円安の進行に伴い、エネルギー価格や原材料価格が高騰する等先行き不透明な状態が続いております。国内の雇用情勢につきましては、コロナ感染症の影響が残る中で引き続き弱い動きとなっているものの、個人消費回復の動きを受け、飲食業・小売業などでにぎわいが戻りつつある一方、採用活動が追い付かず、人手不足の状況が顕著になりつつあります。

このような環境のもと、当社グループの売上高は、主要顧客である飲食・小売り・サービス業の採用活動の回復に加え、流通サービス業や人材サービス業などにおける採用や雇用の課題解決に注力することで、高成長を持続しております。

費用面においては、2021年9月期に推し進めた事業会社の再編や大幅なオフィス縮小統合などによる固定費削減を実現できている一方で、売上成長のための投資強化により原価(労務費、仕入れ)および販売管理費(広告費等)は増加しております。

これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高12,721百万円(前期比15.4%増)、営業利益215百万円(前連結会計年度は105百万円の損失)、経常利益213百万円(前連結会計年度は98百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益491百万円(前連結会計年度は212百万円の損失)、営業利益よりのれん及び減価償却費影響を除いた調整後EBITDAでは、543百万円(前期比97.3%増)となりました。

 

  当社グループにおける各セグメント別の業績は以下のとおりです。

なお、2021年10月1日よりセグメント区分を変更しています。各セグメントの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載しています。

 

(ヒューマンキャピタル事業)

ヒューマンキャピタル事業におきましては、企業の採用活動を総合的に支援する「RPOサービス領域」、シニア・主婦・短期単発といった求職者のニーズに対して最適な求人メディアサービスを提供する「セグメントメディア領域」、ITテクノロジーを駆使した人材マッチングサービスを提供する「DXリクルーティング領域」、外国人雇用のコンサルティングやマッチングサービスを提供する「外国人採用領域」、スタッフの離職防止サービスを提供する「定着化支援領域」、原稿制作や新卒採用支援、営業代行等を受託する「業務代行領域」などがあります。

RPOサービス領域では、主要顧客である物流・サービス・飲食・小売りの大手企業を中心に採用意欲が高まる中で、効率的な採用成功を実現する新たな採用手法の提案活動により、売上高が前期比でおよそ2割の増加となりました。

セグメントメディア領域では、全体では微増であるものの、スポットワークのニーズは堅調に増加しており短期単発バイト専門サービス『ショットワークス』は前期比でおよそ4割増加いたしました。

DXリクルーティング領域では、ビッグデータとアドテクノロジー(広告配信技術)を駆使したダイレクトリクルーティングサービス『Findin(ファインドイン)』を中心に急成長となり、前期比でおよそ5割増加いたしました。

外国人領域や定着化支援領域も回復基調に転じており、それぞれおよそ4割の増加。業務代行領域は代行案件の縮小により、およそ3割の減少となりました。

これらの結果、ヒューマンキャピタル事業における売上高は 10,181 百万円(前期比 22.9 %増)、営業利益は 225 百万円(前期は116百万円の損失)となりました。

 

(スタッフィング事業)

スタッフィング事業におきましては、人材派遣および日々紹介をおこなう派遣・紹介領域、派遣スタッフの研修店舗を兼ねたコンビニ店舗を運営するコンビニ領域があります。

派遣・紹介領域につきましては、当領域を運営しておりました株式会社ツナグ・スタッフィングの全株式の譲渡により2021年9月期第3四半期から連結対象外とし、また、合弁会社として事業化を進めている株式会社LeafNxTを2022年9月期第3四半期より連結対象としております。

コンビニ領域は、コロナ影響の収束によるコンビニ需要の増加に加え、運営しているコンビニ9店舗の販売データをもとにした販売戦略強化や、2店舗の移転による売上伸長もあり、売上高が前期比でおよそ1割増加いたしました。

これらの結果、スタッフィング事業における売上高は 2,708百万円 (前期比 3.6%減 )、 営業損失は27百万円 (前期は 46百万円の損失 )となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ557百万円増加し、1,250百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は478百万円(前連結会計年度は54百万円の増加)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益591百万円、減価償却費241百万円及び売上債権の増加額212百万円があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、増加した資金は292百万円(前連結会計年度は59百万円の増加)となりました。これは、主として無形固定資産の取得による支出121百万円及び無形固定資産の売却による収入450百万円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は254百万円(前連結会計年度は226百万円の減少)となりました。これは、主として短期借入金の減少額462百万円及び非支配株主からの払込みによる収入209百万円があったことによるものです。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当社グループは生産活動を行っておりませんので、記載事項はありません。

 

(2) 受注状況

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、受注状況の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

ヒューマンキャピタル事業

10,181,836

22.9

スタッフィング事業

2,708,767

△3.6

合計

12,890,604

16.2

 

(注)セグメント間及び振替高を含んでおります。
 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。

この連結財務諸表の作成にあたりましては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ589百万円増加し、5,209百万円となりました。これは主に現金及び預金が557百万円、売掛金が212百万円増加した一方で、顧客関連資産が105百万円、のれんが109百万円減少したことによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ103百万円減少し、3,672百万円となりました。これは主に買掛金が123百万円、未払金が106百万円、賞与引当金が109百万円、未払法人税等が133百万円増加した一方で、短期借入金が462百万円減少したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ693百万円増加し、1,536百万円となりました。これは主に資本剰余金が96百万円増加したことや、利益剰余金が441百万円、非支配株主持分が97百万円増加したことによるものであります。

 

(3) 経営成績の分析

① 売上高

売上高は、前連結会計年度より1,696百万円増加し、12,721百万円となりました。

② 売上総利益

売上総利益は、売上高の増加に伴い、前連結会計年度より558百万円増加し、6,023百万円となりました。

③ 販売費及び一般管理費、営業利益

販売費及び一般管理費は、事業会社の再編や大幅なオフィス縮小統合などによる固定費削減を実現できている一方で、売上成長のための投資強化により販売管理費(広告費等)は増加より、前連結会計年度より238百万円増加5,808百万円となりました。この結果、営業利益は前連結会計年度より320百万円増加し、215百万円となりました。

④ 営業外損益及び経常利益

営業外収益は、前連結会計年度より15百万円減少し、22百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度より6百万円減少し、24百万円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度より311百万円増加し、213百万円となりました。

⑤ 特別損益、法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益は、前連結会計年度より309百万円増加401百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度より179百万円減少し、23百万円となりました。法人税等合計は116百万円増加し、122百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度より704百万円増加し、491百万円となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの所有資金は、大きく分けてIT関連設備投資や、子会社・関連会社への投資資金及び経常の運転資金となっております。これらの運転資金及び投資資金については、まず営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を充当することを基本としておりますが、資金需要及び金利動向等の調達環境並びに既存の有利子負債の返済等を考慮の上、調達規模及び調達手段を適宜判断して外部資金調達を実施する場合があります。原則として、運転資金については、金融機関からの短期借入、投資資金に関しては、金融機関からの長期借入にて調達を行っております。

また、資金の流動性については、グループ各社における余剰資金の有効活用に努め、更に、運転資金の効率的な調達を行うため金融機関と当座貸越契約を締結しております。また、グループCMSを活用し、より一層、効率的な資金調達と充分な流動性を維持していく考えであります。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。当社グループは、常に事業環境に注視するとともに、組織体制の整備、内部統制システムを強化することによりリスク要因に対応してまいります。

 

(7) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

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